「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
新年一発目。
2010年01月05日 (火) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verAED前提 !!

verはたぶんどれでも問題ないとは思うんですが、一応verAで。
レハト様とは婚約中。
職業は二人揃って仲良く衛士です。
でも多分、グレオニーのがちょっと階級が上くさい。


危ない危ない。
2010年一発目のSSだと言うのに、トッズ憎悪SSに乗っ取られるかと思った。

というわけで、グレオニー党辺境支部として新年一発目はグレオニーで。
最近トッズの憎悪電波が酷いんですがグレオニーで。
なにはともあれグレオニーで。
rass様の愛に答えてグレオニーで。
ちなみに元ネタというか、なんでこういう設定になったかと言うと、グレオニーと一心同体を目指した時にうっかり武勇を上げすぎて、最終結果が衛士@マッスルレハトになったせいです。


[2010年の目標]
今年はグレオニー以外とも戯れたい。
陛下、ユリリン辺りからそれとなく受信はしているんですが、難易度がorz
あとはヴァイルの出番のないヴァイル憎悪verB電波とか。
まあ、グレオニー以外の電波の9割はトッズ憎悪だと思ってくださればまず間違いないかと。
トッズは憎悪を風呂敷に包んで抱えてトッズ党本拠地に帰りたまえよ。
ここはグレオニー党辺境支部だぜ!







 に は 貴 方 の 意 の ま ま に


 気まずさに先に視線を逸らしたのはこともあろうに私の方だった。
 真向かいに座ったグレオニーの眉間の皺は深い。怒っているのか呆れているのか、はたまた苛立っているのかは判然としないが、不機嫌である事はまず間違いなさそうだ。
 私はただ、御前試合に出たい、と言っただけなのに。
 篭りが明け、一衛士として王城に籍を置く以上御前試合に出たいと思うのは自然の成り行きだ。女の身とは言え――否、だからこそか。どこまで太刀打ち出来るのか確かめてみたい。
 そう思うのは悪い事なのだろうか。
「レハト、何度も何度も言うけど、それは反対だ」
 グレオニーは頑として意見を曲げようとしない。
 いつもなら手を握って上目遣いにお願いすれば即座に落ちるのだが、今回はそれも効果が無かった。打つ手が無いとはこのことだろうか。
 そもそも御前試合に出るためにグレオニーの許可を取る必要などないのだが、無断で出れば、それはそれで問題なのだ。予告無しに驚かせて後々説教されるのは避けたい。
 そう思って許可を求めたのだが、判断を謝ったかもしれないと今更後悔していた。グレオニーの厳しい表情が、絶対に駄目だと何より雄弁に物語っている。
 どう説き伏せたものか。
 私が思考を巡らす間にも畳み掛けるようにグレオニーは言い張る。
「それだけは絶対に駄目だ。俺は認めない。第一、怪我でもしたらどうするんだ」
 衛士が怪我を気にしてどうするのだ。
 そう歯向かうと、これでもかと言うくらい大きな溜息を返された。馬鹿にされているようで釈然としない。正確には、馬鹿にしていると言うよりは、子どもの我侭に呆れているという感じだろうか。
 どちらにせよ私が劣勢なのは確かだ。
 かと言って効果的な方法があるわけでもなく、明らかな分の悪さに私は俯き黙り込むしかない。そんな私の様子に苦笑しながらグレオニーが私の頭を撫でた。
「あのな、レハトは衛士だけど、衛士である以前に寵愛者だろう。成人して衛士になったからって選定印が消えたわけじゃない。寵愛者に怪我をさせたなんて事になったら、相手の衛士だって大変なんだ」
 正論をぶつけられてはぐうの音も出ない。
 成人前にヴァイルが御前試合に出場した際に大怪我をし相手の衛士が引責辞任をした話は聞いている。私としてもそれは望むところではなかった。折角身分を越えて親しくなった衛士たちとそんなことで距離が開くのは悲しく、寂しい。
 グレオニーが宥めるように私の手を撫でた。
「というのは建前で、本音は、試合で怪我でもされたら俺の寿命が縮むから」
 それは困る。
 出来うる限り、彼とは長く共にいたい。
 そこまで心配しなくても大丈夫だと言い切れないのも痛いところだ。試合に事故は付きもので、小さな怪我から大怪我まで、それこそ対戦してみなければどんな怪我をするかなど分からない。
 グレオニーの気持ちも理解出来るのだ。
 私だってグレオニーが御前試合で怪我をするのではないかといつも落ち着かないのだから。幸いにして今のところ彼が大きな怪我をする事はなかったが。
 しかしグレオニーの場合、心配し過ぎなきらいもある。私の手にちょっと肉刺が出来た程度でも大騒ぎするのだ。それこそ体に掠り傷一つでも付いたら卒倒しかねないだろう。
 段々彼を納得させられる自信が失われていく。
 だが自分のためにも、移譲の儀で期待の言葉を掛けてくれたリリアノに報いるためにも頑張らなければ。
「もしレハトが怪我しても、俺が代わってやれるなら好きなだけ出ればいい。でもそれは出来ない相談だろう? 俺はレハトにはなれないし、レハトも俺にはなれない」
 私の両手を握りしっかりと目を見据えて語りかけるグレオニーは真剣そのもので、さしもの私もこの場でこれ以上出たいとは主張出来なかった。

*     *     *

 グレオニーの説得が有耶無耶なままで終わった翌日。
 久方ぶりのヴァイルの呼び出しに応じて玉座の間の横の小部屋に入ると、そこにはリリアノまで顔を出していた。
 一体どんな重要な話がなされるのかと表情を改めた私に反し、ヴァイルは妙ににやにやと笑っている。リリアノまで面白そうに目を細めている始末だ。どうもさほど重大な用件ではないらしい。
「レハト、御前試合に出たいってごねたんだって?」
 ヴァイルが羽筆を指に挟んで頬杖を付いたままの姿勢で、心底楽しげにそう言った。
 ごねたという表現は若干誇張のような気がするが、それはさておき、どこからその話が耳に入ったのだろう。尋ねたところで誤魔化されるのは分かっているから聞かないが。
 とりあえず否定しておく。
 私は当然の主張をしたまでで決してごねたわけでは――グレオニーにとってはそうかもしれないが――ない。
 全く譲る気のない私に、リリアノが僅かに眉尻を下げた。
「あまり未来の夫君を困らせるでないぞ、レハト」
 相変わらず威厳に満ちた声音だが、目が笑っているのはさすがに隠せないようだ。
 神妙に頷きつつ、御前試合に出たいと言い張った一端に、移譲の儀でリリアノに国一番の武芸者を目指してくれと言われたということが関与していることをぽつりと漏らすと、リリアノが呵々と笑った。
「なるほど、そうであったか。いやなに、あの時はお主が衛士と婚約するとは思わなんだからな。だがそうか、ならばそのことは忘れてくれて良いぞ。結婚の前に心労で倒れられてはお主が困ろう」
 それほど柔な人ではないと言い切れないのが辛いところだ。どうも色々と気にし過ぎる傾向があるグレオニーなら倒れかねない。
 私が軽い溜息を漏らすと、ヴァイルが少しだけ懐かしそうな目をしながら楽しげに言う。
「まあ気持ちはわかるけどね。俺も出られるものなら出たいし。でもさー、寵愛者相手に手加減しない衛士なんていないよ?」 
 言われてみればその通りだ。
 私に怪我をさせるよりは、それなりに打ち合って見せてから負けたほうが処分の心配が無い。だがそれでは私の実力は確かめられないし、何よりそれで衛士に疎まれてはその後何かと遣り辛くなるだろう。
 私の負けだ。
 ここは諦めるしかないらしい。
 グレオニーの思う壺のようで不本意だが、私は溜息混じりに二人に降参の意を示した。

 後日、御前試合に出るのは止めることにする――そう告げた私に、グレオニーがこれ以上もなく喜んだのは言うまでもない。

[ 完 ]

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