「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
さて、供養していこうか。
2013年12月23日 (月) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! 反逆者ED(+グレオニー愛情ルート+ヴァイル友情ルート)前提 !!

衛士祭没案 その1の1
流血とかはないけど、読んでて楽しい話ではないと思います。


没事由
1:提出出来る状態じゃなかった(=未完成)
2:祭にこれはどないやねん
3:そもそも衛士の出番どこや(゜-゜)

「3」が最も大きなウエイトを占めています。
もはや、衛士ってなに?というレベルの出番の無さ。
衛士祭って単語を100回書き取りしてから考えろってレベルの出番の無さ。
衛士って言葉をggrksって言われても仕方ないレベルの出番の無さ。
(1)に至っては名前しか出て来ないよ!!
参ったね、こりゃ★
代わりに別の人が思い切りログインしてるけどな。
こういう時、お役立ちだよね、テエロさん……。


サンタさん、クリスマスプレゼントはグレオニーでいいです。


拍手ありがとうございます。
ラジアントヒストリア、コンプ完了です。





 夜  (1)

 お城に好きな人がいました。
 初めて好きになった人でした。
 呼び出しには応じてくれた。
 でもただそれだけで。
 決死の覚悟で想いを伝え、何だか酷く曖昧な返事を貰って途方に暮れてからどのくらい経ったのか。
 格子の嵌った小さな窓を見上げながら足を動かすと、足首の鉄輪から伸びた鎖が、いつの間にか聞き慣れてしまった音を響かせる。
 最初こそ私を歓待し、父親らしく振舞っていたメーレだったが、私が王位を望まないことを知るや態度は一変した。言うなりにならない人形は不要と言うことなのだろう。別邸と言う名の牢屋に閉じ込められて以来、誰一人ここへは近付いて来ない。話し相手と言えば、身の回りの世話要員として置かれている目の不自由な老婆一人だ。別邸前には腕の立つ男たちが見張りに立っているが、私が彼らと接触することは無かった。
 これは自分で撒いた種だからどうでも良い。私に誰かを恨む権利など無い。
 けれど、私の出奔に端を発する出来事は話は別だ。ヴァイルと対立することも、そのために私でもヴァイルでもない誰かが血を流すことも、私は一度として望んだことは無かった。
 新しき王はヴァイルで良い。例え未だ城にいたとしても、私は王位は望まなかっただろう。望む理由がないのだから。
 本当は父と名乗った男が実父ではないことくらい最初から気付いていた。それでも一縷の望みを込めて縋ったのは、何かひとつ父と呼べる人間との思い出が欲しかったのかもしれない。ただの愚かな子どもの下らない我儘と今なら分かるが。
 こうしてメーレの元に囲われ、ほぼ軟禁状態になってから思い起こすことと言えばグレオニーのことばかりだった。彼は今どうしているだろう。怪我などしてないだろうか。いや、それ以前にまだ無事でいるだろうか。気の優しい彼が、有事とは言え簡単に人を殺せるとはとても思えない。
 どうすれば、この戦いを終わらせることが出来るだろう。
 だが、現状満足に一人で行動すら出来ない私には成す術はない。日々をただ無意味に過ごすだけだ。
 誰かが誰かを護るために命懸けで戦っているかもしれない時に。
「こんなところにいるとは。メーレ本邸をいくら探っても見付からないわけだ」
 不意に響いた男の声には聞き覚えがあった。城にいた頃、何度か彼の世話になったことがある。
 ヴァイル付きの医師、テエロ。
 だが、なぜ医師であるはずの彼がここに。いや、それ以前にどうやってここへ。
 疑問と共に振り返った瞬間、彼の手が私の首に回った。
「ヴァイル様のために死んで頂きます」
 テエロの腕のしなやかな動きと、人を人とも思わない目に本気を知る。
 殺されるのは構わないが、人の命を何だと思っているのか。もっと有効活用してくれなければ困る。
 何もかもそのままで、目線だけテエロに合わせ口を開く。
 殺しても構わない。抵抗もしない。ただいくつか頼みがある。そちらにも悪くは無い話のはずだ。
「……まあ聞くだけ聞きましょう。遺言だと思って」
 テエロは私の首に手を回し、静かに敵意を向けたままだったが、その手にすぐに力が込められることは無かった。
 その事に幾分安堵しつつ、これまで考え抜いた、この戦争を終結させる最善の手段を提案する。恐らくテエロになら出来るはずだ。テエロが何者かなど私は知らない。けれど、メーレ一派でさえ一部を除いて知らされていない私の所在を突き止め、誰にも気付かれることなく侵入して見せたテエロになら、きっと。
 テエロに全てを賭け、私は口を動かした。
 今すぐ私をメーレ側に気付かれずにヴァイルのところへ連れて行って。
「何を仰っているのか分かりかねます。貴方のような危険因子をヴァイル様に近付けられるとでも?」
 勿論、私を拘束した上で、だ。ヴァイルの周囲は腕の立つ衛士で固めてもらって構わない。むしろ持てるだけの兵力でヴァイルを護って欲しい。
 私の作戦にはヴァイルの生存が何より不可欠なのだ。
 万が一ヴァイルに何かあっては困る。彼にはこの作戦の最後で国を一つにしてもらわなければならない。
「何を狙っているんですか」
 私の処刑だ。
 話の着地点が見えないのか、声に不快さを滲ませるなテエロにはっきりとそう口にすると、彼は珍しく表情を崩した。
 それに少しだけ笑う。
 まさか彼がここまで驚くとは。意外な一面、とでも言えばいいのだろうか。私が何を言い出そうと眉一つ動かさないと思っていたのに。
「……今、なんと?」
 私を公開処刑して欲しい。
 私が、ヴァイルの手で、確実に死んだことを世に知らしめて欲しい。
 それも可能な限り観客を集めて。
 何しろ、見守る人は多ければ多いほど良いのだ。その場にいた全員が、証人になるのだから。リタントの真正なる王の手により、反逆者は倒れたと。
「私にそれを信じろと?」
 その問いには答えなかった。
 これ以上私が何を言おうが、彼の心は動かせない。私を信じるか、それとも信じないか。テエロは私の話になど選択を委ねはしない。後はテエロが決めればいい。
 もしテエロがこのまま私を殺したとしたら、それは私にテエロを説得するだけの交渉力が無かっただけのことだ。どちらにせよ、第二の寵愛者と言う切り札がメーレの手から消えることに変わりはない。変わるとすれば、戦いの終結が早いか遅いかだけだろう。
「……確かに、貴方にはまだ利用価値がある。分かりました、その話に乗りましょう。但し、一瞬でもヴァイル様に逆らう様子を見せたその時は」
 如何様にしてくれても構わない。
 結局、私を待ち受けている運命は死のみなのだ。今更逃げも隠れもしない。
 テエロの手がゆっくりと私の首から離れ、私の体からも力が抜ける。自分で思っていたより緊張していたらしく、私はふらつく足で何とか寝台の端に腰を下ろした。
「今は不味いので、後日また伺います。全てはその時に」
 さっさと去ろうとするテエロへ懸命に腕を伸ばし、何とか服の端を掴んだ。
 私はいくつか頼みがあるといった。まだひとつしか頼んでいないのに、勝手に話をまとめてられては困る。
「何ですか」
 グレオニーは、無事だろうか。
 王城のただの衛士のことなど、テエロは把握していないかもしれない。恐らくはヴァイルですら把握していないだろう。でも、それならそれで良かった。
「……彼ならまだ生きていますよ。死ぬような大怪我もしていない」
 テエロがグレオニーを知っていたことに驚いたのは一瞬で、すぐに私を安堵が包み込む。
 それなら良かった。
 本当に良かった。

[ 続く ]