「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
リクエストに応えてもらった記念
2017年02月24日 (金) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情ルート前提 !!

レハト様:未分化、脳筋
友情出演:ハイラ、フェルツ


リクエストボックスがあったらそりゃあリクエストするよね!!

即身バレ余裕でした(゜-゜)<匿名とはなんだったのか

これではまるで世の中に私しかグレオニー党員がいないみたいじゃないか。
企画投票の票が全部私みたいじゃないか。
いや、待てよ。
一体いつからグレオニー党員が複数いると錯覚していた?
もしかしたらグレオニー党員は全員私なのか?
つまり、rud○rさんもまた私の一部であると……?
ひょっとしたらグレオニーさえも私の一b


皆さん、こんばんは。グレオニーです。 ←今ここ


動き鈍くてすみません。
その、元々詩とか、そういう文学的なことは苦手なので大目に見て下さい、レハト様!!





 説 の 鍋

 訓練場をグレオニーが鍋の具材を抱えて歩いている。
 推理するまでもないが、今日の昼食は鍋だ。間違いない。
 僕も以前混ぜてもらったことがあるが、衛士はこうしてたまに鍋を囲んでは親交を深めている。
 ということは、だ。
 鍋を食べれば食べるほど僕とグレオニーの仲もぐっと深まるに違いない。いや、深まるどころかいきなり相思相愛即求婚からの婚約、結婚までとんとん拍子に話が進むかもしれない。
 ああ、聞こえる、聞こえるぞ。アネキウスが僕に、愛のこもった鍋を作れと囁いている。
 だって僕は寵愛者だもの。
 と言うわけで、善は急げとばかり、グレオニーの胃を両手でがっちり掴むため、僕は鍋の食材集めや調理に没頭した。
 やはり一口で、レハト様と結婚したい、いやしなければ、と思わせるような味が良い。まあ、トッズあたりに頼めば無味無臭の惚れ薬が手に入ったりする気がするけど、それは最後の手段だ。今は僕の実力で勝負したい。でも一応後で手に入れておこう。所謂、一つの保険というやつだ。あっても困らないし。余ったら、ノで始まる失恋衛士にでも売りつければ良いし。
 とりあえず、材料集めは簡単だ。何しろここは王城。市ではそれなりの価格の物が売買されている。ああ、厨房で少し分けてもらうのも良いだろう。とにかく食材には困らない。さすが首都。ありがとう首都。
 最高の食材でアネキウスの期待に応え、必ずや伝説に残る最高の鍋を――。
 決意を胸に、グレオニーの目をかい潜り、勉強なんぞそっちのけで鍋作りに精を出した結果、数多の試行錯誤の末にとうとう納得のいく鍋が完成した。
 どうしよう。手応えしかない。これでグレオニーは僕の虜だ。
 そうして満を持して鍋の日に訓練場に乗り込んだ僕は、素早く調理場を占拠し、衛士たちから全ての材料という材料を奪い、調理場への侵入を完全阻止し、僕特製グレオニーへの愛情たっぷり奇跡の寵愛者鍋を作り上げた。
 他の衛士がうっかり僕に夢中になるのだけが心配の種だが、僕にその気がないから問題ないだろう。
 腹を空かせて待ち侘びる衛士たちの前に鍋を運ぶと、早速ハイラが食いついてくる。
「……なにこの闇鍋。何入ってるの? というか食べれるの、これ」
「A5ランクの土豚とか入ってる」
 ハイラが疑わしげな目でこちらを見てくる。
 失礼な。僕は嘘なんか吐いてない。
 ハイラと一緒にしないで欲しい。
「ちょっと、グレちゃん。この人の保護者なんだから毒味」
「俺は保護者ってわけじゃ。それに毒味だなんて大袈裟だぞ。食えないものを入れるわけが」
「いいから黙って毒味」
 ハイラの圧力に屈したグレオニーが鍋をかき混ぜて椀に掬う。
 確かに少しばかり見た目が宜しくないのは認める。だけど食材は惜しんでない。入っているもののどれもこれもが、貴族出身のハイラだって、そう易々とは口に出来ないような一級品だ。
 なぜか他の面々が固唾を飲む中、グレオニーが静かにスープを口にした。
 さすがに緊張する。グレオニーの口に合うと良いんだけど。グレオニーにしてみれば食べ慣れてないものばかりだから、少し心配だ。
「どう、グレちゃん。正直な感想を聞かせてよ」
「今まで食べたことない味だけど、普通に旨いと思うぞ。高級なものってこういう味がするんだなぁ」
 グレオニーがどことなく嬉しげにしみじみと呟く。
 僕は瞬時に今まで味わったことのない高揚感に包まれた。厨房と毎日交渉に交渉を重ねてA5ランクの土豚を手に入れた甲斐があったというものだ。
 遠巻きに僕らを囲んでいた衛士たちも、グレオニーの感想をきっかけに、各々鍋をよそい始めた。
 和やかな空気に包まれる訓練場。きっと皆、口々に僕を誉めそやすに違いない。
 レハト様、最高です。
 レハト様、こんな旨い鍋は初めてです。
 レハト様、料理の才能もあったんですね。
 レハト様、是非結婚して下さい。
 あー、最後のは申し訳ないがグレオニー以外は断らねば。
 そんな空想に耽っていると、不意にばたりと誰かが倒れた。かと思うと、一人、また一人、と徐々に人数が増えていく。
 感想を言う暇もなく倒れるほど美味しかったのか、そうか。腕によりをかけた甲斐があったというものだ。
「…………ねぇ、グレちゃん、腹痛かったりしない?」
「いや、全然。あ、レハト様、お代わり頂いてもよろしいですか?」
「勿論!!」
「じゃあなに、あいつらはたまたま倒れただけなわけ?」
「風邪が流行ってるから、それじゃないか? まあ、まずは食ってみろって」
 胡散臭げな顔をしながら一口含んだハイラがすぐさま口を押さえ、支えを失った匙が地面に落ちた。
 あまりにも美味しいからってそんな大袈裟な。ちょっと照れる。
「ちょ、ちょっ」
「超旨い?」
「馬鹿言うんじゃないよ!! あんた、一体何入れたのさ!!」
「高級食材しか入ってないってば」
「味見はしたんだろうね!?」
「した、した」
「……してこの様? 味覚までお似合いなわけ、あんたたち」
「ななな何言うのやだなハイラ」
「お、お似合いって、そんな、俺たちは、べ、別に、その」
「ねえ?」
 グレオニーと視線を合わせて照れ笑いを浮かべ合う。
 お似合いだなんて、嬉しいけど恥ずかしい。
「そういう意味じゃないから。とにかく、責任取って全部食べて証拠隠滅してあげなよ、グレちゃ……うえ、気持ち悪……」
 ハイラも風邪か。衛士は以外と軟弱なんだな。僕なんて生まれてこのかた風邪なんて引いたことがない。今は平和だから良いようなものの、こんなんでいざという時に王城が守れるんだろうか。
 そこへ鍋の良い匂いを察知したのか、遅れてフェルツが合流した。
 良かった、何度かグレオニーがお代わりしてたけど、フェルツの分もまだ残ってる。風邪で次々に倒れてなかったら今頃空だったから、フェルツはついてる。
「フェルツも食べていったら? ちょっとした話題になるし、ついでに男気も試せるし」
「悪い、この状況で食べる勇気はない」
「別に普通だぞ?」
「グレちゃんは黙って。ほらフェルツ、男を見せな」
 心なしか顔色の悪いハイラがフェルツに椀を差し出す。
 だが受け取る気配がない。
 遠慮しているのだろうか。
「…………寵愛者様は、この鍋をグレオニーのために作られたんじゃないですか?」
「え!? ま、まあ当たらずも遠からずと言うかなんと言うか。ひ、日頃色々親切にしてもらってるから、お礼が出来たらいいなと思っただけで別にグレオニーに特別な感情は」
 グレオニーがいるのに何を言わせるんだ、フェルツは。恥ずかしい。
 顔から火が出そうだ。今なら顔面で鍋を温め直せる気がする。
「だそうだ。グレオニーが食べるのが筋だろ」
「フェルツ、汚なっ」
「レハト様……俺なんかのために」
 はっ、グレオニーがジーンとしてキュンとしてる気配が。
 これは顔の熱で鍋を温める妄想をしている場合じゃない。
 僕は慌ててグレオニーの目をじっと見返した。
「レハト様、俺が全部頂いてもよろしいでしょうか」
「よ、喜んで!!」
 結局グレオニーは一人で鍋の残りを食べきり、僕はそんなグレオニーを見つめて過ごした。
 また作ってあげよう。衛士は風邪を引きやすいみたいだから、今度は体に良い鍋にしようかな。

*   *   *

 その後、廊下でばったり出くわしたテエロに、全く余計な仕事を増やさないで欲しいものですね私はヴァイル様専属医師と言っても過言ではないのになぜ衛士どもを大量に診ないといけないんですかあれが全員ヴァイル様だと自己暗示をかけてなかったらとてもじゃないけど無理でしたよ、とか一息で畳み掛けられた時には寒気がした。
 テエロ、キモい。怖い。あれは絶対ヤバい。
 内容がいまいち聞き取れなかったけど、ヴァイルの名前が出てた気がするから、すぐにでも忠告してあげねば。
 本当、僕って親切。

[ 完 ]