「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
10KAはとんでもないものを受信しました。
2009年09月22日 (火) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情ED前提 !!

verは、たぶんどれでも問題ないかと思ったので、ひっくるめて愛情ED後に設定。
一緒にお風呂話。 ←
きっと結婚済。
だがしかし、なんでこうなったし?、という展開。
期待には応えない。それが10KAクオリティ。


……グレオニー チャットでアネキウスたちが風呂風呂言うから!!
飛んできたよ、グレオニーから鳥文!!
こういうときばっかり鳥文寄越すとか、どういうことよ、むっつりめ。
あとは妄想で補ってください。
みんなのもうそうりょく、しんじてる。

というかかもかて界の湯浴みは現代の風呂でいいのだろうか。
湯浴みと聞いて最初は、お湯を張った桶を沢山並べてその中で汗と一緒に汚れを出すという古式ゆかしい平安的湯浴みを考えたもので。
その辺の記述ってありましたっけ?

タナッセ党のアネキウスのSSがクリティカルヒットして危うく党員名簿に署名しかけた今日この頃。
乙女のポリシーでも聞いて邪念を追い払ってきます。







 奇 心 に 殺 さ れ る


 手の水鉄砲と言うのは案外難しい。
 きっかけはグレオニーの何気げない一言だった。
「レハト、レハト。ちょっと見てろ」
 向かい合ったグレオニーが、まるで子どものような笑顔で私の名を呼び、首を傾げる私の目の前で両手を組んで見せた。そのまま湯の中に少し沈め、手に力が入ったと思ったら手の中から飛び出した湯が私にぱしゃりとかかる。
 目を丸くすると、グレオニーが子どものような顔で笑った。
「俺、子どもの頃からこれだけは得意でさ。兄貴たちにも負けなかったなあ」
 グレオニーの回顧録に耳を傾けている場合ではない。昔を思い出しているのか、遠くを見るような目で心ここにあらずといった態のグレオニーの腕を掴んで揺する。
 私もやってみたい。
 そう言うとグレオニーが瞠目した。
「やってみたいって……やったことない、のか?」
 ない、ときっぱり言うと、そうかそうか、となぜか満足そうに頭を撫でられた。子ども扱いされているようで嫌だから頭を撫でるのはやめて欲しいと再三再四言っているのに。
 それにしても経験がないのがそんなに珍しいだろうか。
 城に来てからは勿論の事、村にいた頃でさえ母以外の誰かと一緒に入った記憶がない。風呂に入るのに額を隠したままと言うのは不審を煽りかねないだろう。母が私の選定印を隠していたことを鑑みれば当然の事だ。だから物心が付いた時には一人で入るのが普通だった。
 そう考えると、今こうしてグレオニーと一緒に入っているのが不思議に思えてくる。
 ぼんやりと過去に思いを馳せていると、
「よし、じゃあ俺が教えてやる」
 喜々とした声がそう言う。
 グレオニーが私の肩を掴んで反対側を向かせようとする。されるがまま彼に背を向けると、後ろから抱え込む形で手を握られた。
 私の手より関節一つ分ほど大きい。
「こうやって手と手の間に隙間が出来るように両手を組んで、隙間にお湯を入れるだろ。で、後は手に力を入れるだけ」
 指導されるままやってみるが、四方に湯が散っただけでグレオニーがやってみせたように上手く飛ばない。耳元で笑いながら、グレオニーがお手本を見せる。その隣に手を並べて同じように手を組み、ぐっと力を込めるが結果は最初と変わらなかった。
「あとは慣れだからなあ。コツさえ掴めれば簡単なんだけど」
 ぷしゅ、ぷしゅ、と四方八方に湯を散らせながら只管手を組んでは湯を飛ばすのを繰り返す。
 組んだ手と手の間に湯を入れ、ぐっと両手をくっつけるが、殆どが指の隙間から空しく漏れてしまい綺麗に飛んでいかない。偶に少しだけ真上に上がる事があるが、殆どは不発だ。そのコツとやらを私に教える気はないのか、教えられるようなものではないのか、グレオニーは黙って後ろから私の手元を覗き込んでいる。
 私が余り熱中しているものだから、グレオニーは半ば呆れているのだろう。
 だが悔しいではないか。腕力でも体力でもグレオニーに私は勝てない。衛士に勝とうと思うのがそもそも間違っているのかもしれないが、何か一つ勝てることが欲しい。少なくとも負けているのは何となく釈然としない。以前そう不満を訴えるとグレオニーは、俺はレハトの存在に勝てないから、と言っていたが。それとこれとは話が別な気がする。
「レハト、今日はそろそろ諦めよう、な? 湯あたりするぞ」
 そう促すグレオニーに頑なに首を横に振る。
 呆れか諦めか、どちらか判別のつかない溜息が背後から聞こえた。
 力を入れ過ぎているらしく、段々手も痛みを覚えてきている。それでもせめて一度なりと成功しなければ止められない。否、止めたくない。
 溜息混じりにグレオニーが私の肩に顎を乗せ、彼の手が何気ない動きで私の胸に触れた瞬間、

 出来た。

 ひゅっと音を立てそうなほど綺麗に湯が手の中から飛び出して行く。
 数え切れない失敗の果ての成功に私がはしゃぐより早く、妙な唸りが耳に届き、肩から重みが消えた。
 何となく事態は察している。私の手から確かに綺麗に湯が飛び出していったのは間違いない。だがその湯は、前方ではなく私の顔の横をすり抜けて後方に放物線を描いた。
 これはどう考えても――。
 恐る恐る首を巡らせると、無言で顔の湯を拭っているグレオニーと目が合った。
「レハト……」
 呟く声は低い。眉間に皺が寄っている。
 私の嫌な予想を裏切らず、湯は見事にグレオニーの顔面に散ったらしい。上手く出来たと単純に喜んでいる場合ではないようだ。そもそも予定外の方向に飛んでしまったのでは、上手に出来たとも言い難い。
 コツを掴むまであと少しだと思うのだが。なかなかどうして難しい。私とグレオニーでは随分と手の大きさに差があるが、それも成功率に関係あるのだろうか。
 いつの間にか不意打ちで思い切り湯をかけてしまったグレオニーのことより、手で水鉄砲の成功に気を取られていると、前髪を軽く引っ張られた。
「……今のは、わざと、だったりするのか?」
 そんなわけがない。わざと出来るほど私は上手くない。それは今まで私の失敗の数々を見てきたグレオニーが一番良く分かっているはずだ。
 首を振って否定すると、だよなあ、と苦笑する。
「ま、わざとじゃないなら、いいか……うん、そうだよな。いいってことにしておくか、ははは……はあ」
 ひどく残念そうなのはどうしてだろう。
 今度は正面に飛ばすべく、再び手で水鉄砲に挑戦しながら私は首を傾げた。

[ 完 ]

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