「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
やれば出来るもんだな!!
2015年12月19日 (土) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verAED前提 !!

視点:グレオニー
色々グレオニーに関するイベントのネタバレがあるので、未プレイの方は要注意。
名がある衛士とか名も無き衛士とか名も無きお貴族が出たり出なかったり。
レハト様の職業はなんでも影響ないのでご想像にお任せします。


最後にかもかてを起動したのが2014年8月でした。
つまり、約1年4ヶ月後の今。
果たして好感度表示を「なし」にした状態でグレオニーをモノに出来るかどうか。
挑みました。

↓ 結果
20151219.jpg


やったね!! 無事攻略出来たよ!!
1年4ヶ月ぶりでもグレオニーの心を擽る選択肢は覚えてるもんだね!!
でも、グレオニーを表舞台に引きずり出すのに、10回くらい初日前半をやり直したけどな!!
なぜ一発で出て来なかった、貴様。

レハト様→グレオニーが「親しき運命の人」になっていますが、これでもレハト様は必死に心を抑えたのです。
途中で印愛カンストして反転以外出来ない状態になりました。
仕方ないから印友に振ったくらいの勢いです。
ちなみに、ばっちりグレオニーのほっぺにちゅーはしております。ゲッヘッヘ。
でも、「試合の後」を発生し損ねました。
「衛士の思惑」も後回しにしたんですが、待ち過ぎてにっちもさっちも行かなくなりそうな気配だったので、止む無く「衛士の思惑」を発生させ、「試合の後」を諦めました。
チェッ。


拍手ありがとうございます。
今年こそサンタさんが文才を授けてくれるはずなので、来年の私に乞うご期待★





 路 ( 2 )

 翌日になってもやっぱり天気は悪いままだった。
 近頃の天気の悪さが雨男と呼ばれる俺のせいだって言うなら、現状に何の変化もないんだから当然と言えば当然か。
 仕事に集中して何も考えなければ良い。頭の中を空っぽにしてしまえば、雨雲も憂鬱な気持ちもどこかに消える。それがただの一時凌ぎに過ぎないと分かっていても、そうする以外に良い方法なんてひとつも浮かばない。
 ここのところ同じような自問ばかりを繰り返していた。多分、俺は衛士を辞して城を去ることになる。レハト様と出会う前に時間を巻き戻せない以上、それは必然だ。そうだとして、このまま終わって良いのか。このままレハト様と言葉ひとつ交わさず、レハト様と過ごした日々がまるで夢だったみたいに終わって良いのか。何度問い掛けたところで辿り着く答えはいつもひとつだ。
 良いはずがない。少なくとも俺にとっては。
 せめて理由が聞きたかった。別に何でも良いんだ。元々本気じゃなかったでも、途中で気が変わったでも、そんなつもりはなかったでも、本当にどんな理由でも良い。あの時はっきり全てを伝えなかった俺にも責任の一端はあるんだから、何を言われても文句は言わない。
 代わりにきちんと終わらせたかった。自然消滅とかそんなんじゃなくて、顔を見て、話をして、最後くらいちゃんとしたいじゃないか。なあなあな感じで終わらせたら絶対に後悔する。
 でも、レハト様にお会いしなければ俺が現実を見ることなく、ほとんど散った希望の欠片を握りしめて前と何も変わらないままいられるんじゃないか、なんて後ろ向きな自分が時折顔を覗かせる。
 要は踏ん切りがつかないんだ。レハト様から呼び出されない以上、俺が行動を起こすしかない。それが怖かった。会いたくないと拒否されたら。レハト様が、俺のことはもう忘れたい、なかったことにしたいと思ってないとは言えない。
 ゆるゆるといつもの道をなぞり始めた思考を振り切るために大きく息を吸って吐き、今やるべき、与えられた仕事だけを遂行すべく営舎から出た刹那、回廊を行く後ろ姿に知らず足が止まった。
 綺麗に整えられた金髪に、豪華な、けれど決して華美ではないドレス。年明けから頻繁に見掛ける姿に、胃の不快な重みが増し、気分も急落する。
 俺は彼女が向かう先を知っていた。誰に呼ばれたのかも。
「ああ、ユリリエ様か。また寵愛者様のお呼びだしだな、きっと」
「男性を選択された以上、当然と言えば当然のことかもしれんなあ」
「お前も辛いとは思うが元気を出せよ」
「土台、住む世界が違うんだ。結婚出来たとしても上手くはいかなかったさ」
「寵愛者様と離婚となると何かと面倒だろうしな」
「厄介なことに巻き込まれずに済んで、良かったじゃないか」
 ほとんど出入り口を塞ぐ形で立ちすくんでいた俺の背後から、嘲笑の中に僅かな憐れみを含んだ声を掛けたのは貴族出身の衛士たちだった。
 衛士の身分も様々だから、当然味方ばっかりじゃない。特に貴族出身の衛士にとっては、レハト様の心を射止めたとされていた時の俺は相当腹立たしい存在だっただろう。レハト様が篭りの最中は顔を合わせる度に当て擦りを言われたもんだが、今はこれだ。
 でも、早々にそういう扱いされるのにも慣れた。
 同じような身分出身の同僚に心底同情される方が実はずっと堪えるし。
 とりあえず、こういうのは曖昧にやり過ごすに限る。売られた喧嘩を正面から買うのは馬鹿だし、正直相手をする余力もない。
「はあ、ありがとうございます」
 俺の返事に気を殺がれたのか、幾分不満げな顔をしつつも、皆どこかへと消えていった。
 もっと噛み付いたり、反論したりして欲しかったんだろうとは思う。思うけど、いちいちそんなことしてたらこっちの身が持たない。ただでさえ、夜はロクに眠れないし、飯だってまともに喉を通らないってのに。今は、変に周囲に当り散らすことだけはしないよう、何とか気を張ってるだけで精一杯だ。
 でも、本当、疲れた。
 全部投げ出して、全部一度忘れて、どっかで気分転換したい。
 なんて、うっかり口に出そうもんなら、ハイラに問答無用で娼館に放り込まれるな。俺が望んでるのはそういう気分転換じゃないんだけど。
 ただ、納得したい。俺が納得すれば全部終わる。そうすればレハト様だって晴れて意中のお相手と婚約発表されて、幸せに。
「納得……なんて出来るわけあるか……」
 無理でもしなきゃいけない。それが辛い。
 だってそうだろう? 俺がどんなに現実に目を瞑ったところで何も変わらないじゃないか。俺一人が抗えば変わるなら、死に物狂いで抵抗して変えてやる。レハト様にちゃんと、どういう意味で女性を選んで欲しいと頼んだのか、俺がレハト様のことをどう思ってるのか、全部伝えて。
 それで変わらなかったらそこまでだ。
「そこ、まで」
 駄目だ。そこまで、で諦められる気がしない、全然しない。
 ここまでレハト様が忘れられないなら、別にレハト様が男だって別に――良くないよな。良くない。俺も良くないし、レハト様にとっても良くない。そこを、良い、ってことにしたら何か色々崩壊するだろ。
 ああ、大分頭煮えてきてるな……。少し冷静にならないと。
「あ、サニャちゃん」
 訓練場など目に入らないかのように廊下を足早に行くサニャちゃんに気付いた時には、体が先に動いていた。
 俺の方が背が高い。つまり、いくらサニャちゃんが早足でも、俺が同じように早足になれば追い付くのは当然だ。おまけに寵愛者様付である以上、城内でサニャちゃんは走ることが出来ない。出来ないこともないけど、後々それがレハト様の評価に関わるとあれば、サニャちゃんは走ったりはしない。
 だから、サニャちゃんを捕まえるのにそう苦労はしなかった。
「サニャちゃん」
「グ、グレオニーさん」
 酷く気まずそうに視線を反らす様に、訓練場を見ていなかったんじゃなくて、訓練場とそこにいるかもしれない俺をあえて見ないようにしていたんだと知れる。
「あの、な、なに? サニャに何か用?」
「え……?」
 そう言われて初めて自分が何をしたかったのか考えた。
 何、したかったんだろう。サニャちゃんをこんな風に唐突に驚かせてまで。
 そりゃあサニャちゃんに聞きたいことはある。
 レハト様はお元気ですか。レハト様はどうしてらっしゃいますか。レハト様はどうして男性を選ばれたんですか。レハト様は俺の気持ちには気付いてなかったんですか。
 ああ、サニャちゃんに聞いてどうするんだってことばっかりだな。下らない。
「えーと……あー……あ、サ、サニャちゃん、元気?」
「う、うん。サニャは見ての通り元気だけど。グレオニーさんは……あ……」
「俺は……」
 元気、と言っても無駄だよな。
 フェルツやハイラだけじゃなく、クルネーやらノースタスさんやらに心配されるほど今の俺には覇気がないらしい。誰にだったか、毎日きちんと仕事に出て大きな失敗もなく一日を終えてるのが不思議だとさえ言われた。まあ、気付いたら交代の時間で、気付いたら寝台の中、なんて日もないわけじゃないから、確かに不思議といえば不思議だ。むしろレハト様のことを考える時間が山のようにある非番の日の方が苦痛は大きい。
「……見ての通り、だな」
「そ、そう。えーと、あの……ご、ごめんね、急ぐから」
「レハト様のお使い?」
 上手く言えただろうか。前と変わらず、自然に名前を口に出来ただろうか。
 別に、いいか。上手く言えてようがなんだろうが、それがどうしたって言うんだ。
「そんなところ、かな。グレオニーさん、サニャ、本当に急いで」
「サニャちゃん。レハト様に伝言があるんだけど」
「……なに?」
「レハト様にお会いしたいんだ。出来るだけ早く」
 自分でも一瞬どうしてこんなことを言い出したのか分からなかった。
 でも多分限界だったんだと思う。満足に話も出来ないまま、底のない沼に緩やかに沈んでいつか息が出来なくなる日をこのまま待つのは。
 それくらいならいっそ、今、止めを刺して欲しかった。諦めて引き返せるような浅い傷じゃないけど、最後は他でもないレハト様に。
 レハト様の手を煩わせるだけなのは分かってる。でも、それくらいの権利はあると思いたかった。

[ 続きは来年なのだぜ ]