「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
SSなのかそうでないのか。
2009年08月30日 (日) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! トッズ憎悪verA前提 !!

レハトは成人の儀で女を選んでます。
一人称は「私」、王位は継いでいません。
レハトさん、おめでたです。
少しレハトの台詞っぽい部分があるので、苦手な方は回避してください。
読んでる途中で具合が悪くなった場合は即座に右上の×ボタンを押してください。
その後、かもかて二次創作サイト・ブログ様の素敵SSを用法・用量を守って服用すれば治ります。


くそう、モルめ…!!
やはりそうか!
おまえと愛しのタナッセ姫との間には何らかのフラグが立っていたのだな!!
常々怪しいとは思ってたんだ!!
時間には勝てねえ、勝てねえよおおおおおお!!!!1!!

※現在、脳内がタナッセ姫に侵食されております。
  2、3日中に通常モードに移行出来るかと。
  というか移行したい。する。するぜ、俺は。

タイトルと全く関係ない話題でスタートする羽目に追い遣られましたが、SSもどきをこっそり続きに隠してみました。
わし、どこへ行こうとしとるんじゃろ……。

左足が全力で攣っているのですが、グレオニーの私に対する憎悪がMAXなんですかね。
グレオニー最愛のくせに、二次創作じゃなぜかトッズ・タナッセが出張ってるから。







 福 の 枷

 城内が酷くざわついている。
 それもそのはず、配偶者はおろか、婚約者も恋人も居ないと目されていた私に子が出来たのだから。
 会う人会う人がそれとなく水を向けてくる。
 子どもの父親は一体誰か。
 もしそれが彼らにとって取るに足らない人間だったら、きっと彼もこの子も奪うつもりなのだろう。
 だからそのたびに私はこう言うのだ。
 少し首を傾げ、困ったように微笑みながら。

 ――心当たりはないのです。
 ――独り身の私を哀れんだ神が授けてくださったのでしょうね。

*       *       *

 私の腹に宿った子の父親が誰であるか。
 それを知るのは私と、その父親だけでいい。否、他の誰も知らないほうがいいのだ。知られては困る。知られたらきっと、この子は厭まれ蔑まれ、生れ落ちても悪意の針の筵で朽ちていくだけ。
 だからこれは秘密だ。彼と私だけの。
 私は、ほっと息を吐いた。
 リリアノは既に神の国へと召され、ローニカは私の元を去っている。彼が再び私の目の前に現れることはないはずだ。不謹慎とは知りながら、つくづくこの二人がいなくて良かったと思う。
 リリアノは私がトッズの命を助けた理由に気付いている。勿論ローニカも。
 父親の正体に気付く可能性があるとすれば、あの二人以外にはない。
 私は少し膨らんだ腹をそっと撫でた。
 部屋へとおずおずと流れ込んできた柔らかく暖かな風が私の髪を揺らし、それと共に人の気配が一つ増える。
「いやー、レハトも嘘が上手になったよね。まさか神の子だなんて言うとは」
 傍らに立ったトッズが皮肉めいた口調で呟く。
 私は曖昧な笑みを浮かべながらそっと彼を見上げた。
 分かっていたこととは言え、彼の目に宿る感情の中に、ただ一つ愛だけがないのを確認し目を逸らす。
 そう、トッズこそが子どもの父親だ。私が関係を結んだ相手がトッズしかいない以上、必然的にそうなる。だが私はある意味で本当に子どもは神の子だと思っていた。
 私は泣こうが喚こうがトッズの愛はもう得られない。
 それを辛いと思う権利も、悲しいと思う権利も、自らの手で放棄してしまった。ほんの僅かな時間、トッズ以外の人へと浮遊してしまった己の心のせいで。
 たぶんこの先一生トッズが私を許すことはないだろう。
 それは解っていた。解っていても、寂しさは拭えない。四方を隙間なく埋め尽くす、やり場のない寂しさに窒息してしまいそうだった。
 そんな私を見かねた神がこの子を下さったのだ。
 この子は神の慈悲だ。
「その子が俺にそっくりだったらどうする気なんだろうねー、レハトは」
 私は思わず首を傾げていた。
 トッズに瓜二つだったとして何か問題があるだろうか。何一つとして問題はない。私にとっても、周囲にとっても。何しろ、トッズは私の護衛を任ぜられているものの表舞台には全く姿を現さない。その存在をしかと認識しているのは、この城ではいまや私だけだ。王となったヴァイルでさえ、形式的に引き継いでいるだけで顔は知らない。
 だからトッズに似ていても誰も気付かないだろう。
 トッズの手が私の腹へ伸びる。一瞬怯えるように震え、身構えた私を見逃すはずもなく、トッズは薄く笑う。
「やだなー、殺したりしないって」
 彼なら簡単に出来る。それを私は知っている。
 どんな薬だってトッズならば入手可能だろう。
 トッズの手が子を宿す腹を撫でる。慈しみも愛しさもない、暗く澱んだ目で。
「子どもが生まれたら、レハトは今より俺から逃げられなくなるよ? そこんとこよく解ってる?」
 僅かながら不可思議な笑みを含んだ声が問う。
 そんなことは百も承知だ。
 私自身がそう生きることを決めた、選んだ、望んだ。例え彼が私に向けるものが憎悪だけであっても、私は永遠に命が尽きる時まで彼に愛を捧げ続けると。
 静かに頷くと、トッズが低く笑う。
「相変わらず馬鹿だね、おまえさん……俺もだけど」
 最後に落とされた呟きにいつもとは違う感情が過ぎったのを察し、顔を上げたが、私を見下ろすのは変わらぬ目をしたトッズだった。
 先程の呟きは私の気のせいだったのだろうか。
 思考に耽ろうとした私にトッズはさっさと背を向ける。呼び止める間もなかった。
 残されたのは私一人――いや、私とこの子だけ。
 父を父と呼べない境遇にしか産めないことを詫びながら、私はまた腹を撫でた。

[ 完 ]

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