「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
寒い……orz
2014年11月15日 (土) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verA・BED前提 !!

視点:グレオニー
レハト様とは結婚済
いつもながらむっつりオニーさんはくだらないことで悩んでいます。


雪降るの、早くね?

窓の外を白いものが飛び交うのを見ると現実逃避がしたくなります。
そうだ、ゲームしよう。

それはどうでもいいのです。
今日は衛士祭最終日なのです。
一抹の淋しさを胸に抱え、祭を見納めるべく衛士祭に飛び込んだ私を待っていたもの。
それは、

SSとkitという名の地雷でした。

忘れていたんだ……あそこへ飛び込む時には用心しなければならないことを。
そこが地雷原であるという現実を。
満身創痍なところに90021のダメージを食らった上に、悪い意味で心臓が止まるかと思いました。
ふう、恐ろしい敵だったぜ……。
己で仕掛けた地雷に引っ掛かるとかどういうことなの。
自分のだけフィルタリング出来ればいいのにー。
しかし、終わりが来るのはわかっていたとはいえ、淋しいですね。
この淋しさを埋められるのはグレオニーだけ。
というわけで、ぎぶみーぐれおにー。


拍手ありがとうございます。
第2回衛士祭はまだですか?(ブーメランは受け取り拒否します)
あ、第1回グレオニー祭でも問題ないです。(ブーメランは断固受け取り拒否します)
いや、この際、雄っぱい祭でも文句は言わな





 半 の 月

 息抜きと交流を兼ねた飲み会を終えたのは、もう大分夜が更けた頃だった。
「ただいまー……」
 寝室の扉を開けながら声を潜めたのは、俺の帰宅が遅いときは遠慮せず先に寝ててください、とお願いしてあったせいだ。
 レハト様が、どんなに遅い時間になっても、うとうと舟を漕ぎながら待っててくれるのが本当に申し訳なくて。最初は、妻の務めだから、って聞いてくれなかったのを説き伏せて今に至る。
 レハト様はいつも寝台の端っこに体を横たえ、俺の分の場所を空けて寝てくれていた。
 今日も今日とて起こさないようそっと上掛けを捲り、レハト様が用意してくれた俺専用の場所に滑り込んで、じっとレハト様の寝顔を見つめる。
 知らないよなあ、起きてる時だと未だに緊張してあんまり直視出来ないからって、ここぞとばかりに俺がいつもレハト様の寝顔を見てるなんて。
 レハト様は耳朶も頬も柔らかそうで、ふらりと触ってみたくなる衝動をぐっと堪える。
 腕枕とかちょっとしてみたいけど、頭動かしたらやっぱり起きるよな。
 あ、でもレハト様は首も細いから寝台との隙間に上手く通せば――無理、無理だ、無理がある。
 隙間より俺の腕の方が太い。
 自分で自分にちょっとがっかりする。職務上仕方ないというか、隙間にするっと腕が入るようじゃかなり不味いんだけどな。いざと言う時に何も護れないようじゃ衛士として失格だ。
 それにしてもレハト様は可愛い。美人は三日で飽きる、なんて諺もあるけど、それはレハト様に限っては当てはまらないと思う。毎日見ても、何度見ても、飽きるなんてことは全くなくて、むしろその逆と言うか。
 不意に華奢な鎖骨の下、他の部分より格段に柔らかそうな膨らみを思い出して体温が上がる。
 柔らかそうというか、柔らかい。
 一応それは知ってる。
 そ、そりゃあそうだろ。何もおかしくない。少しもちっとも全くおかしくなんてない。け、結婚すれば誰にだって初夜は訪れるもんだし。普通普通。だから特別意識してるとかそういうことでもない――はず。まあそれ以来、見たことも触ったこともないけど。
 あー、ちょっとくらいなら、大丈夫だったりする、のか?
 例えば夜着越しなら。
 じ、直に触るのはやっぱり不味いと思うし。そう、偶々、偶々手がぶつかった的な感じを装えば。
 い、いやいやいやいやいや駄目だ駄目だ駄目だ絶対に駄目だ。どんなに偶然を装ったところで意図的なのは俺自身が一番良く分かってる。
 第一、いくら俺とレハト様が夫婦でそういうことをしても良い仲だとは言え、相手が寝ている時に不埒な振る舞いを仕掛けるのはいけないことだ。そういうことはちゃんと正々堂々と、って正々堂々って言うのも何か変だけど。
 とにかく今は有り得ない。ない。ないものはない。
 でももし触ったことがレハト様にバレなければ、俺の胸だけに秘めておければ。
 そろそろと指先を伸ばしてみる。レハト様が起きる気配はない。
 あと少し、あと少し。
 爪の先がレハト様の夜着に届きかけたところで、レハト様が小さく身動いで僅かに体勢を変えた。
「っ!!」
 び、びっくりした。
 超高速で手を引っ込め、様子を伺う。起きたのかと思ってかなり焦ったけど、試しに顔の前で手を振っても反応はない。
 ただの偶然、か。
 なら良いんだ。
 でも動いた拍子にさっきまではしっかり隠されていた胸元から、ほんの少し谷間が見えるようになった。
 あ、あ、む、胸だと思うからなんかこう体がざわざわして頭が沸騰しかけるんだ。
 あれは肉!! ただの肉!! 脂肪!! 俺にもある!! 断じて胸では……む、胸で、は…………あれは紛れもなく胸だろ、どう考えても。
 なんだ、この妙な敗北感。
 どうでもいいけど、さっきのは偶然にしちゃ出来すぎなタイミングじゃなかったか? まさかレハト様は初めから起きてて、俺が無防備なレハト様に無体を強いるかどうか試してるんじゃ。
「……レハト様?」
 呼び掛けにもレハト様が目を開ける様子はない。
 だとすると、さっきのは本当にただの偶然で、俺を試してるわけじゃないってことだよな。大体、レハト様が俺を試す意味なんて無いもんな。試してどうするんだって話だろ。
 って、何をしてるんだ俺は。
 折角レハト様が眠ってるんだから、もっとやるべきことがあるだろ。それを、む、胸がとか谷間がとか。馬鹿か。
 レハト様を起こさないよう気を付けながら、喉を整える。
 それじゃあ気を取り直して。
「…………レ、レハト」
 誰が聞いてるわけでもないのに一音目でどもった。
 駄目だな、やっぱり緊張すると言うか。
 レハト様は俺のことを呼び捨てにしてるんだし、俺たちは夫婦なんだし、俺がレハト様を呼び捨てにすることになんら問題はないはずなんだけど、どうしてか呼び捨てに出来ないままでいる。
 なんでかな。
 せめて、眠るレハト様を呼ぶ時くらいは、こう自然に何でもないことのように呼んでみたいんだけど、何度挑戦しても一回目は必ずこうなる。ここで上手く出来ないようじゃ、起きてる時に呼ぶなんて絶対不可能だ。
「レハト」
 今度は出来た。
 なんで最初からこう出来ないんだ、俺は。
「レハト」
 よしよし、順調順調。
 力まず、自然な感じで。
 ついうっかりを装えば突然の呼び捨てでも深くは追求されないはずだ。
「レハト」
 いつか、呼べるかな。
 ちゃんとレハト様が起きてる時に。
 今はまだ何となく気恥ずかしいって言うか、照れるって言うか、とにかく落ち着かなくてついつい様を付けてるけど。
 心ゆくまでレハト様の可愛らしい寝顔を堪能して俺はそっと背を向けた。
 目の前にあると思うと寝付けそうも無いし。あ、い、いや、俺はあくまでレハト様の顔のことを言ってるんであって、べ、別に首から下のその、何と言うか、そういう部分のことを指してるわけじゃない。
 絶対違う、違うったら違う。
 ね、寝よう。
 そうだ寝よう。俺は寝るんだ。寝るってさっき決めたじゃないか。眠れないときは兎鹿を数えれば大丈夫。いける。俺は寝れる。
 兎鹿が一匹、兎鹿が二匹、レハト様可愛い……じゃない!! 兎鹿が三匹、兎鹿が四匹、兎鹿が五匹、兎鹿と戯れるレハト様はまるで天使……忘れろ、一旦レハト様のことは忘れろ、忘れるんだ、俺。ものすごく難しいけど、一回ちょっと忘れてみよう。
 さっぱりやってこない眠気を何とか引き摺り寄せようともがいていると、背後から小さな呻き声が聞こえてきた。
 しまった、もしかして声に出してたか、俺。
「……レ、レハト様?」
 そっと呼んでも返ってくるのは規則正しい寝息で胸を撫で下ろす反面、背中にぴったりと寄り添ってきた別の体温に硬直する。
 寝台には俺とレハト様しかいない。
 つまり今現在俺の背中にくっついている、この何と言うか、温かくて柔らかくてつい抱き締めたくなる感触は。
 自然と背中に全神経が集中する。
 ああもう、頼む、誰か俺を殴って強制的に眠らせてくれ……。

[ 完 ]