「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
これが最後
2014年12月28日 (日) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verCED前提 !!

視点:フェルツ
レハト様のスペック:不明。グレオニーにはキラキラして見えてる、きっと
衛士ばっかり
愛情C前提のくせに切なくも何ともないのでご注意下さい


2014年最後のSSがこれってしまりねぇな。

そして今日も今日とてリタント冬妄想をお届けします。
え? いらない? まあ、そういうなよ。
冬と言えばやっぱりマフラーですよね。
グレオニーがレハト様から手編みのマフラー(編み目はもちろんガッタガタのグッズグズ)とかもらっちゃったら、そりゃあもう、冬とか関係なく夏でも巻いてそうですよね。
(夏になったらハイラに「それ、タオルじゃないからね?」とか突っ込まれそうですが。ハイラの場合「それ、マフラーにしちゃボロいと思ったけど、タオルだったんだね。納得、納得」だろうか。ノースタスさんだけはものすごく羨ましがってくれそうです)
汚れたらそっと優しく押し洗いとかして。
(押し洗いとか知らずに洗おうとしてフェルツに止められるというのも有りですかね。何も知らずに洗って、縮んだマフラーに真っ青になりつつ、それでも無理やりそのマフラーを巻いてるグレオニーもそれはそれで良いものだと思います)
毎日眺めては「この一目、一目に、レハト様の愛情が……」とかデレデレしながら見つめて。
グレオニー、おまえ、キモいな。
い、いや、グレオニーにだって格好良いところはありますよ、ありますってば。
例えばほら、雪かきとかものすごく早そうじゃないですか!?
訓練で鍛えた逞しい二の腕でママさんダンプ(知らない人はググってね★)を2台同時に押したりとか!!
庶民出身だから、屋根に上って雪を下ろすのもお手の物だし!!
ほーら、すごく便利ー。



……あれ?(・ω・)



では皆様、良いお年をー!!


拍手ありがとうございました。





 先 順 位

 制服姿のグレオニーが営舎の食堂に現れたのは宴会が始まってからだった。
「すまん、遅れた」
「別にいいんじゃないか。皆、ハイラの結婚祝いって名目で飲んで騒ぎたいだけだろうし」
 俺が指し示した先ではハイラが酔っ払った連中に盛大に絡まれている。
 まあ、これでも一応国防を担う役職だ。こんなことでもないと馬鹿騒ぎなんて許されないから仕方ない。国は相変わらず平和そのものなんだし、偶に羽目を外すくらい大目に見てくれるだろう。
「あれ、お前、着替えてこなかったのか?」
「え……あ、あー、また後で顔出すから」
 制服のままなことを指摘すると、グレオニーはあからさまに視線を逸らして言葉を濁した。
 顔出すって、寵愛者様のところに、だよな? 昼間寵愛者様の護衛として随伴してるのを見掛けた気がするけど、あれは白昼夢か何かか。それとも、本当は夜勤担当なのに勝手に寵愛者様にくっついてただけか。
 まあ、寵愛者様命なグレオニーなら有り得ない話じゃないけど。でもそんなんじゃ身がもたないだろ。
 俺が胡乱な表情をしたせいか、グレオニーが慌てて手を振った。
「ち、違う違う、レハト様が寝室に下がられる前にちょっと顔出すだけで、それもいつものことって言うか、仕事のうちだし、疚しいことは何もしてない!!」
「分かってる、分かってる」
 グレオニーには申し訳ないけど、その可能性だけは一瞬たりとも考えなかった。
 どうせ、二人きりで少し話をしたり、ちょっと見つめあったりするのが関の山だろ。何しろ、グレオニーだし。グレオニーに限って、隠れて寵愛者様と、なんて有り得なさ過ぎて考えるだけ時間の無駄だ。
 空いていたカップにグレオニーの分の酒を注ぎかけて、俺は手を止めた。
「多少は飲んでも良いんだろ?」
「一応な」
 グレオニーが頷いたのを確認してから酒瓶を傾ける。
 グレオニーは寵愛者様付きの護衛なってから酒をかなり控えていた。
 有事に泥酔しているわけにはいかないから、という理由らしい。そもそも泥酔って前提がおかしいけど、間違いなく体には良いから突っ込まずに今日まで来ている。
「しかし、あのハイラが結婚するとは思わなかったな。相手誰だっけ?」
「割と良いとこの商家の一人息子のはず。詳しいことは俺も知らない」
 知ってるのは愛があって結婚するわけじゃないってことくらいのもんか。
 とは言ってもそこはハイラだ。妥協はしててもそれなりの愛情はある――はず。全く興味も愛情の欠片もない相手と結婚するほど実家に縛られてるわけじゃないだろ。
 からかいたいのか、ただ絡みたいだけなのか、ハイラを囲んでいる賑々しい一角を眺めながらグレオニーは注いだばかりのカップを空けた。そこへ酒を注ぎ足しながら、グレオニーに話を振る。
「で、お前は?」
「で?、って何が」
「結婚だよ。するんだろ?」
 寵愛者様とグレオニーの仲は本人たちがどんなに口を噤んでも、寵愛者様が篭り中でありながら真っ先にグレオニーを護衛任命したことと、篭り後の二人の態度で早々に露見した。
 グレオニーにしちゃ、一護衛という立場を逸脱しないよう、随分自制と言うか、頑張ってたとは思うけど自然と顔に出てるものはどうしようもない。
「あー……どうだろうな。しない気がするけど」
「しないって、何でまた」
 貴族たちがやっかむほど仲が良いのに何言ってるんだ。
 まあ、世の中にはあえて結婚しない恋人同士もいるだろうけど、グレオニーと寵愛者様がそれを望むとは到底思えない。特にグレオニーが。
 だとすると、寵愛者様に、このままの関係でいましょう、とか言われたのか? で、寵愛者様相手にろくな反論が出来ないこいつが、分かりました、とか分かってもいないのに受け入れたとか。
 寵愛者様がグレオニーとの結婚を望まない、っていうのが有り得なさそうではあるけど、グレオニーが自分から言い出すよりは遥かに可能性はある。
「何て言うか、俺はさ、最期の最期まで盾でいられればそれで構わないんだ」
「盾?」
「例えばの話、もし反乱とかが起こって城が攻撃にあったとして、皆が守るのは陛下だろ?」
「まあ、そうだな」
 それが俺たちの仕事だし、王を落とされたら最後だから当然そうなる。自明の理ってやつだ。
「だから俺一人くらい、最期まであの人を護る盾でいたい」
 右腕こんなだけど、なんてグレオニーは笑ってみせるが、奴は本気だ。
 もし万が一、ここで何かあったら誰のどんな咎めも省みず、グレオニーは一目散に寵愛者様の元に馳せ参じるに違いない。体どころか命も何もかも投げ捨てて彼女を護るんだろう。
 寵愛者様がそう望んでなくても。
 そういう時はいっそ一緒に死んでやれ、と言いかけてやめた。二人にとってそれが必ずしも正解とは限らない。
「……重」
「う、うるさい。良いだろ、別に」
「俺は悪いなんて一言も言ってないぞ。いいんじゃないか? お前が自分で決めたんだろ?」
「ああ」
 頷くグレオニーの目の真摯さが眩しい。
 本当、良い男になったよ。前は尻を叩いて叩いてそれでやっと動くかどうかって感じだったグレオニーがなあ。感慨深い。人間、成長する時は成長するもんだ。まあ、もっと早く成長しておけと思わないこともないけど。成長しただけ良いか。
 そんな妙な感動に耽りながらも、ふとある疑問が沸く。
「そうは言っても、何もない可能性の方が高くないか? その場合はどうするんだ?」
「それならそれで今まで通り側にいるさ。何も変わらない」
「寵愛者様の方はそれで納得してるのか?」
「納得、というか、自分が置かれてる立場は分かってる。そう簡単に結婚出来ないことも」
「諦めたってことか?」
「妥協って言った方が近いかもな。陛下と一緒だよ。あの方は誰とも結婚しない」
 俺以外とは、と言外に滲ませた声に笑うしかない。
 大した自信家だ。けどこの自信はグレオニー一人きりで勝ち得たものじゃない。寵愛者様と、彼女の真心が与えた何物にも替え難い自信だ。
「仲が宜しいことで」
 冷やかすとグレオニーは顔を赤くした。
 そういうところは相変わらずか。
 カップに口を付けつつ、堪えきれずに肩を震わせて笑うと、笑うなよ、とどこか拗ねた口調のグレオニーが肘で小突いてくる。
「悪い悪い。あー、でもそれだと寵愛者様とは永遠に清い仲になるな」
「…………まあ、な。で、でも仕方ないだろ」
「ふーん」
「な、なんだよ」
「他に男作られて泣いても俺は絶対慰めないからな」
「なっ……なんでそんな話に」
「だってお前は盾なんだろ? 盾は男じゃないだろ?」
「それ、は……そうなる、の、か。そうか……そう、だよな……」
 眉間に皺を寄せつつ、肯定してるんだか自分を納得させてるんだか分からないグレオニーに呆れる。
 いや、ならないから。
 なんで納得しようとするんだ。
 盾は物だけど、盾代わりのグレオニーはあくまで人間なんだから男であることに代わりはない。
「そうなった時にそれでも盾で居続けられると思うか? お前には絶対無理。賭けても良い」
「あー、無理だな。俺もそう思う」
「……認めてどうするんだよ」
「認めないわけにはいかないと思ってさ。あの方に俺以外の男が触れるのは死んでも嫌だ」
「だったら」
「だから、俺がそういうのからも護れば良いんだ」
 そっちか、そっちにいくのか、お前は。グレオニーがそれでいいなら、俺には言うことは何もないけど。
 力強く拳を握ったグレオニーに脱力する。
 成長したと思ってたけど、結局成長してないってことか? いや、別な方向に成長したのか、これは。どっちなんだ。まあでも、成長したことに変わりはないってことで良いか。良いよな。これ以上考えたところで、ものすごく無駄な予感しかしないし。
 よし、この件は打ち切り。決定。
 そう決めて話題を変えようとした矢先、顔を出したのは衛士長だった。
「グレオニー、いるか? 寵愛者様が」
「すぐ行きます!!」
 待ってましたとばかり、グレオニーが喜々として腰を上げる。
 おい、ハイラの結婚祝賀会はただの時間つぶしか。まあ、前は暇さえあればハイラにからかわれたり遊ばれたりしてたから、丁度いい意趣返しと言えないこともない。
 でも今日は曲がりなりにもめでたい席だ。せめて主賓に一言挨拶くらいして行け、と俺が諭すより早く、いつの間にか祝福の輪を抜け出てきたハイラが、背後からグレオニーの首に腕を回した。
「ちょっとグレちゃん、あんた一体何しにここに来たのさ」
「え……あ、そうか。結婚おめでとう」
 じゃそういうことで、とするりとハイラの腕から逃れたグレオニーは、爽やか過ぎる程爽やかな笑顔で軽く片手を上げ、あっという間に部屋を飛び出して行った。
 珍しくあっさりグレオニーに逃げられたハイラが、軽く舌打ちをする。
「このハイラ様を蔑ろにするとはグレちゃんのくせに生意気な」
「誰も寵愛者様には勝てないだろ」
「勝ちたいわけじゃないけど腹立つね」
「そんなにグレオニーに祝って欲しかったのか?」
 意外な台詞に目を丸くすると、嫌そうな顔でハイラがひらひらと手を振って否定した。
「誰がよ。なんか見るからに、幸せいっぱい夢いっぱいなグレちゃんって腹立たない?」
 どんな理由だよ。
 それって僻みじゃないのか?
 と思っても決して口にしてはいけない。
 確かに、一人でにやにやしたりでれでれしたりしてるのを見ると、面白い反面、気味が悪いからちょっと正面から殴って正気に戻してやろうかと思わないこともないけど、腹は立たないぞ。
「今まで結構悩んで来たんだから、その分幸せになっても良いと俺は思うけど?」
「それも一理ある。と、一応頭では分かってるんだけどねぇ」
 やっぱりしっくりこないのよ、とハイラは眉根を寄せて首を振る。
 どれだけいじめっ子気質なんだ、お前は。まあ、ここでハイラが本気で心の底からグレオニーの幸せを願ったりなんかした日には、即座に実家に強制送還した上で、医者を呼ぶよう勧めるけどな。つまり、ハイラはこれで良いってことか。
「最後まで付き合ってやるから、拗ねるな」
「誰が拗ねてんのよ。でも言ったね? 言ったからには本当に付き合ってもらうけど覚悟は出来てる?」
 にやりと笑ったハイラにやれやれと溜め息を吐く。
 その後、結局どうなったのかと言えば、俺は約束通りハイラが潰れるまで付き合い、床や廊下に転がった酒臭い先輩方や同僚連中を片っ端から部屋に戻し、最後に、まだいける飲める、と寝言を言うハイラを部屋に放り込んで自室に引き上げた。
 酒で俺に勝てると思うなよ。

[ 完 ]