「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
グレオニー ⇔ トッズ
2014年12月06日 (土) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verA・BED前提 !!

視点:グレオニー
ゲスト:サニャ
レハト様とは結婚済
むっつりオニーさん再★見★参★
色っぺぇ話ではない。ちっとも。少しも。全く。


所謂完全なる「事後」だから年齢制限かけなくてもセーフだよね★

もしグレオニーがオープンエロだったら、と一瞬考えましたが全く想像がつかなかったので考えなかったことにしました。
無駄な抵抗はしない主義。
オープンエロで卑猥なことをしれっとペラペラ口にしても顔色ひとつ変えないグレオニーなんて、そもそもグレオニーじゃない。
そうだろう、ブラザー?
それはグレオニーの皮を被ったトッズに違いないのだよ。
ん? と言うことはつまり、その間グレオニーはトッズの皮を被っているわけで。
市でグレオニー(外見トッズ)が店先にいるわけで。
だがしかし、やたら赤面してしどろもどろになるし商才ゼロで売り上げなしという現実。悲しい現実。
しかも「ちょっとまけてよ」って言われたらまけちゃうよ。
レハト様が「あ、これ、いいなぁ」とか言ったら値段とか見ずに、ホイホイホイホイただであげちゃうよ。

……売り上げなしどころか、マイナスじゃねえか!!

早く戻ってこないとトッズの資産がヤバイ。


拍手ありがとうございます。
ダウジングでグレオニーの方角が分からないものか……。





 虹 は

 眠るレハトを起こさないよう、そっと、本当にそっとレハトと寝台の間に挟まれていた腕を抜く。
 起きてないよな?
 レハト、疲れてるだろうし。これも夫としての気遣い、優しさ。確認のために顔の前で手を振ってもレハトの寝息は全く変わらない。
 そのことに安堵しつつ、これまた出来るだけ静かに寝台を降り、適当に下着と夜着を身に着け、大きく伸びをした。
「ん、んー」
 思わず声が漏れたのはご愛嬌。
 外ではアネキウスが惜しみなく光を降り注いでいる。庭の木々に止まった小鳥が小さな声で歌う。
 ああ、気持ちが良い朝だ。今日も一日頑張れる気がしてくる。雨男の俺と言えども、やっぱり天気が良いのは嬉しいもんだ。
 相変わらず寝台で穏やかな寝顔を見せるレハトの細い肩まで上掛けを引き上げ、一人静かに寝室を出る。
 中の様子を伺いながら静かに扉を閉め、つい笑いそうになる口許を掌で覆った刹那、無人だと思い込んでいた部屋で声を掛けられ、飛び上がるほど驚いた。
「あ、おはようございます、グレオニーさん。レハト様も起きてらっしゃいますか?」
「お、おはよう、サニャちゃん。レハトはえーと……あ、あー、ああそうそう体調が優れないらしいから今日は」
「…………」
「…………」
 瞬時に半眼に変じたサニャちゃんが無言で椅子を指差す。そこに可能な限り神妙な顔をして、俺も無言のまま腰を降ろした。
 まさかサニャちゃんがいるとはなあ。
 サニャちゃんは今もレハト付の侍従として勤めてくれてるし、朝食の準備だとか身支度の手伝いだとかあるから、いてもおかしくはないんだけど。ちょっと油断してた。
「グレオニーさん」
「はい」
「夫婦の話に首を突っ込むものじゃないと思うし、その……レハト様もそれで良いって納得してるのかもしれないけど」
 俺は否定も肯定もしなかった。
 いや、だって実はレハトは、絶対駄目、ってずっと言ってたから。でもほら、そこで拒まれると何となくなんていうか、あの、こっちも引っ込みがつかないと言うか余計燃えると言うか。俺も男だから。ま、まあ、そういうことも世の中には間々あるわけだ。
 けど、それをサニャちゃんに滔々と説くわけにはいかないし、言ったら間違いなく今以上に怒られるし。
 沈黙は金。素晴らしい諺だよな。
「でもレハト様は女性なんです。いつも鍛えてるグレオニーさんと違って体力だってないし」
「はい」
「グレオニーさんと一緒でレハト様にもお仕事はあるの」
「はい」
「グレオニーさんのその……都合にばかり合わせることが出来ないのは分かってるよね?」
「はい」
 逐一ご尤もで反論の余地がない。
 でもなあ、俺にだってそれなりに言い分はある。俺がついうっかり我を忘れるのはレハトがあんまり可愛いからだ。レハトがあそこまで可愛くなかったら俺だって今よりはずっと自制出来る。
 確かにレハトは子どもの頃から綺麗な子で、大人になったらさぞかし、とは思ってたけどまさかあんなに綺麗になるなんて思わないだろ、普通。今やリタントでレハトの名前を知らなかったら誰もが驚くほどだ。
「グレオニーさん?」
 独身時代なんて、足の踏み場もないどころか、床が抜けるんじゃないかと心配せずにはいられない量の贈り物が毎日毎日あちこちから届いて。レハトの求心力たるや、今でも諦めの悪いごく一部からは色々贈られて来るくらいだ。
 そんなレハトが妻として毎日隣にいてくれるのに、何もしないなんて逆にレハトに対して失礼だよな。うん、絶対そうだ。そりゃあ勢い余ってレハトの意思を無視したのは少なからず反省していないわけでもないけど。でもレハトだって何だかんだ言っても結局最後は、もう、とか、馬鹿、とか言うだけで許してくれる。だから俺がついつい図に乗るわけで。俺を甘やかすレハトにだって多少非は。
「グレオニーさん!! 聞いてるの!?」
「!! は、はい!! き、聞いてる聞いてる聞いてます!!」
「絶対聞いてなかったでしょ」
 あ、バレてる。
 どんなに否定したところで無駄だと気付いて、とりあえず曖昧に笑って誤魔化すとサニャちゃんが深々と溜め息を吐いた。
「それにね、今日はレハト様が楽しみにしてらっしゃるお鍋の日だよ?」
「はい……あ……」
 流れ作業で返事をして不意に我に返った。
 そうだ、今日は鍋の日だ。それもただの鍋の日じゃない。月に一度、レハトが参加する鍋の日。ご飯は大勢で食べる方が美味しいよね、って毎月楽しみにしてて……。
「……忘れてた」
 完全に、完璧に完膚無きまでに徹底的に、忘れてた。
「怒るかな、レハト」
「そりゃもう」
「だよなあ……」
「言っておくけどサニャは取り成してあげないからね。グレオニーさんが悪いんだから、自分で責任は取らないと」
「……はい」
「グレオニーなんて嫌いって言われても凹まないのよ」
「は……え、そ、それは」
「外に洗濯物が干せなくて大変なんだから」
「……すみません」
 いつもご迷惑をおかけしております。
 でも、それだったらサニャちゃんから上手く口添えしてくれれば、とは思うものの、口に出せるような雰囲気じゃない。
 一通り釘を刺し終えたのか、俺が一気に沈んだせいか、サニャちゃんはレハトの様子を見に寝室へ消えていった。
 嫌い、か。
 怒ってたり拗ねてたりするだけで本気じゃないのは分かってるんだから、いい加減慣れれば良いんだよな、俺が。
 でもな。やっぱり、嫌い、は堪える。堪えるんだよ。
「き、嫌い嫌いも好きのうちって言うし……」
 なんか違う気もするな。正しくは、嫌よ嫌よ、だっけ?
 って、待て待て待て。だからなんだよ、なんなんだよ。嘘でも嫌いって言われたくないって話だろ。嫌いって言葉を良いように捉える練習してどうするんだ。ええと、要は、俺が嫌いって言われないように気を付ければ、全て丸く収まるってことだよな。
 まあ、今回は言われると思うけど。それも一回や二回じゃなく、相当。
 あ、考えただけで凹んできた……。
「ちょっとグレオニーさん!! 今から凹まないで!!」
「すみません……」
「……仕方ないから、サニャも口添えしてあげる。一緒に謝ろう。ね?」
「よろしくお願いします」
「許してくれないかもしれないけど」
 ぽつりと付け足されたサニャちゃんの呟きに、俺が凍り付いたのは言うまでもない。

[ 完 ]