「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
レハトがデレない
2014年09月01日 (月) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verA・BED前提 !!

視点:フェルツ
グレオニーとはまだ婚約前。
レハト様の主なお仕事:きらきらすること


pixivで素敵な護衛ハイラ漫画を拝見し、ふおおおおおぉぉぉぉ、となったんですが、残念ながら当方にお住まいのレハト様(14)は、

「え、なに、ハイラのことをどう思ってるか? 別に普通に仲良いけど……え、仲悪そうに見える? そんなことないって。本当、本当。全然、苛められてなんかないよ。まあ喧嘩は適度にするけど、喧嘩するほど仲が良いって言うじゃない? まさにそれなんだよね。なんて言うの、拳と拳で語り合う感じ? お前なかなかやるな、みたいな。ん? 嘘吐いてるだろうって? 疑り深いなあ。本当に仲良しだってば。成人したら、ハイラが衛士辞めたいって言おうが泣いて喚こうが土下座しようがこの神の使者レハト様の護衛にしてあげようと心に決めてるくらい仲良しだよ★」

などと供述しておりorz<護衛にして鬼のように我儘言うつもりや、この人……


以前非常に無意味かつ自分しか楽しくない武勇200でタナッセに暴行を加えご褒美を与えるプレイをしたんですが、ふと思い立ってニートレハト様で愛情EDに到達できるのかやってみました。
王子党の方が既に挑戦済みだったらすみません。大目に見てください。
あ、結果は後日。
(ちなみにトッズは筒安さんがプレイ済ですので、トッズをご希望の方はそちらをどうぞー)
(その筒安さんが私より余程分かりやすく且つ真面目且つ深いグレオニー考察をしてくださっていますので、グレオニー党員の皆さんもそうでない方も、そちらも是非。しかし改めてしみじみと感じる、筒安さんの許容範囲の広さよ……)


拍手ありがとうございます。
夏バテしているのか、最近脳内グレオニーが不在です。





 言 う 花 の 髪 飾 り

 訓練場傍の回廊で、寵愛者様の一行と貴族の一行が行きあったのが偶然なはずがない。
 寵愛者様はグレオニーに会いに来たんだろうし、貴族の方はその寵愛者様を待ち伏せしてたんだろう。かなり前から不自然なくらいあの辺を行ったり来たりしてたからな。
 寵愛者様を確実に捕まえる手段としては間違ってないと思う。それを寵愛者様がどう思うかは別として。
 俺の視線につられてグレオニーも事態に気付いたのか、汗を拭いつつ心配そうにそっちを見ている。
「お前が心配することないだろ。どうせあちらさんが振られるだけなんだし」
「あー……まあ確かにそういう心配はしてないけどな」
 じゃあなんだ。寵愛者様とは順風満帆なら、何が心配なんだ。
 でも俺の疑問がグレオニーの耳に届くことはなかった。ちょっとした物音などあっさり掻き消してしまう程大仰な歓喜に満ち溢れた声が響き渡ったせいだ。
「おお、このようなところで偶然レハト様にお会いできるとは!! なんたる幸運!! きっとアネキウスのお導きですね!!」
 やけに声が大きいのは完全にわざとだろう。近くにグレオニーがいることにも気付いてて、あえて寵愛者様との話を聞かせたいに違いない。
 作戦がせこいと言うかなんと言うか。
 無駄な抵抗に思えるんだけどな、俺には。
 あと、そんなに叫ばなくても聞こえてます。
「丁度お探ししていたところなのですよ!! レハト様、これを見ていただけませんか? どうです? 美しいとは思いませんか?」
 そう言いながら貴族が差し出したやたら華美な箱の中身は、遠目にも分かるほど豪華なものだった。衛士の給料じゃ何年かかっても買えそうもないくらいに。
 様子を伺う貴族に、寵愛者様はにこやかに頷き、綺麗ですね、と返した。
 でも、寵愛者様はそれを受け取らないことを俺は知っている。俺どころか今じゃ衛士の誰もが知っているだろう。
 豪快に断られた、なんて不名誉以外の何物でもないから、貴族間でそういった情報の共有はされてないみたいだけどな。
「レハト様のために特別に誂えさせた髪飾りなのですよ。受け取って下さいませんか? 勿論、これを受け取って頂いたからどうと言うのではなありません。ただ私の想いを形にしたまでのこと。お心に留めてさえ頂ければ、それだけで充分なのです」
 熱心に言い募る貴族が一体誰を意識しているかは一目瞭然だ。
 ちらりとグレオニーを盗み見ると、それに気付いた奴は少しだけ苦笑して表情を改めた。
 苦笑してたなんて知れたら、それこそ大事になりかねないからな。
 今、寵愛者様に髪飾りを贈ろうと躍起になっているのは、何もあの貴族に限ったことじゃない。求婚者がこぞって髪飾りを贈りたがるのは、寵愛者様御愛用の髪飾りがグレオニーが成人の祝いにと贈ったものだからだ。
 寵愛者様がどれくらいそれを気に入っているかと言えば、継承の儀を筆頭に公式行事にも付けて出ると言って聞かず、手を焼いた衣裳係たちが何とか説得してくれとグレオニーに泣き付いて来た程だ。その時はグレオニーの説得に応じて渋々外して出ることになったけど、その条件が、髪飾りを外す代わりにどんな装飾品も身に付けない、でまた衣裳係を盛大に嘆かせたらしい。
「レハト様の身を飾る栄誉を頂ければ幸いなのですが」
 もはや強引に手に握らせかねない勢いに、寵愛者様がやや困ったように首を傾げた。
 わざわざ訓練場くんだりまで来てやることじゃないと思うけど、何としてもグレオニーの目の前で受け取らせたいんだろうな。牽制の意味とかも込めて。
「こう申し上げてはなんですが、その髪飾りは少々……レハト様の御身には相応しくないかと」
 へりくだりつつ、暗に、そんな安物、と鼻で笑った相手に、寵愛者様は笑みを崩すことなく、気に入っているのですが似合いませんか?、とまた首を傾げてみせた。
 あ、上手い。
 寵愛者様が気に入っていると言ったものを、似合わない、なんて貶せる貴族がいるはずがない。
 案の定、そんなことはありません!!、と男は大袈裟なほど声を張り上げた。
 あー、この状況じゃそう言うしかないよな。
 それにしても、本当に対応が上手くなったな。あんなに簡単にあしらうとは思わなかった。成人したての頃は、不愉快そうに押し黙ってばかりだったのに。
 貴族が自分の失言に顔を顰めている間に、二言三言当たり障りのない挨拶を口にし、寵愛者様は、さっとドレスの裾を捌くとどこかへ行ってしまった。まあ、この流れでグレオニーに会うのは色々不味いだろうな。
 結局、その場に取り残された男は、腹癒せにかこちらを一睨みしていなくなった。
「あんまり機嫌が悪くなるようなことはしないで欲しいんだけどな」
 その姿が視界から完全に消えたところで、グレオニーが苦笑混じりに呟く。
 グレオニーが振られた側を気にする必要がないから、寵愛者様のことなんだろうけど、機嫌悪くなってたのか、あれ。
 そうは見えなかった。
 いや、寵愛者様がそう見せなかっただけか。
「八つ当たりされたりするのか?」
「それはない。でも、機嫌の悪い顔を見られたくないってなかなか会ってくれなくなるから」
 ちょっと困る、と笑うグレオニーは口で言う程困っているようには見えない。
 ということは、惚気か、ただの。
「どうやって機嫌取るんだ?」
「…………へ!? ど、ど、どど、どう、どうやって、って……そ、それは、だからその……な、何て言うか……」
 盛大にどもりながらグレオニーが顔を赤くする。
 俺としては、何か寵愛者様の好きなものを差し入れるだとか、愚痴を聞いてやるだとか、そういう返事が来るもんだと思ってたんだけど。
 ああうん、確実に違うな。
「言えないなら、別にいいぞ。深い意味があって聞いたわけじゃないし」
「あ、ああ、うん、すまん」
 あからさまにホッとした様子に苦笑するしかない。
 ハイラじゃあるまいし、他人と言うかグレオニーの恋愛事情にさほど興味はないぞ。まあハイラは、興味があるとか後学のためとか言うんじゃなく、ただただ純粋にグレオニーの反応が面白おかしくて突き回してるだけだろうけど。
 ああでも、親友の恋路が気にならないのかと問われれば、気になる、とは一応答えるか。何かあると絶対文字通り雲行きが怪しくなるし。そうなると、必然的に仕事に差し支える場合がある。
 だから出来ることなら、日々穏やかに、何事もなく過ごして欲しい。
「そう言えば、お前、午後から休みだっけ? 寵愛者様のご機嫌伺いに行くのか?」
「あ、ああ、まあ、うん……い、一応その予定だけど、な、何かあるのか?」
「いや、帰りが遅くなるようなら連絡しろよ」
「なっなっ……お、遅くって、さ、さすがにまだ泊まりとかそうのはまずいと、俺は思ってるから、だからその、なんだ、そ、そういう心配はまだ、は、早いんじゃないか!?」
 なんでそういう発想になる。
 誰もそこまで言ってないし、大体グレオニーにそんな度胸があるとも思ってない。大体、ここでしれっと泊まって平気な顔で朝帰り出来るような男なら、誰も天気の心配なんてしないだろ。仮に寵愛者様が泊まって行けって勧めても、なんだかんだ理由こじつけて逃げるように戻って来ると思う。
 そういう男だ。こいつは。
 悪いことじゃないとは思うけどな。特に恋人以上婚約者未満な今は。
「た、確かに俺とレハト様は、その、世間一般で言う恋人同士なわけだけど、俺はまだ一介の衛士で、レハト様にそう言う不埒な行為を仕掛けるのは」
 話し続いてたのか。
 その上、俺が想定していない方向に進んでいるような。
「俺は別に変な意味で聞いたわけじゃ」
「甲斐性がないって言われるとそれまでだけどさ、やっぱりそういう分別って言うのは大事にした方が良いと思うんだ。フェルツもそう思うだろ? 思うよな!? だ、だから帰りたくないとかもっと一緒にいたいと思うこともあるけど、俺は心を魔物にして」
 なあ。これ、どうやって止めればいいんだ。
 というか、相槌打ってないのになぜ話が進む。
「つまり俺はレハト様に対していやらしい思いは微塵も抱いてないんだ! そういうことなんだ!! じゃ、俺、警邏に行って来るから!!」
 グレオニーはそう言うなり一目散に駆け出していった。
 おい、言い逃げやめろ。
 そしてむしろいやらしい思いしか抱いてないだろ、お前。

[ 完 ]