「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
これはむしろ奇跡
2014年07月07日 (月) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verB・CED前提 !!

レハト様のスペック:なぞ。割と何でもいけるんじゃないかと。
グレオニーのスペック:護衛
名前だけゲスト:某医者先生


グエロニー



おい、唐突になんて打ち間違いをしてるんだ、私は。
わ、わざとじゃない!! わざとじゃないよ!! ホントだよ!!
グレオニーって打ちたかっただけなんだ!!
信じてくれ!! 俺は無実だ!!
(自分でも普通に素でびっくりしましたwww どうしてこうなったwww)

ま、まあなんか違う話でもしようぜ。
えーとあれですよ。あれあれ。
今回のSS、目指したところはイケオニーだったんですが、案の定イケオニーのままではいられなかったです。
もうグエロ……違う、グレオニーに無理なことをさせるのはやめよう。
ついでに白状するとどうしてもオチがつけられなかったので、中途半端な感じで〆ました。
所謂ひとつの な ん や か ん や ってやつですよ。
私の中で、テエロさんとレハト様は仲悪い、というか、お互いものすごい無関心です。
テエロさんはヴァイル陛下しか見てないし、レハト様はグレオニーしか見てないし。
一途さという点ではウマがあいそうな気がしないでもないですが、回り回って、やっぱり気は合わないと思います。
お互い「なにこいつ、キモイ」とか思ってそう。
同じ穴の狢なのに。
レハト様の扱いというか、テエロさんはヴァイル以外の扱いがゾンザイなので、グレオニーがちょっとムッとするといいな。
俺のレハト様にその態度はないだろ!!、とか内心思ってることが思い切り全力で顔に出てるグレオニー。
俺だったらもっと優しくするのに、とか考えてなぜか赤面するグレオニー。

……なんか違う方向に転がり始めた気がするのでこのあたりでやめておきましょう。


拍手ありがとうグエロニー。
(挨拶として活用するのも良いかと開き直りました)





 が あ が っ た ら

 雨が降っている。葉に落ちたり地面に落ちたりと不揃いな雨垂れを聞きながら、雨を避けるために潜り込んだ大木の洞の中で私は抱えた膝に顎を乗せた。
 大体何もかも全部グレオニーが悪い。
 私がうっかり木の根につまづいて足を挫いたのも、不意に空が曇り出し、そこに止めのように雨が降ってきたのも。特に後者は誰がどう見てもグレオニーのせいだ。短気を起こして部屋を飛び出した私もほんのちょっとばかり悪いかもしれないけど、でもやっぱりそもそもの原因はグレオニーにあるんだからグレオニーが悪い。
 どうしてグレオニーが私に他の男との縁談なんか持ってくるのか。
 恩があって断れない相手に頼まれただとか、止むに止まれぬ事情があったにせよ、私本人に伝える必要性なんてなかったはずなのに。
 私の返事など聞くまでもない用件だ。レハト様はまだ御結婚の意志はないようです、とか、レハト様には意中の方がいらっしゃるようです、とか、レハト様は俺と一生を添い遂げますので御遠慮下さい、とかグレオニーが私に聞いたフリをして断れば話はそこで終わる。さすがに最後の断り方は不味いけど、でもグレオニー一人で捌けた話だ。
 それなのに。
 グレオニーの馬鹿。
 雨男。へたれ。奥手。
 ……でも好き。
 もう自分でも意味が分からないけど好きなんだから仕方ない。だから腹が立つ。
 私がグレオニーじゃない他の男と結婚しても良いとでも?
 あっさり、レハト様がそう望まれるのならとか何とかうだうだ言いそうだから本人には聞かないけど。私が聞きたいのはそんな答えじゃない。もうちょっと独占欲と言うかそういうのを見せてくれてもいいのに。
 つまるところ、何もかもグレオニーが悪い。その一言に尽きる。
 どの方向から検討してもグレオニーが悪い、と結論付ける思考回路とじゃれていると、不意に近くで水の跳ねる音がした。
 リスか何かかと顔をあげると、全身ずぶ濡れでしゃがみ込み、こちらを見つめる諸悪の根元と思いきり目が合う。剣呑な目付きに思わずたじろぐ。
「レハト様……」
 怒ってる。ものすごく怒ってる。
 でもこれはおかしい。怒る権利があるのは私で、グレオニーには怒られる義務があるだけだ。
 じっと目を合わせてるのも何だか癪で、ぷいっとわざとらしく顔を背けると、伸びてきた腕に頭を叩かれた。
 痛い! 酷い!!
「何で貴方はそう考えなしなんですか!! こんな時間まで……貴方にもしものことがあったら、俺が……俺は…………」
 言われてみればグレオニーの背後は薄闇に包まれつつある。グレオニーの無神経さを呪っている間に思いの外時間は流れていたらしい。グレオニーが心配するわけだ。
 でもだからって何も叩くことはないと思う。言葉が通じないわけじゃあるまいし。
 それに全包囲から見て全面的に悪いのはグレオニーだ。グレオニーが見合い話さえ持ち込まなければ、私は今日一日を機嫌良く大人しく過ごせたのに。
 ねちねち責めるのは趣味じゃないが、つい不満を零してしまう。
「それは……すみませんでした」
 グレオニーがそう言って頭を下げてもちっとも怒りは収まらなかった。
 私がどれほど機嫌を損ねるか、グレオニーに予想が付かないはずがない。なのにわざわざ私に縁談を勧めた意味はなんだ。さっさと身を固めて護衛から解放しろ、とでも言いたいのか。それならそうと、遠回しに縁談を進めてそれとなく意思表示するくらいなら、貴方に愛想を尽かしたので護衛を辞めたい、とはっきり口に出せば良い。それを私が素直に認めるかどうかは、また別の話だけど。
 溜まりに溜まっていた言いたいことを、グレオニーが口を挟む隙を当たえることなく一息に吐き出す。
 でも言ってから全力で後悔する。
 もし、もしここで、それこそ今しがた私が言った通りの言葉を言われたら、どうすれば良い? はっきり口に出せば良い、なんて偉そうに言ったけど、実際に言われる場面なんて考えたこともなかった。
 抱えた膝に今度は顔を埋める。
 グレオニーが私を嫌いになる日が来るなんて。
「……仕方ないでしょう、貴方の気持ちがまだ俺に向いてるのか確かめるのに、俺にはあの方法しかなかったんです」
 溜め息と共に絞り出された台詞に、私は膝に額を押し当てたままの態勢で言葉を失った。
 当たり前だが、感動したからじゃない。むしろその逆だ。
 呆れてものが言えない。
 つまり、私が縁談を受けるか否かをグレオニーに対する気持ちの判断材料にしようとしたということだ。そんな回りくどい方法を選んで、結果今こんな風に私と拗れてる暇があるなら、はっきりすぱっと聞けば良いのに。レハト様は俺のことが好きですよね―ーなんか違う。ええと、レハト様は俺のことが好きですか、の方が適当だろうか。そもそもグレオニーのくせに私の気持ちを疑うなんて百万年早い。
 少しだけ顔を上げ、じと目で睨むと、グレオニーは気まずそうに視線を逸らした。一応、自分のしでかしたことの意味は自覚してるらしい。
「とりあえず戻りましょう。ここにいたら風邪を引きますから」
 何が、とりあえず、か。私がこんなところで膝を抱える羽目になったのは誰のせいだ。
 私は伸ばされた腕を取らなかった。
 代わりに条件をつきつける。
 キスしてくれたら戻ってあげても良い。
 私ばかり一方的に責められているのが癪に障って、わざとグレオニーを困らせる我が儘を口にした。きっとグレオニーは弱りきった情けない顔で断るに決まってるけど。そんなの分かりきってるけど。
 人間、言わずにいられない時もあるのだ。
 グレオニーは目を丸くした後で、ゆっくりと眉間に皺を寄せた。
「駄目です」
 ほら、やっぱり。グレオニーの意気地なし。臆病者。
 どうせ、レハト様は俺の主で俺はレハト様付のただの護衛ですからそんなことは出来ません、とか何とか一番聞きたくない台詞をしれっと宣うに決まっている。
 その言葉にどれほど私が傷付くか何てちっとも気付かないで。
 グレオニーの無神経さなんて今に始まったことじゃないけど。気にする方がおかしいくらないんだけど。
 更にぎゅっと膝を抱え込んで小さくなる。
 私の頑なな態度にか、グレオニーが小さく溜め息を零す。
「それだけで終われる自信がないので駄目です」
 ……は?
「さあ、行きますよ」
 何やらとんでもなくとんでもないことを言われた気がするけど上手く飲み込めない。飲み込めないけど、飲み込めないなりに顔が熱い。
 えーと、これはどうすれば。
 それだけって何? 終われるってなに?
 それはもしかしなくても、それだけでは終わりたくないという――。
「……レハト様、この足、どうなさいました?」
 ちょっとばかり甘い気分に浸っていたのに、グレオニーの堅い声音に一気に現実に引き戻される。
 グレオニーが指摘したのは私の腫れた足首だ。
 しまった、うっかりしていた。グレオニーは私の怪我に敏感で、ともすれば、安静にしていないといけません、と寝台に放り込まれ、終日そこで過ごす羽目になる。
 だがしかし、はっきりしっかり見られてしまったものは今更誤魔化しようがない。仕方なく、転んで挫いた件を白状すると案の定グレオニーは表情を険しくした。
 だから言いたくなかったのに。このくらいじゃ人は死んだりはしないし、特に私は寵愛者だから他の人より遥かに丈夫だ。下手をするとグレオニーより頑丈かもしれない。
「他に怪我はありませんか?」
 グレオニーの視線から逃れるように私は腿と体の間でこっそりと手を広げた。
 転んだ時に咄嗟に体を支えた手に、僅かだけれど砂粒のあとが付き、うっすら血がにじんでいる箇所もある。でもこのくらい村にいた頃は日常茶飯事だったし。とは思うものの、後で知れたら、どうしてちゃんと言わなかったんですかとかそんなに俺は頼りないですかとか、それはそれで厄介な事態になるに違いない。
 おずおずと手のひらを見せると、グレオニーの眉間の皺が深くなった。出した手を強く捕まれたかと思うと、あっという間に洞から引きずり出され、瞬く間にグレオニーに横抱きにされる。
「すぐに医者に診てもらいましょう。俺が濡れているのでレハト様のお召し物も少し濡れるかもしれませんが我慢して下さい」
 別にこのくらい何でもないというか、むしろこの程度でわざわざ医務室に行くと例の金髪医師にちくちくねちねち嫌味を言われそうな気がする。
 それとなく、洗っておけば大丈夫だと主張してみると、グレオニーが眦を吊り上げた。
「お言葉ですが、そこから黴菌が入って化膿でもしたらどうするんですか。そうなってからじゃ遅いんですよ。手当ては早い方がいいんです」
 そうなったらそうなった時に改めて医務室に、と応戦する前に先手を打たれては黙るしかない。
 そんなに遅いだろうか。
 まあ予防するのは良いことだとは思うけれど、如何せんテエロが。いや、別に私がテエロに嫌味を言われる分には構わなくはないが、我慢して聞き流すことは出来る。
 でもグレオニーには出来ない。
 医務室でテエロと睨み合いになるのは目に見えている。実際、何度か揉めたことがあるし。結局、それをとりなすというか、早々に医務室を撤退するために頭を使うのは私なのだ。
 だったら何がしかの御褒美があってしかるべきだと思う。
 医務室に行っても良いけど何か御褒美が欲しい。
 性懲りなく駄々をこねると、一応医務室に行く気になったことに安堵したのか、グレオニーは少しだけ表情を和らげた。
「御褒美って何が欲しいんですか?」
 問われてグレオニーの唇をちょいちょいとつつく。その指で同じように自分の唇をつついた。
 一瞬、果たしてこれで伝わるだろうか、という不安が過ぎったけれど、グレオニーがものの見事に真っ赤になったところを見ると、幸いそれは杞憂に終わったらしい。
「……あ……そ、それは…………だ、誰に対しての御褒美だか分からなくなるから駄目です!!」
 え?
 誰に対しての、って私しかいないと思うんだけど。
 私以外に誰が……え、え?
 ……えええ!?

[ 完 ]