「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
6-2にボスマスなどない
2015年05月23日 (土) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verAED前提 !!

前回の続き。
視点:ハイラ
ぐれおにーのでばんなどほとんどない
!!注意!! レハト様、メッチャ喋るヨ★
(訳:喋らせないとどうにもならなかったorz)


明石はほぼ知らない子状態なのでいいとして、なぜ来ない、小狐よ。
※明石はそう遠くない未来に入手するであろう某御方の明石を甥っ子として愛でることにしました。

それはさておき。
二次創作界隈では「○○しないと出られない部屋」なるものが流行っているのであろうか。
と思ってググってみたら診断メーカーがあって、こいつぁ驚きだぜ。
そして出来心で「グレオニーとレハト」で診断した結果が「どちらかが丸坊主にならないと出られない部屋に閉じ込められたグレオニーとレハトについて想像して誰にも言わず胸に秘めてください。」だった件について。
なんだろう。芸風を読まれているとしか思えない。
もっと色っぺぇ話を求めていたというのに。
というか、答え一択じゃねえか!!
グレオニー、グレオニーだよ!! 迷いなくグレオニーだよ!!
レハト様手ずから剃ってあげたらグレオニー喜ぶから。
鏡石で丸坊主になった自分の頭をニヤニヤ眺めて楽しめるから。
うっかり頭皮に傷とか付けちゃってもグレオニー怒らないから。
むしろ、それすらも御褒b


拍手ありがとうございます。
このようにダラダラした感じで続いていきますので、よろしくお付き合い下さい。





 め た い 。

2:衣裳部屋にて

 で、その後私がどうしたかと言えば、憤懣やるかたない思いを抱えつつ、衣裳部屋までお供しましたよ。
 仕事だからね、仕事。給料出てるしね。寵愛者様に、給料泥棒!!、とか思われたり、罵られたりするのは私の名誉に関わるでしょ。
 まあ、お供と言っても、他の護衛連中と一緒に衣裳部屋前で待機してるだけなんだけど、なんなの、あの子。
 中から聞こえる会話と来たら、
「こちらの布でよろしいですか?」
「うん」
「このあたりに華やかな装飾をするのが流行っておりますから、そのようにいたしましょうか」
「じゃあ、それで」
 これ以上は時間の無駄だから以下略。
 とにかく、一時が万事、全部これ。衣裳係の意見に何一つ反論しなければ、自分の意見すら言わない。
 本当、どうでもいいわけね、舞踏会。
 衣裳係にしたって自分たちの好きなように最新のドレスが仕立てられるなら不満なんてないだろうし、ただただ寵愛者様の用が済むのを黙って突っ立って待ってるだけの身にしても、大変有り難いんだけど、仮にも神に愛された者がこれでいいのかねぇ。気まぐれかなんかで選定印を授けちゃったのかもしれないけど、その気まぐれに振り回されるこちらの身にもなってみて下さいよって言う。
 寵愛者様ときたら終始そんな調子なもんだから、とんとん拍子に話は進み、あっという間に発注完了。朝の騒ぎが嘘みたいな展開に、もはや苦笑も出ない。
 だけどまあ、終わったと思ったら面倒を巻き起こすのが寵愛者様なわけで。案の定と言って良いのか、すぐに出てくるはずなのに出て来ない。着替えに手間取ってるのかと言えば、そんな雰囲気でもなく。何をぐずぐず居座ってるんだか。
「……ねぇ、ハイラ呼んで、ハイラ」
「ハイラ様、でございますか?」
「そう、ハイラ。表にいるから」
 げ。なんでここで私をご指名しますかね。
 でも呼ばれた以上、行かないわけにはいかない立場なわけよ。これが寵愛者様の成人前だったらねぇ。捕まる前に逃げ果せて事無きを得るんだけど。心底我が身が可哀想でならない。
 仕方がないから呼びに来た衣裳係について渋々ながら中へと歩を進める。寵愛者様の意図も分からぬままなのは、正直気が進まないんだけど。あ、意図が分かってても気は進まないから、結局気は進まないのか。
 で、私を呼び出した当の御本人様は、衣裳部屋の奥の方で、壁に掛けられたドレスを難しい顔で見上げていた。
 やっぱり着替え終わってるじゃない。一体何にひっかかったのかね。
「お呼びですか、寵愛者様」
「うん、呼んだ。ハイラ、こういうのどうかな」
 寵愛者様が指差したドレスに私が思わず閉口したのとほぼ同時に、寵愛者様のドレスの最終確認をしていた衣裳係の動きが止まり、片付けていた衣裳係の手から見本の布やら何やらが音を立てて落ちた。気持ちは分かるけど、意外とあからさまだね。まあ、この人、威厳とかそう言うのとは無縁だから仕方ないとは思うけど。
 それにしても、どうかな、って聞かれても。
 簡単に言えば、前王が好んでお召しになってたようなドレスよ。つまり胸がないと非常に残念極まりない結果になるドレスよ。正直、そもそも選択肢にそういうドレスが入ってること自体が間違いじゃない? 目をつぶって触ったら男だか女だか分からない――あ、さすがにそれは言い過ぎかね。全神経を指に集中させたら分かる程度には膨らんでないと不味い。要するに、そういう寵愛者様がそれを着こなそうと思ったら、全身の余ってる肉と言う肉を胸に集結させないとならないってこと。
「随分唐突に趣味がお変わりになったようで」
「回りくどい言い方しなくていいよ。ありかなしで答えて」
「なし」
 ありかなしかどころか、なしかなしか、ですよ、どう見ても。
 まさかとは思うけど、自覚ないのかね。貧乳って言う。まあ、間違ってもグレちゃんは指摘しないだろうけど、身近な他の誰かがそれとなく仄めかしたりとかするもんじゃないの。それ以前に、この人前王を間近に見てるはずなんだよね。体格的にちょうど目線がそのあたりだったような記憶があるんだけど。子どもだったから、そういうところに意識がいかなかったのかね。だからと言って、別に私がそう言う目で見てたってわけじゃなく。
「ところで、なんでまた突然そういうドレスに興味を示したんですかね。よろしければ理由をお聞きしたいのですが?」
 軽い気持ちで聞いたのに、寵愛者様はやや唇を尖らせて視線を逸らした。
 なになになに、そんなご大層な理由でもあるの? 本当に?
 さすがにちょっと興味が沸いてきた。
 でも、ここで、せっついたところで簡単に口を割るような人じゃないしねぇ。ちょっと待ってみますか。そうすれば、沈黙に耐えかねてそのうち自分から暴露すると思うんだよね。というわけで、話したきゃどうぞ、と言った風を装っていると、寵愛者様がちらりと私に視線を向けてきた。よしよし、罠に掛かった。
「……ハイラは今年の新入り衛士、見た?」
「今年の?」
「そう、今年の。その中に珍しく女の人がいたんだけど、これが、ものすごく胸が大きいの!! こう、ばーんってはち切れそうな感じで、走ってると揺れるんだよ!?」 
 ばーん、のところで寵愛者様が胸の大きさを表すために孤を描くように手を動かした。
 こら、それはいくらなんでも下品でしょ。
 しかしねぇ、うん。何て言うか。
 寄せてあげりゃ、よっぽどの貧乳でもない限り、走れば揺れると思うわけよ。でも、悲しいかな、人並み以下の大きさの寵愛者様に分からないのも無理はない。口にしたら最後、この人なら容赦なく股間を蹴り上げるくらいしかねないから、私の心の中だけに押し留めておくけど。
「それが何の関係があるんですかね。グレちゃんは絶対その子の教育担当にはならないでしょ」
 寵愛者様が成人後、強権発動で衛士長に真っ先に命じたのが、グレちゃんを女性衛士の教育担当にはしないこと、だった。どうせ女性の新入りなんて微々たるもんだし、その上、恋人持ちのグレちゃんが貴重な女性の新入り衛士の教育担当になんてなったら、衛士同士の軋轢で衛士長の寿命が縮むから、宛がわれることはまずないんだけど、よっぽど心配だったらしいね。
 それにしても、新入りにそんな子がいるなんて。
 ぬかった、ぬかったね、この私が。寵愛者様に振り回されるばかりで、気にしている余裕がなかったとは言え、迂闊だった。今度の非番の時には絶対訓練場に顔出そう。
「その子ね、フェルツが教育担当なんだよ」
 なに、フェルツ?
 くっそ、私がいない隙になんて美味しい思いしてんのさ、フェルツめ。事なかれ主義で、異性に対してさほど興味もないくせに、親友と違って運だけはずば抜けていいんだから。あーあ、寵愛者様付きの護衛になんぞ命じられてなかったら、今頃私がその子と楽しい毎日を過していたかもしれないのに、何が悲しくてこんな色気の欠片もない子のお守りしなきゃならないんだか。
 世知辛い世の中だね。毎日を真面目に生きている私にも、ちょっとくらい良い事があってる然るべきだと思う。
「フェルツが担当なら別に良いじゃありませんか」
「良くない!! だって、フェルツが担当ってことはグレオニーと会う機会も多いってことでしょ? そしたら、その子、絶対グレオニーのこと好きになる!!」
 は? なにその超論理。
 フェルツが担当だから必然的にグレちゃんとの接点が増える、っていうのは分かる。分かるけど、少し物事を冷静に考えなさいよ。その状況ならどう見てもフェルツに惚れるでしょ。なんでフェルツ飛び越えてグレちゃんなのか、ちっともさっぱり微塵も分からない。
 ひとつだけ分かったのは、そんな頓珍漢な理由で敵愾心を燃やした結果が今、ってことだけ。
 だからって最初からまるで無いのに、無いことを更に誇張してどうしたいの、一体。敗北の二文字しか私には見えないんだけど、寵愛者様には別のものが見えてるのかね。だとしたら早急に医務室に行くことをおすすめするけど。
 さて、どうやって諦めさせるか、か。
 ここで、どう足掻いたって負けなんだからやめときな、って諭したところで意固地になるだけだから、この人。
 と言うわけで、こんな仕様もないことに時間かけたくないし、確実且つ簡単な方法を選ぶよ、私は。
「あのですね、あのグレちゃんが、二人きりならまだしも、他の男の目があるところでそんな露出度の高いドレス着て喜ぶとでも?」
「でも」
「今のままで良いんじゃないですか。グレちゃんは、今の寵愛者様が好きで婚約してるわけだし」
 寵愛者様はそれでもまだ納得してなさげな顔をしている。
 もう一押し必要なわけ? そろそろ逆さに振っても何も出ないよ。
「えー……そもそも、突然そんなドレス着だしたら何かあったのかと思うし、その理由を知ったら、疑われたグレちゃんがどう思いますかねぇ」
「……私のこと、嫌いになる?」
「そりゃ、はっきりとは言わないと思いますよ。でも少し距離を置くくらいはするかもしれませんねぇ」
 最後だけわざとらしく声を潜めてみせる。
 嘘だよ、嘘。グレちゃんの性格を知ってたら、こんなの誰も信じない。寵愛者様に浮気を疑われたところで、レハト様に不審感を抱かせるようなことをした俺が悪いんだ、とかなんとかぶつぶつ言って凹んでフィアカントが雨雲に覆われるだけ。それでおしまい。あ、待った、それじゃあ終わらないわ。湖の水が溢れ返って大惨事とか、って可能性があるね。
 とにかく、グレちゃんの中の寵愛者様像に微塵も傷が付かないことには違いはないよ。私の全財産賭けても良い。
「じゃあやめる」
「是非」
 何の恩義もないのに寵愛者様が晒し者になるのを防いであげるなんて、本当、優しい男だよ。
 ああ、良いことすると気持ちが良いね。ま、実のところは、そんな残念体型を誇張した寵愛者様を護衛して歩くのはごめん被りたかっただけだったりするけど。良いことしたのに代わりはないじゃない。
「と言うか、お昼前にグレちゃんに会うんじゃなかったでしたっけ? 時間、大丈夫ですか?」
「え……そういうことはもっと早く言ってよ、ハイラの馬鹿!!」
 馬鹿? 今、馬鹿って言った、この人?
 仮にも恩人に対して暴言吐くとはどういう了見なわけ。
「髪型変じゃない? ドレス汚れてない?」
 グレちゃん以外にまるで興味がない寵愛者様が憮然とする私に気付くはずもなく、衣裳係にあれこれ細々と確認している。
 全く失礼な人だよ。あのまま止めずに、いっそ恥を晒させてやれば――あ、いや、あれは私まで巻き添え食うんだった。何か方法がないかと思うけど、寵愛者様の失態のせいで周囲に笑い者にされるのは遠慮したい。
 つまり、私に仕返しの手段はないってことか。
 ああ、つくづく損な役回りだよ、寵愛者様の護衛なんて。護衛なんて名ばかりで、実体はグレちゃん馬鹿の我が儘のお守りじゃないの。あー、やだやだ。やだやだ。

[ 続くよ ]