「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
うちグレ
2014年04月18日 (金) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情ED前提 !!

衛士祭没案 6(だっけ?)
グレオニーは無事にレハト様と結婚しました。
フェルトとハイラもいるよ!(レハト様はいないけど)


没事由:なんとなく。

タイトルに捻りも何もないのは、捻って弄繰り回してる間に迷いの森を彷徨う羽目になり結果的に出口じゃなくて入り口に戻ったせいです。
というか、表現として悪阻でいいの? なんか違う?
ま、まあええやん。
雰囲気って大事だと思うの。

そういや、うちレハと同じようにうちグレもいると思うのです。
皆さんのお宅のグレオニーは今日も素敵な牢にぶち込まれたりレハト様と元気に憎みあったりしどんなグレオニーですか?
うちのグレオニーはレハト様が好き過ぎていつも困ります。
グレオニーのくせに私の用意した台本に文句をつけるんです。
「こ、こんなことは出来ません!!」とか「レハト様にこんなことを言えって言うんですか!?」とか。
(別訳:中の人の想像力が貧困)
でも、いやらしいことはちょっとしたいみたいです。
グレオニーのくせに。
困ったもんです。
腹が立つのでさせません。
グレオニー、ステイ!!


拍手ありがとうございます。
没案がどこまで来たのか自分でもわけわかんなくなってきました。





 が り

 子どもが出来た。
 と言っても、まだレハトのお腹の中だけど。
 にも関わらず、俺は体調面で前と少しも変わらない。そりゃもう、産みの繋がりって何?ってぐらいに。
 片やレハトと言えば、気持ち悪い、食欲無い、吐き気がする、体がだるい、と半泣きで毎日を過ごしている。ローニカさんやサニャちゃんに言わせると、俺が側にいる時はそれでも少し楽な方らしいけど。
 レハトの悪阻が重い代わりに俺が楽なのか? いや、それでも少しくらいは何かあっても良いだろ。具体的に何とは言えないけどさ。
 俺、本当に父親になるのかな。
 あ、い、いや別にレハトの不貞とかそういうのを疑ってるわけじゃない――んだけど、何となく不安が過ぎる。
 レハト、美人だし。
 レハトが既婚者だろうが、横恋慕する奴はするだろ。それで何かあったとしても、レハトは俺には言えないだろうし。俺も聞けないし。
 こんなこと誰に聞けば良いんだ。
 食堂で匙を片手に知恵を絞ってみても、そう簡単に名案は浮かばない。
「グレちゃん、何眉間に皺寄せながら食べてんの?」
「ハ、ハイラ。特に深い意味は……」
 咄嗟に飯を掻き込むことで誤魔化すと、フェルツが苦笑しながら隣に座った。
「どうせ寵愛者様の具合でも気にしてたんだろ? 気にしたところでどうにもならないんだから、せめてお前くらいはしっかりしてろって。お前が支えなくてどうするんだ」
「そう、だよな……」
 俺がしっかりしないといけないんだ。父親になるんだし。
 父親に……父親に…………なるんだよ、な?
 ふっと手を止めた。
 なんでこんなに実感が無いのかと言えば、それはやっぱり産みの繋がり的な現象が俺には一切ないからで。何で無いのかと言えば、それはつまり……ああ、また堂々巡りだ。
 こういう思考は宜しくない。レハトにも失礼だし。
 でもなあ。消化不良と言うか何と言うか。
 ……フェルツになら、言っても大丈夫、だよな。ハイラもいるけど、そこは気にしない方向で。兎にも角にも、一人で考えてたら煮詰まって駄目だ。そのうちいきなり爆発して大惨事になりそうだし。
 お茶を一気に煽り、深く息を吐き出してから、出来るだけ何でもないことのように切り出す。
「……あのさ、俺、なんでこんなにぴんぴんしてるんだろうな。ほら、普通は色々あるって言うだろ? 不思議って言うか、変って言うか、だから、ええと」
「は?」
 フェルツとハイラの声が綺麗に重なる。しかも、ものすごい驚いた顔で見られた。
 切り出し方を間違ったか、もしかして。
 自分でも相当唐突だった自覚はあるから、こんな話を始めるとは思ってない二人には、それこそ寝耳に水だよな。
 でもここで焦っちゃ駄目だ。焦らず、落ち着いて、ただのちょっとした疑問、みたいな感じで振舞わないと。
「べ、別に深い意味はなくて、レハトは大変な思いしてるのに、俺はこの通りなんともないから、何でかな、と思っただけでつまりその」
「あー、グレちゃん、結構、というか、かなり軽い方みたいだからじゃないの?」
「軽いったって限度があるだろ? 俺だけ前と全然変わらないとか、ちょっとおかしいと思わないか?」
 思わず勢い込んで尋ねてから我に返る。
 ま、不味い。これじゃあまるで、俺がレハトのお腹の子の父親が誰か不審がってるみたいじゃないか。
 案の定、二人は動きまで止めてまじまじとこっちを見ている。
 何とか冗談にしないと。もしくは話を逸らす。
 大体、レハトのお腹の子が誰の子であっても、レハトが産むことに代わりはないんだ。レハトの子は俺の子。それで良い、それで。良いってことにする。そうしておけば平和だし。
 そうだそうだ、例え産まれてくる子が俺にこれっぽっちも似てなかったとしても、それがどうし……いや、大問題だけど、気にしないでおけば気にならないこと、だよな。
 探そうと思えば、多少無理やりでも俺に似てるように見える部分だってあるだろうし。まあ、レハト似だとそんな心配も無くなるから有り難いけど。
「あのさ、グレちゃん、もしかして気付いてなかった?」
「え、何だ、よ」
 ハイラが呆れ返ったように首を振る。
 まさか、レハトに何かあってお腹の子の実の父親が俺じゃないことくらい皆知ってて、俺だけが気付いてないとかじゃないよな!?
 い、いや、良いんだ、それは。レハトが言わないなら言えないことなんだろう。だから、良い。それで納得することにしたんだ。
 男が一度決めたことを簡単に覆すな!! そうだろ!?
「うーわ、鈍感」
「まあ、グレオニーから聞いてる話だけでも、寵愛者様の具合がかなり悪そうだからそっちに気を取られてたんだろ」
 話が見えない。当事者そっちのけとかひどくないか?
 鈍感なのも、レハトの調子にばっかり気がいってたのも認めるけど。
 それがどうしたって言うんだ。自分で言うのも何だけど、そんなのいつものことじゃないか。
 二人の理解し難い反応に眉を寄せると、フェルツが俺の前に並ぶ皿を指差した。
「食事量、前の半分以下になってるぞ」
「あと、しょっちゅう胃の辺り押さえてたり、さすってたりもするよね」
 俺が?
 全く身に覚えがない。
 レハトに申し訳ないくらい普通に食べて普通に生活してるつもりだった。不調なんてどこにも感じたこと無い。というより気にしてなかった。
 でも、そうか。ちゃんと俺、不調だったのか。
 レハトとそのお腹の子と、繋がってたんだ。
「ところで、いきなりそんなこと言い出すってことは、鈍感なグレちゃんはもしかしなくても寵愛者様の不貞を疑ったわけね、ふーん」
 うぐ……い、今一瞬喉に詰まった。
 子どもの顔も見ずに窒息死とか洒落にならないぞ。
「う、疑ってない!!」
「あ、そ。じゃあ今の話、ご本人にしても良い?」
「……今度酒奢る」
「一番高いやつね」
「俺にもよろしく」
 ハイラはともかく、フェルツにまでそう言われては拒むわけにはいかない。
 渋々頷くと、二人は、あの酒がいい、いやあれにしようだの、人の金で鱈腹飲む算段を始めた。
 自分では全く気付かなかっただけで、ちゃんと産みの繋がりがあったってことで問題は解決したけど、それにしても高くついたなあ……。

[ 完 ]