「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
蘇芳!>(  ・ω・) | (・ω・  )<ダークレッド!
2014年10月11日 (土) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verB・CED前提 !!

視点:グレオニー
グレオニーの十八番がある意味炸裂


果敢に苦手分野に挑戦する6歳児です、グエロニー。
オチを付けちゃいけないとか辛い、辛過ぎる。

しかし、今日のタイトル、なんか合言葉みたいになったな。
グレオニーの髪が赤味がかってることには気付いてました。
なので、コピックは赤味のある茶色使ってます。
しかし、取り込んでしまえば全て同じ(=茶色にしか見えない)というすごまじいオチ。
まあ黄味がかった茶色も重ねてたりするんで当然とは言えば当然なんですが。
だが私は挫けない。
え? 目?
「分かんない時は基本的に髪と同じ色で塗っときゃいい」精神で塗ってました。
でも、強ち間違ってなかったのだぜ。

ところで、筋肉ってどうやって描くんですかね。
グレオニーが来て、脱いでくれれば話は早いのに。


拍手ありがとうございます。
グレオニー不在につき、在庫を穿り返してやりくりしています(´・ω・`)





 漣 ( 前 編 )

 レハト様と知り合って、レハト様と想いが通じて、レハト様と共に歩んできた。 俺の人生においてレハト様と過ごした日々はそんなに長くは無いのに、俺の思い出にはレハト様ばかりいて、自分でも少し笑ってしまう程切ない。
 この先も同じように二人一緒に同じ思い出を積み重ね、泣いたり笑ったりしながらいつでも隣にいるもんだと漠然と思ってたけど、現実はそう甘くはなかった。
 成人から数年が経ち、当初より格段に減ったとは言え、今も変わることなくレハト様に想いを寄せる男は大勢いる。その中の一人が、実にまめに手紙を送ってきていることを俺は知っていた。そしてその手紙を読むたび、レハト様の口から切なげな溜め息がこぼれていることも。
 多分、彼女は結婚を考えている。
 俺じゃない、別の男との。
 知らないままでいられる曖昧な距離よりも、知らずにはいられない程近くにいることを望んだのは俺自身だ。
 だから今、俺は辞表を握っている。
 この決断をするまでに随分迷った。
 やっぱり止めよう、全てに見ないふりをして今まで通りでも良いじゃないかと、何度思ったか知れない。実際、書いた辞表はこれひとつじゃなかった。書いては破り、書いては破りを繰り返し、どうにかけじめをつける勇気を得たのはほんの数日前だ。決意が霧散しないうちにと書き上げた辞表はお世辞にも綺麗とは言いがたいけど、そこは大目に見てもらいたい。
 話したいことがあると人払いをしてもらったレハト様の部屋で、汗のせいで指の跡がくっきり残った封筒を差し出した。
「レハト様……これを」
 レハト様はそれを穴が空くほど眺めた後で、小さく首を振る。
 彼女がすんなりと受け取らない予感はしていた。
 律儀な人だから、俺との口約束を守ろうとしてくれているんだろう。あんなもの、何の法的拘束力もないのに。子ども時代の約束なんて忘れたところで誰も責めたりしないのに。
「レハト様、お願いします」
 俺を見上げる瞳にありありと浮かんでいる疑問に対する答えを、俺は持っている。
 他に好きな人が出来たんです。
 そう言えば彼女は少し楽になる。
 俺がレハト様と同じように他の人に心を移していたなら、約束を反故にしたところでどちらか一方だけの罪じゃない。
 でもそれは嘘でも言えなかった。言いたくなかった。
 俺にはレハト様以上の人なんていない。今後も現れない。それだけは揺るぎのない事実だ。
 だから、こうするしかなかった。
 俺に遠慮することなんて何もない。彼女は彼女の求める幸せを確実に与えてくれる人と人生を歩むべきだ。
 だけど俺が側にいる限り、いくらそう言ってもレハト様はやっぱり気にするに決まっている。俺を護衛にしたまま結婚に踏み切れるような人じゃない。
 でも、本当は嫌だ。嫌に決まってる。
 誰よりも大切な、誰よりも愛しいこの人を、誰にも譲りたくない。奪われたくない。
 でもそんな自分勝手な感情で彼女の人生を縛るのはもっと嫌だった。
 僅かに眉間に皺を寄せ、真っ直ぐに俺を見上げたレハト様の、何かあった? 誰かに何か言われた?、という真意を問う言葉に静かに首を振る。
「何もないです。俺はただ、ただ……貴方にちゃんと幸せになって欲しい」
 例えそれが俺の手によるものじゃなくても。
 それで俺が貴方を失うことになっても。
 どちらかを選ぶしかないのなら、俺の選択はいつだってひとつだ。
 俺が本当に護りたいものはレハト様の笑顔だけだから。例え、遠く離れても、彼女が今日も笑顔でいるのだと思えればそれだけで全て報われる。
「俺は……俺も、俺なりに自分で探してみようと思います」
 貴方の傍にいる以上の幸せなんて見つからないとは思うけど、痩せ我慢くらいは許して欲しい。
 もうこれが最後だと、名残を惜しみながらで見つめたレハト様の顔が痛みを堪えるように歪んだ。瞬きを忘れたように一心に俺を見る目に胸が軋む。
 貴方がそんな顔することなんてないのに。
 もし許されるなら、大丈夫だからと髪に触れたい。何も気に病むことはないんだとその頬に触れたい。誰にも貴方を責める権利なんてないと抱き締めたい。
 触れられない切なさを黙って手の中で握り潰した。
 だってそれは俺の役目じゃない。レハト様に想われるあの幸せな貴族の方の役目だ。
 浅く噛まれていたレハト様の唇がゆっくりと開かれる。
 グレオニーは幸せじゃない?
 そう問う震え声にどう返せば良いのかわからない。
「俺は……」
 俺の幸せってなんだろう。
 幸せだった。そのはずだ。例え永遠に結ばれない立場だとしても、ただ一緒に、共に居られれば、彼女の躊躇いや迷いに気付かなければ。
 全てはそこに回帰する。
 それでも彼女の心変わりを責めるつもりは微塵もなかった。俺が甘かっただけだ。子どもみたいに夢のような未来ばかりを思い描き続けていた俺が。
 黙り込んで明確な返答から逃げた俺の手から、レハト様はそっと封筒を受け取り、ごめんなさい、と呟いた。
 ああ、やっぱり。
 そんな感想が胸に落ちる。
 どうして謝るのかなんて尋ねるのは野暮だ。俺に遠慮していただけで心はもう決まっていたんだろう。彼女の心は俺には向いてない。
 分かっていた現実に喉が絞まる。息が出来ない。
 でも幕を下ろすのは俺の役目だ。
「大変お世話になりました。どうか……お幸せに」
 辛うじて絞り出した声は苦く歪んでいた。

[ なんと後編に続くんだぜ ]