「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
働くグレオニー
2014年09月23日 (火) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verA・BED前提 !!

※前回の続きです。そっちを読んでないと意味不明だと思います。
視点:グレオニー
レハト様の主なお仕事はいつも通りきらきらすることです。
フェルツとハイラもちょこっと出ます。


現代版グレオニーには工事現場とかでバイトして欲しいです。

そしたら、うちのダメレハト様が早起きして作った 食えないわけではないけど見た目的に食いたいとは決して思えないし実際食ったら口の中がえらいことになるし下手したら寝込むかもしれない上に本人絶対味見なんてしてない 手作り弁当作って駆けつけちゃうゾ☆
(人、それを死亡フラグと言ふ)

ああ、プールの監視員とかもいいですねー。
※私の名誉のために言っておきますが、別に汗をかく仕事をしててくれないと上半身裸姿が拝めないなんてことは1ミリも思ってないです。

だがしかし。
大変私事であれなんですが、今とても、和服の上半身だけを脱いだ状態で太鼓を叩くのが熱いです。
誰か、太鼓、太鼓を持て!!
そして叩け、叩くんだ、グレオニー!!
(今「結局上半身裸じゃねえか!!」と思った人は漏れなく太鼓の材料にしまーす)


拍手ありがとうございます。
お返事はまた後日。





  紋 の 行 方 (2)

「レハト、さ、ま……」
 俯いているせいでレハト様の表情は全く見えないけど、微かに血管が浮き、変に白くなるほど強くスカートを握り締めている手が彼女の怒りを如実に伝える。
 ま、不味い。不味いだろ、これは。
 でも何をどう言えば。
 いや、その前にどこから話せば。
 いやいや、そもそも一体どこからどこまで話を聞かれてたんだ。
 頭が真っ白でまともに言葉を発せずにいると、不意に動いた彼女の手が、俺の左頬でぺちっと小さな音を立てた。
「レハト様……」
 顔をあげたレハト様が、怒ってるんじゃなくて――怒りもあったのかもしれないけど――泣いていたんだと気付いた時の衝撃は筆舌には尽くし難い。
 だって俺が泣かせたんだ。
 誰よりも大事にしたいと思ってる人を。
 レハト様はよろめくように二、三歩後退ったかと思うと、俺が呆然としている間に踵を返してしまった。
 って、見送ってる場合じゃない!!
「待って下さ……うわっ!!」
 あ、慌て過ぎて足滑った。
 何とか転倒は免れたものの、レハト様の背中は遠い。
 子どもの頃から割と走るのは早かったけど、大人になってますます磨きが掛かったなあ……。
 最初の反応が遅れたのと、転倒しかけたのとで、これはレハト様が部屋に戻るまでには捕まえられそうにないぞ。
 でも今はとりあえず追う!! 追う一択!!
 さすがに城内を駆け回るわけには行かなくて早足にしたけど、気が焦ってレハト様の部屋へ近付く頃には結局駆け足になっていた。
「レハト様!!」
 名前を呼びながら駆け込んだ部屋の中に探し求める姿はなく、代わりに驚きに見開かれた四つの目に凝視され、端と我に返る。
 ローニカさんとサニャちゃんがいるってことは、ここ、間違いなくレハト様の部屋、だよな。
 もしかしなくても、いきなり扉開けたのか、俺。
「あ、あ……えーと……し、失礼しま……いや、失礼してます!!」
「はい、どうぞ。レハト様は奥のお部屋にいらっしゃいますよ」
「あ、ありがとうございます!!」
 ローニカさんの笑みと言葉に許され、俺は更に奥の扉に手を掛けた。
 あ、いや、待てよ。また同じ過ちを繰り返すのはいただけないだろ。
 少し息を整え、握った拳で扉を数回叩く。
「グレオニーです。失礼します」
 この状況で入室の許可なんて求めるだけ無駄だろうから、入室宣言をして扉を開けた。
 罵られたとしても、何か飛んで来たとしても、全面的に俺が悪いんだから全部受け止める。あ、さすがに刃物とか鈍器とか、生命の危機を感じた場合は避けるけど。
 なんて意気込んで開けたにも関わらず、中は蛻の殻だった。
「レハト様?」
 いない?
 でも、ローニカさんは中にいるって。
 ま、まさか……まさか失意のあまり露台から、とか……。
 有り得ないとは思うけど、可能性がないわけじゃないし、何より逃げ道はそこしかない。いや、さすがに飛び降りたらやっぱりそれなりに大きな音がする、よな。
 ち、ちょっと確認、確認だけ。無いとは思うけど、念のため。
 心臓が尋常じゃない勢いで早鐘を打つ。胃がきりきりと悲鳴を上げる。
 冷や汗をかきつつ、足早に露台に向かう途中、ずずっと鼻をすする音が聞こえた気がして俺ははたと足を止めた。
 なんだ、今の。
 でも音がした方にあるのはレハト様のワードローブだけで。
 ……待てよ。俺は絶対に無理だとしても、これだけ大きければレハト様なら入れるんじゃないか? 露台から飛び降りるよりは多少現実的な気がするし、開けてみるか?
 すっと把手に手を掛けたところで一度思い止まった。
 もし万が一関係なかったら、レハト様のワードローブを無断で開けるただの不届き者、というか変質者、だよな。
 お、俺はレハト様を探してるだけで別に下着を見ようとしてるわけじゃないぞ。これは必要に迫られただけで、望んでしようとしてるわけじゃ…………誰に弁解してるんだ、一体。
 開けるべきか開けざるべきか。
 だけど絶対こっちから聞こえたし。
 それだけはものすごく自信がある。
 迷いに迷って、俺は結局開けてみることにした。
 す、少しだけ、少しだけだ。ほんの少し開いて中の様子を窺って、的外れだったら即閉める。
 よ、よし。
「……レハト様?」
 開けた隙間から中を覗きながら呼び掛けると、ワードローブが小さく軋んだ。
 ――あ、いた。
 薄暗くてかなり見辛いけど、間違いなくさっき見たのと同じドレスが見える。
 良かった、露台から飛び降りてなかった。
 安堵の息を漏らしつつ扉を更に開けると、レハト様が逆に扉を閉めようとするから、手が届かないよう急いで全開にする。
「レハト様、俺の話を聞い……」
 言い掛けた言葉を遮る涙声が、グレオニーなんか嫌い、と訴える。
 うわ、そんな場合じゃないけど何か嬉しい。だって俺のせいで一人で、こんなところに閉じ篭って膝抱えて泣くくらい落ち込んでるんだろ?
 勿論、泣かせてしまった申し訳なさはあるけど、それでもこれはやっぱり嬉しい。
「レハト様、さっきのはそういう意味じゃなくて」
 弾かれたように動いたレハト様が自分の耳塞ぐ。
 聞きたくないって意味だよな。
 あー、どうするべきだ、これ。力にものを言わせて無理矢理剥がすことも出来るけど、逆効果な気がする。
 でも話は聞いてもらわないと困るし。
 床に膝を着き、伸ばした手でレハト様の髪に触れた。指通りの良い髪を静かに撫でる。
「全て、お話しますから。その先はレハト様が決めて下さい」
 耳を塞いでいたとしても、多少は聞こえるはずと踏んで声を掛けると、レハト様は小さな手をそっとずらした。
 俺の情けない釈明を聞いてくれる気はあるってことだよな。
 レハト様の気が変わらないうちに、と俺は意を決して口を開いた。
「正直言って、レハト様は成人して、俺の想像なんか遥かに飛び越えるくらいお綺麗になられました。だから訓練場に来て頂きたくなかったんです。誰かがレハト様に思いを寄せるのも嫌だったし、レハト様が俺以外の誰かを見つけてしまうのも嫌だった。本当は、部屋から出ないでくれって言いたかった」
 拒まれるのを覚悟で濡れた頬を撫でると、レハト様は姿勢を少しも崩すことなく、それは無理、と呟いた。
「分かってます。だから我慢しました」
 俺の目にしか映らなきゃいい。
 本当に本気でそう思ってそれをレハト様にぶつけても、彼女は困るばかりだから。
「これで全てです。全部白状しました。許してもらえませんか? 俺のこと、嫌いになりましたか?」
 許してくれなくても仕方が無い。全部俺自身が招いたことだ。彼女を諦めるのは相当骨が折れると思うけど、彼女には何の責任も無い。
 レハト様の膝を抱えていた腕が動く。
 その細い両腕がゆっくりと俺の首に周り、そのままの勢いでワードローブから落ちてきた体を受け止めると耳元で、大好き、と囁かれて体が震える。安心したのと嬉しいのとで一気に緩んだ心とは裏腹に、俺の腕はむしろ一層強く、離すまいとするようにレハト様の華奢な体を抱き締めていた。
 誰も見てないし。こんな機会、滅多にない。だから良いんだ。そういうことにする。俺の独断でそうしておく。
 抱き締める腕に呼応するように、きゅっとしがみ付いてくるレハト様の赤くなった耳に口を寄せた。
「今度、訓練場に来て下さい。貴方を、皆にきちんと紹介したい」
 ぱっと顔を上げたレハト様が嬉しそうに笑う。
 その笑顔に笑い返しながらも胸が痛む。俺が下らない不安でぐずぐずしてる間、レハト様はもっと不安だったのかもしれない。
 俺がしっかりしないと。こんなしなくても良い心配、させちゃ絶対駄目だ。
 レハト様の笑顔にホッとしていると、考え込むように視線を少し外した後で、なぜかレハト様は、やっぱりいい、と首を振った。
「え……いいんです、か?」
 な、なんで突然。
 まさか、良く良く考えたら俺の恋人として紹介されるのは恥ずかしいから嫌だとか言うんじゃ。
 ないと言い切れない。というかむしろ心当たりしか。容姿は十人並みだし、心は狭いし、稼ぎは良くないし。
 不安にぐらぐら揺れる。頭から冷水を浴びせられたような心持ちの俺にレハト様は、グレオニーに独り占めされていたいから紹介してくれなくていい、と甘く囁いた。
「あ……あ……そ、そういう理由、ですか」
 なんだ、そうか。そういうことか。
 安心したやら何やらでとんでもなく顔が熱いし、心臓がうるさい。さっきまで青くなってたせいで中途半端に紫になってなきゃいいけど。
 嬉しい?、と顔を覗き込むレハト様を返事の代わりにさっきよりもっと強く抱き締めた。