「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
謝罪会見会場
2013年08月21日 (水) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verAED前提 !!

わたしはどこにむかってあやまればいいのか。
全体的に暗めです。
流血沙汰じゃないことだけは保証します。
あと、架空の人物が登場します。


愛情EDとはなんだったのか(棒

元々は王子が主役(?)のはずだったんですが、王子の口調とか私自身の語彙の足りなさに唸ってる間にさくっとグレオニーに乗っ取られました。
乗っ取りって怖いねー。
さすがに出番を全部奪ってしまうのも気が引けたので微かに残してみました。
だからって、酷い残し方だねそうだね。
王子党に向かって下座っておく。
でも理由としては最善な気がしたんだ。
気がした以上、仕方ないじゃないか。
(゜-゜)<だってしょうがないじゃないか。
ちなみに王子verの時は架空の人物は登場しませんでした。
いやほら王子ですから。
ね? ね?
べ、別に王子に甲斐性がないとかそういうことを言ってるじゃないよホントホントこれホント信じて!!

しかし、グレオニーのSSって久しぶりだなー、と思って遡ってみたら、2013年5月4日に殺害したのが直近で、愛情ED前提は2012年11月26日だったでござる。
……グレオニー党、グレオニー党だよ、ここ!!

あと、最近グレオニーさん(19)が、レハト様にいやらしいことをしたいとやけに主張してきてうざいです。
おまえはちょっとだまれ。
というか、おまえには100年早いわ。

拍手ありがとうございます。
暑くて足元が大分溶けてきました。





 と 雨

 朝目が覚めて、普段通りに支度を整えて。
 食卓に用意された朝食の数で、彼女はもういないのだと、もう会えないのだと、俺たちを残して一足先に旅立ってしまったのだと、そんな彼女のいない現実に漸く気付く。
 それが毎日繰り返し繰り返し少しずつ積み重なって、彼女のいない世界にも大分慣れた――と思う。
 葬儀の日のことは、正直良く覚えていない。
 陛下のご厚意で内輪のものにして頂けたから、陛下と、俺と彼女の友人や知人が来ていた。その中にあの方の顔があった気がするけど、あの日は靄がかかったように視界が霞んでいたから、幻だったのかもしれない。
 ただ、自分の手を握る、俺よりずっと小さな手が温かかった。
 それしか思い出せない。
 篭り前に酷く体調を崩した彼女は、多少は良くなったものの、成人後もお世辞にも頑健とは言えなかった。
 その理由を俺は詳しくは知らない。散々噂が流れたから、何となく誰が関わっていたのかは耳にしていたけど、彼女がその件について語ることは一度もなかった。彼女が言わないなら、と聞かないまま来たけど、最近は聞いておけば良かったかもしれないと時々思う。
 彼女の死を誰かのせいにして、誰かを恨めたら。
 今、もう少し楽に呼吸が出来たのだろうか。
 でもやっぱり知らずにいる今が正解なんだろうな。
 彼女は、グレオニーのまっすぐなところが好き、といつも言ってくれた。
 そんな彼女だから、誰かを自分勝手に憎んで歪んだまま俺が生きることは望まなかったと思う。
 ぼんやりと立ち尽くしていると腕の中の温かな重みが、んー、と少し唸った。
 彼女が俺に残してくれた宝物――二人の大切な一人息子だ。
 子どもが欲しい、と彼女が言い出した時にはさすがに困ったことを思い出す。彼女の体調や体力を鑑み、誰もが諦めるよう諭したけど、彼女は、どうしても欲しい、絶対に大丈夫だから、と言い張り頑として譲らなかった。
 結局、俺が折れる形で彼女の願いは叶い、子どもを身籠り――いや、彼女のせいにしているだけで、本当は彼女を求める自分自身に勝てなかっただけな気もする。
 ともあれ、周囲の心配をよそに彼女は無事子どもを産み、母となり、それから約三年。不思議と体調不良はすっかり成りを潜め、恐らく誰も予想しなかった程平穏無事な日々が続いた。
 思えば、あの穏やかで安らぎに満ちた日々はアネキウス様の温情だったのかもしれない。
 初めての子育てに随分手間取り苦労もしたけど、そこにはいつも彼女と息子の笑顔があって、本当に本当に夢かと思うほど毎日が幸せで。
 だから彼女が急に体調を崩した時も、大したことはないと、いつの間にか肌に染み込んだその幸福に酔って楽観視していた。
 この幸せが壊れるはずがない、と。
 彼女が作った夕暮れ時の家族揃っての散歩の習慣は、息子と二人きりになった今もこうして変わらずに続けていた。
 子どもを抱いて、彼女の手を引いて。
 ふと、今は握る相手のいない、握り返される手がない手に侘しさが絡み付く。
「とーさま。かーさまは?」
「ん? ああ、母様はお星さまになったんだよ」
「おほしさま? どれ?」
「どれだろうな……」
「んー……あれ?」
 いちばんきらきら、と嬉しげに指差した先に、広がり始めた薄闇で一際輝く星がある。
 寵愛者は星になり、決して還らない。
 それなら彼女はああして昨日も今日もこれからも、届かない手に焦れながら俺たちを見守っているんだろうか。
「そうだな、母様は綺麗だったからあれかもしれないな」
「ねー」
「さて、そろそろ戻るか。風邪でも引いたら大変だ」
 頷いた息子は丸い頬を俺の肩に預けた。
 この子が大人になった時、多分彼女のことは覚えてないと思う。でもそれが当然だ。そのために俺が側にいる。
 この子が淋しい思いをしないよう、出来るだけ彼女の話をしよう。
 俺の思い出が、少しでもこの子の思い出になれば良い。
 どこで覚えたのか、息子の小さな唇が紡ぐ音程の不安定な歌を聞きながら、ふとさっきの星を振り返る。
 あの遥か彼方で瞬く星に手が届けば良いのに、なんて願ったのは子どもの時以来かもしれない。
 俺の側にはいつも息子がいる。一人じゃない。
 でもやっぱり彼女がいない毎日は淋しくて、物足りなくて。
 だからレハト。
 もう一度だけでも、会えないかな。

[ 完 ]