「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
衛士のツイッター見てみたい
2014年06月17日 (火) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verAED前提 !!

衛士祭没案 その7
レハト様のスペック:皆大好き麗人
レハト様とグレオニーは婚約中。
捏造衣裳係がわんさかいます。衣裳部屋なので、勿論衣裳係のアノヒトもいます。


没事由
1:もうイチャイチャしてるだけのSSとかいらねーだろjk
2:やっぱり完成してなかった

没案がまだあったなんで誰も思うまい。
私も忘れてました。
でも書いてて楽しかったです。すごく。
どこがとは言いませんが。


ところで(颯爽と話題を変える私カッコイイー)。
かもかて界にツイッター的なものがあった場合、レハト様とグレオニーがキャッキャウフフしてると、

「リア充爆発しろ」

というリプライが飛びまくるんだろうな。勿論、グレオニーにだけ。
レハト様には飛びません。
だって、言質取られるとかマジ怖い。
そんでもって、グレオニーの恥ずかしいツイートをハイラがリツイートしちゃうんだろうな。
ラブラブDMをうっかりツイートしちゃうんだろうな。
だってグレオニーだもの。
そして気付いて慌てて消す間もなく、ハイラがリツイート、という様式美が成立するわけですねわかります。
鍵掛けとけよ!!


拍手ありがとうございます。
お返事はまた後日。
どうもでいいですが、最近腰痛がひどいですorz<これが老化か……





 裳 部 屋 に て

 袖口の綻びに気付き、衣裳部屋に向かった俺を待ち受けていたのは布の洪水だった。
「駄目駄目、そんな色。もっと華やかで綺麗な色じゃなくちゃ……ああ、そっちの方がずっと良いわ。それ、持って来て」
「飾りはどう致します? 増やしましょうか?」
「まあまあ、色白でらっしゃるから映えること!!」
「是非こちらもお試しになって頂きたいわ」
 どうやら誰かの衣裳合わせの真っ最中らしい。衝立の向こうにいるみたいで顔は見えないけど、衣裳係が慌ただしく運んでいるドレスや布を見る限り女性だろうな。
 俺の方は急ぐようなものでもないし、部屋に戻れば替えもあるし。
 何より、ぼーっとここで待って不審者扱いされるのはかなり不味い。
 出直した方が賢いだろう、これは。
 そう決めて立ち去ろうとした瞬間、運が良いのか悪いのか、ドレスを抱えた衣裳係の一人と目があった。
「あら、気付かなくてごめんなさい。ちょっと立て込んでいて。どうかされました?」
「あ、ああ、袖口を直して貰おうかと思ったんですが、また後で来ます」
 お気遣いなく、でその場を離れかけると、衝立の奥から顔を出した別の衣裳係が、俺の顔を確認するなり声を張り上げた。
「あ、駄目よ、その方は絶対に帰さないで!!」
 え、え? な、なんで?
 衣裳係りに睨まれるようなことをした覚えはないぞ。そりゃまあ、繕ってもらいに来たりはしてるけど、それだって人並みの回数だし、特別派手に破いたり汚したりもしてないし。
 予想外の展開に戸惑う俺の腕を、また別の衣裳係が素早く掴む。
 何が起こってるんだ?
「丁度良い時にいらして下さったわ。さあ、中にどうぞ」
「え? いや、あの、俺は」
「遠慮なさらないで。ねえ、よろしいですよね?」
 衣裳係が衝立の向こう側に確認したけど、どう見ても形ばかりだよな。その証拠に返事を待たずに俺を衣裳部屋の中へと引き摺りこんでいる。衝立の向こうで誰かが何か言ったみたいだけど、衣裳係たちの声の方が大きくて良く聞こえなかった。
 いいのか、これで。
 って、いや、悠長にしてる場合じゃない。俺に変な噂をたてるための誰かの罠なんじゃないかとさえ思えてきた。
「あの、俺、そんなに急ぎませんし、だからその」
 はっきり言えないのは悪い癖だとは分かってるけど、衣裳係たちの熱意というか勢いというか、まあそんなようなのに押されて上手く断れず、引き摺られるままずるずると衝立の側まで来てしまう。
 ま、まさか、この向こうに行けとか言わないよ、な?
 ああ、ただちょっと繕ってもらうだけのはずが、なんでこんなことに。
 だが諦めるのはまだ早い。今ならまだ何とか間に合うはずだ。力なら絶対に俺の方が上なんだから、振り切って一気に逃げれば。
 よし、いける、いけるぞ。
「さあさあ、どうぞご覧になって。是非感想をお聞かせ願いたいわ」
「え、あ、その、ま、また今度、日を改め……」
 途中で言葉が切れたのは、衝立の陰から半ば強引に押し出されて来たのがレハト様その人だったからだ。
 久しぶりに見るレハト様はやっぱり美しかった。
 篭り明け直後にお会いして以来だけど、あの時よりもっと何て言うか、水際立ってると言うか。とにかく美しい。その一言に尽きる。
 白く滑らかそうな肌も、伏し目がちな瞳を縁取る長い睫毛も、ふっくらとした唇も、すっきりと高い鼻も、華奢な手足も、何もかもが。
 俺がほとんど茫然自失状態で見惚れていたせいで水を打ったように静まり返った中、衣裳係の男が不満そうに鼻を鳴らした。
「あら、お気に召さないのかしら。最新の流行色を、レハト様のためにお仕立てしたのよ?」
「え……」
 我に返り、気に入らないなんてそんなことはない、と否定する間もなく、畳み掛けるように責められる。
「やはりレハト様の御身分が目当てでらしたの!?」
「お噂を聞いた時は素敵なお話だと思ったのに!!」
「酷いわ、男として最低よ!!」
「ただの野心家だったなんて信じられない!!」
「女の敵よ!!」
 最後の批判を口にしたのは男だったような気がするけど、ま、まあそれはともかく、今は誤解を解くのが先だ。
「あ、あの、そうではなくて、レハト様があんまりお綺麗なのでドレスに目がいかなかっ……た……だけ、で……」
 必死になるあまり、口を滑らせたことに気付いた時には後の祭だった。
 一瞬の静寂の後、さっきの批判を更に上回る甲高い奇声が衣裳部屋に次々と響き渡る。
「いやーん、皆さん、お聞きになった!?」
「素敵!! 愛よ、愛!!」
「レハト様のお美しさの前にはどんなものでも霞むと言うわけですのね!?」
「私も言われてみたーい!!」
「あんたはまず恋人作りなさいよ」
「夢見るのは自由でしょ!? そういうあんたも恋人いないくせに!」
「な、何よ、私はね、いないんじゃなくて作らないだけ! 吟味してんのよ!!」
「そういう人に限って変なのに引っ掛かるのよねー」
「ちょっと!! それ、私のこと!?」
 しかも話が脱線してる。あ、でもそのおかげで俺から注意が逸れてるから良いか。
 明らかに違う方向に話が転がり始めた衣裳係たちからじわじわ距離を取り、早々に衝立の陰に逃げてしまっていたレハト様を追って同じ所に飛び込んだ。
 気配に気付いたのかこっちを振り返ったレハト様が、俺の顔を確認してすぐに背中を向ける。
「あの、す、すみません、俺のせいで大事に。悪気はなくて……って、あ、その、悪気がなかったら何を言っても良いとか言いたいわけじゃなくてですね」
 思い付くまま言い訳なんだか弁解なんだか分からない言葉を並べていると、不意にレハト様が体ごとこちらを向いた。
 それはつまり、とりあえず話し合う余地はあるってことで良いんだよな?
 安堵に胸を撫で下ろしていると、視線をあちこちに彷徨わせながら、指先を忙しくなく組み替えていたレハト様が、不意に俺の体にぶつかって来た。
 え……え? 今、どういう状況なんだ?
 自分がどうするべきなのか分からない。変なことして嫌がられたら立ち直れないし。
 戸惑う俺に、俯いたまま少しも顔を見せてくれないレハト様が、嬉しいけど恥ずかしい、と耳まで赤くして呟いた。
 あ、怒ってるわけじゃなかったのか。
「すみません。でも、さっき言ったことに何一つ嘘はありません。本当にとてもお綺麗で……」
 レハト様がゆっくりと顔を上げる。
 間近で見るレハト様は、距離が近くなった分、さっきよりももっと美しかった。
 深く考えず、ぼんやりと引き寄せられるまま顔を近付けると、レハト様も目を閉じてくれる。
 結婚前だけど、婚約中だし、このくらいは許されても良いよな? 何も悪いことしてるわけじゃないんだし。誰も見てないし。というか、そもそも今のここにいるのは俺とレハト様の二人だけだ。
 だから。
「そうそう、レハト様、折角ですからこちらのドレスもお試し頂けま……」
「…………」
「…………」
「…………」
「………………し、失礼いたしました!! ど、どど、どうぞお続け下さい!!」
 み、見られ、た。
 寄りにもよってこんな場面を。
 衣裳係はあっという間に身を翻していなくなったけど、この状況で続けろと言われても。
 衝立の向こう側からは、衛士様とレハト様が、と明らかに何を目撃したのか報告する声がするし、また、きゃーとかやだーとかなんとか悲鳴が。
「……あ……その……どう、しましょうか?」
 さっきより顔を赤くしたレハト様も困ったように首を傾げた。
 とりあえず、衝立の向こう側の騒ぎが落ち着くまではこのまま、だよな。
 袖口を繕ってもらうだけのはずが、俺が衣裳部屋を出て行けるのは相当先になりそうだ。

[ 完 ]