「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
【急募】(株)リタントリゾートの正社員
2014年02月01日 (土) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー友情ルート(但しCは除く)前提 !!

衛士祭没案 その3
レハト様のスペック:未分化、脳筋
スペシャルゲストにサニャを向かえ、脳筋ブラザーズ始動。
\やったね、普通に最初から衛士がいるよ!!/


没事由
1:あれ以上脳筋レハト様いらねえだろjk

その一言に尽きます。
文章量としても、あちら(=「お兄ちゃんと一緒」@衛士祭)の方が格段に多いので、量を水増しするという意味合いでも華麗に没になりました。
ちなみに今はニートレハト様がブームです。

おっと、そんなことより、人材を確保しなければ。

(株)リタントリゾートの正社員登用要件

1:交渉力200以上
2:偉い人に何かしらのコネを持っている
3:他者の弱みを握ることに長けている
4:会社に無償提供可能な資産が潤沢にある
5:やる気
6:根気
7:ブリキ
8:タヌキ
9:洗濯機

……なんか途中からいらんもんがあるな。
まあ、いい。
(株)リタントリゾートは周囲に胸を張って誇れるホワイト企業ですよ!!
ちなみに「大リタント温泉」の次は「スパリタント」とか「兎鹿・土豚パーク」とかを建設する予定です。
え? 土地はどうするのかって?
メーレさんから分捕ればいいんじゃね?


拍手ありがとうございます。
このように毎日ろくでもないことばかり妄想しています。





 も 飛 べ る は ず

 半泣きのサニャちゃんが慌てふためきながら訓練場に飛び込んで来たのは、おやつ時を過ぎた頃だった。
 さてはレハトの奴、ちゃっかりおやつだけもらって、勉強が嫌だとかなんとか駄々をこねた挙げ句に逃走したな。レハトの勉強嫌いは筋金入りだし、もう大分慣れたけど困ったもんだ。
 そう思いながら溜め息を溢しかけた俺も、サニャちゃんの次の言葉にさすがに青褪めた。
「グレオニーさん、助けてください!! レハト様ったら、鳥になるとか仰って、シーツを広げて屋上から飛ぼうとしてるんです!!」
「は……はあ!?」
「いやあ、これはまた清々しい程のお馬鹿さんだね」
 今は通り掛かったハイラの揶揄に構ってやっている余裕はない。
 何しろ、あのレハトだ。やるって言ったらやる。やるに決まってる。
 大慌てで駆け付けた屋上ではレハトが今まさに柵を越えんとしているところだった。
「レ、レハト!!」
 片足を柵の上に掛けたまま、ん?、と振り返った隙をついて飛び付き、とにかく屋上の中央まで引き戻す。
 ま、間に合った……。
 止めてなかったら確実に実行してただろ。
 危ないって言う概念はないのか。その前に怖いって観念はどこにいった。この高さから下を見たら、誰でも足が竦むもんだと思うんだけど。
「何やってんだ、おまえは!! 人は鳥にはなれないから!!」
 だから諦めろって意味だったんだけど、じゃあ僕が先駆者になる、と大真面目に切り返されたらどうすれば。
 これが、誰かに挑発されたとか、自棄になったとかならまだしも、本気みたいだから尚更厄介だ。
「俺も子どもの頃やったことあるけど絶対無理だ!!」
「やったんですか、グレオニーさん!?」
「あ、う、うん」
 サニャちゃんの呆れ返った顔に何だか居た堪れなくなる。
 ああいうのって全員通る道じゃないのか? 何かこう、子どもの頃って鳥にもなれるような気がする、よな? 別に鳥に限った話じゃないんだけど。
 困惑する俺に、その時大怪我した?、とレハトが俺を見上げて問う。
「え……足首捻挫しただけで済んだけど」
「グレオニーさん!!」
 しまった。
 レハトが満足そうに笑い、サニャちゃんが眉を吊り上げる。
 こ、ここは嘘でも死にかけたとか言うべき場面だった。それは良く分かる、分かるんだけど、俺はどうしようもないくらい嘘が苦手なんだよ。
 何とかして誤魔化そうと思ったけど、多分無駄だな。
 グレオニーが捻挫で済んだなら僕なら飛べる、と訳の分からない論理を展開されて本当に頭が痛くなって来る。
「あのなあ、危なくないなら俺もサニャちゃんもこんな一生懸命止めないから」
「そうでございますです。痛い程度じゃ絶対に済みませんです!!」
「ここから飛んでも、真っ逆さまに落ちるだけだぞ。お前には羽なんかないだろ?」
 だから代わりにシーツ持って来た!!、と誇らしげに差し出されてもな。
 そのシーツじゃ飛べないから。
 いや、相当風が強ければ飛ぶって言うか、浮けるには浮けるとは思うけど、それもほんの一瞬のことで、きっとすぐにそのまま下に。
「シーツは羽の代わりにはならないから!! 本当に死ぬぞ!?」
 シーツなんかで空が飛べるなら、今頃色んな人が空飛んでるだろ。移動するにしたって地上を足で歩くより、飛んだ方が絶対早いに決まってる。
 そうじゃないってことが何を意味しているかをもうちょっと真剣に考え欲しいけど、子ども、だしなあ。難しいことは分からないか。と、一瞬思ったけど、いくら田舎育ちとは言え、さすがに来年成人を控えてる年なら分かるだろ、普通。
 俺もサニャちゃんもこんなに必死だって言うのに、一体何をどう聞いてるのか、寵愛者は頑丈だから大丈夫!!、といらん自信に満ち溢れた弟分は方向性の間違った返事を寄越す。
「寵愛者は確かに普通より頑丈だけど、限度ってもんがある!!」
 大体、子どもの頃飛んでみたと言っても俺は自宅のニ階からで、城の屋上みたいな洒落にならない高さじゃない。
 これがニ階程度だったら、じゃあやってみろ、で飛ばせてちょっと痛い思いさせて無理だって事を実感させ――て、終わる話じゃないんだった、レハトの場合。高さが足りなかったんだとか何とか言って、結局屋上で今と同じ状況に陥る予感しかしない。
「大体、なんで突然鳥になろうなんて思ったんだよ」
 じゃあグレオニーは何で子どもの頃鳥になろうと思ったの?、とそっくりそのまま質問を返されてぐっと押し黙る。
 何でって聞かれても、なれるような気がしたからとしか言いようがない。そんなの子どもなんだからちょっと突拍子もない発想したって――とか言い訳をすると、完全に分が悪くなるな、うん。
 なんでなんでねえなんで?、と何度も尋ねるレハトの目にはからかっている様子なんて全く無くて、むしろ子どもらしく澄んでいる。
 ああ、この純粋さがもっと別方向に働けばいいのに、なんでこう、体を張る方向にしかいかないんだ。
「と、とにかく、人間は鳥にはなれません。もう諦めろ、な?」
 諭すように優しく言ってもレハトは首を縦には振らない。
 寵愛者ならいけると思う、と力強く拳を握ったかと思うと、シーツを手に走り出そうとする。
 子どもは好奇心の塊って言うけど、本当だよな。俺も昔はこんなだったのか? 何となくちゃんと親孝行しないといけない気持ちになった。もう少しまめに近況報告くらいするか。
「こら、レハト!! サニャちゃん、レハトからシーツ奪って!! 多少手荒でも良いから!!」
「は、はい!!」
 サニャちゃんがシーツに飛び付き、俺がそれをがっちり握り締めるレハトの手を無理やり抉じ開ける。
 さすがに大人の力に子どもが叶うはずも無く、シーツはものの数分でレハトの手からサニャちゃんの手へと渡った。取り上げたシーツを勢い良くまるめたサニャちゃんが、しっかりそれを腕に抱える。
 とりあえず今日のところはこれで収まるかな。後は、このままレハトを部屋に放り込めれば、ローニカさんがしっかり監視してくれるはず。レハトの興味が別のところにいかない限り、明日以降も同じ展開が待ってる気がするけど、それは明日また考えるってことで。
 俺に捕まったまま、じゃあ何にだったらなれるの?、とレハトは頬を膨らませた。
「な、何にって……」
 人間って人間以外になれない、よな?
 それとも俺が知らないだけど、寵愛者なら別の生き物になれるとか?
 あ、それはないよな、うん。
 えーと、レハトがなれるもので、レハトが納得しそうなもの――駄目だ。何も思い付かない。そもそもそんなものあるのか?
 悩む俺に、じゃあ人魚とかはー?、とレハトが聞く。
 人魚ってあれだよな、上半身が人間で下半身が魚みたいな。あれって、分類すると人なのか? 魚? 何にせよ、一応、半分は人間か。 
「まあ、鳥よりはまだしも現実味があるかもなあ……」
 どうやってなるのかは知らないけど。
 人魚が大丈夫なら半魚人も大丈夫だね!!、とレハトは嬉しそうに笑う。
 半魚人ってのは、人魚と逆なんだよな。上半身魚で下半身って言うか、足が人間のやつ。
 うーん、人間っぽさは大分減るけど、人間の部分が残ってるとは言えば残ってるか。
「相当大変だと思うけど、頑張れば……」
「どっちもなれないでございますです!!」
 まとめてサニャちゃんに怒られた。

[ 完 ]