「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
たまには違う人がメイン
2009年10月01日 (木) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! ヴァイル愛情verA前提 !!

ヴァイル:王位継承、性別女
レハト:王配、性別男、一人称・僕
いつもよりはちょっとシリアス(当社比1.2倍)
レハトさんがちょっと喋ってる風な感じもあります。
※ヴァイルがやたら乙女なので苦手な方は右上の「×」か左上の「←」を押して逃げてください


最後の最後までヴァイルを女にするか男にするか迷った結果、女にしました。
男でもほとんど流れは変わらんですけど。
台詞とか表現がもちょっと男らしくなる程度の違いです。
レハトの一人称が「僕」なのは、私には一人称「俺」がハードルが高いからorz
なんか、「俺」っぽい言い回しとか動作に出来ないんですよね。
あと、「婚姻の儀」とか書いてますが、こんなのありましたっけ?
テキトーな造語な香りがしますが、スルーしてくれると幸せになれます。
主に私が。


余談:
友人に「陛下描いてくれ!!(゜∀゜)」って言ったら素直に受け入れてくれなかったので、ティン様裏切verA・C風に 恐喝 脅迫 恫喝 キラキラ光る純粋な乙女のオメメでお願いしたら了承してくれました。
以前、別の友人にもこの手で勝利を得ました。
ティン様最強伝説。


拍手ありがとうございます!
お返事はこの次いたします。






 束 を も う 一 度


 婚姻の儀が終わった夜。
 ヴァイルが実に不穏当なことを口にしたのを良く覚えている。

*    *    *

 二人きりの寝室で、一つだけ約束して欲しいことがあると言い出したのはヴァイルだった。
 僕に否やはない。勿論、叶えられることと出来ないことがあるが、僕に出来る範囲の望みであれば何でも叶えてあげたかった。それにヴァイルの望みと言えば、一緒にいて欲しいとか、一緒に食事を取って欲しいとか、大体そういったことが多かったせいもある。
 軽い気持ちで請合った僕に対し、思わぬ真剣みで居住まいを正したヴァイルにつられ、僕も思わず姿勢を正す。緊張にか、やや蒼褪めたヴァイルがゆっくりと口を開く。

「浮気して俺を置いて出て行くぐらいだったら殺して」

 僕の両手を握り、懇願めいた口調と双眸で、ヴァイルははっきりとそう口にした。
 思い掛けない頼みに僕は息を呑み、言葉を失う。
 改めてヴァイルの負う心の傷の深さを思い知らされる。
 まだ見ぬ弟と母を事故により失い、たった一人の肉親となった父も海の向こうへと姿を消してしまった。その事は成人した今でもヴァイルを苛んでいる。
 その事は重々理解していたつもりだ。
 何しろ、幼い頃世話になったのだから、と僕が生まれ育った村の皆に一目成人後の姿を見せに行こうとした時さえも、それはすごい騒ぎになったのだから。こちらが面食らうほど真剣な眼差しで、村にはどのくらい滞在するか、いつ戻るのか、などと細々とした事を何度も何度も繰り返し確認してきた。出立の日までは、少しでも長く一緒にいるのだ、と駄々を捏ねて侍従たちを困らせたり。
 そんなヴァイルだから、一生一緒にいて欲しい、くらいは言うとは思ったが、殺してくれと嘆願されるとは。
 浅く唇を噛み、少し突いたら泣き出してしまいそうなヴァイルの頭をぽんぽんと軽く叩いた。
 僕の答えは一つしかない。そしてそれが翻ることはない。
 僕に迷いはなかった。
 ――殺したりしない。
 きっぱり告げるとヴァイルの瞳が軽く揺れ、僕の手を掴む手に力が篭る。
「……どう、してっ……」
 体の奥底から搾り出したような声が、なぜだと訴える。
 僕は篭りの最中にすっかり伸びたヴァイルの髪を撫でた。
 ――だって浮気しないから。
 それともヴァイルは僕をそんな男だと思っているのだろうか。
 確かに、城へ来て約一年、最低限の作法や礼節は身に着いたとは言え、昔から城で過ごしているヴァイルには遠く及ばない。それを頼りないと思われても仕方はないが、だからと言って、簡単に他の人間に心を移すような男だと思われるのは心外だ。
 少し拗ねた素振りでそう言うと、ヴァイルが慌てて抱き着いて来る。
「ち、違う違う違う! そんな風には思ってないから!! ごめん。ごめん、レハト、怒んないで」
 怒ったわけじゃない、とヴァイルの背中を撫でると、安心したのか力が抜けるのが分かる。
 僕の首に齧りついたまま、ごめん、と再度繰り返すヴァイルが痛ましい。
 どうしたら信じてもらえるのか。
 多分、ヴァイルは生涯それを信じることはないだろう。
 僕に出来る事と言えば、ヴァイルの不安を少しでも軽くすることだけだ。
 ――来るかどうかも分からない別れを想定した約束ではなくて、もっと建設的な約束がしたい。
 そう言うと、一瞬きょとんとした後、ヴァイルがやっと笑う。
「じゃあ、もう一回約束しよ」
 差し出された手に手を合わせる。
 これは他に誰も知ることのない二人だけの思い出。湖の上で交わした神への誓い。
 ヴァイルがあの時と同じように、あの時と同じ言葉を紡ぎ始めた。

[完]

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