「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
カビ祭参加者募集終了後に降ってきたネタ放出
2013年04月20日 (土) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! トッズ憎悪verA前提 !!

レハト様:女(属性:天然脳筋)
全 力 で ネ タ
やけに横文字が出て来るので、苦手な方はご注意下さい。
※協賛:グーグル先生


自分でも全く知らない間に気付いたら初心に帰っていました。
恐るべし、トッズ憎悪verAの吸引力……!!
ダイソ○並の吸引力!!

まあ、憎悪verAなのでね。
例えこれがカビ祭の参加者募集締め切り前に降っていたとしても参加は出来なかったよね。
締め切り後に落としたのはせめてものトッズの優し……




ちょっと待て。
優しさがあるならそもそも他党員である私のところにネタなど寄越さないだろう。
しかも憎悪Aとか。
うっかり騙されるところだった。

色々ファイルを漁ってみたら、何とか使えそうなネタがいくつかあったのでそのうち完成させようと思います。
ヴァイル憎悪絡みのトッズネタもないことはないんですが、流れ的にやっぱり収拾付かないorz
そういうのは、トッズ党員さんにお任せします。
他党員がでしゃばるとこじゃないのでね!
おお、なんと聡明な判断力!!


拍手ありがとうございます。
こんな感じでがんばります。





 筋 縄 で は い か な い

 篭りが明けるとほぼ同時に、私は今度は図書室に篭りきりになった。
 どうしても調べたいことがあったのだ。そのためには様々な文献を漁る必要があり、結果私は一日の大半を図書室に詰めて過ごすことになったのだが、それももう終わりだ。
「レハト様……やりましたね」
 達成感に満ちた眼差しを向けてくるモゼーラに、私もまた満面の笑みで応じる。
 非番のモゼーラにも随分と迷惑をかけたが、これで全て終わった。いや、これは始まりに過ぎないが、準備が整ったのは良いことだ。
 見事最後までやり遂げた同士を称えあう握手を交わし、私は急いた気持ちを隠せない足取りで部屋へと戻った。
 今日までの努力の全てを記し終えた紙を手に露台へと移動し、外に広がる爽やかな空気を胸一杯に吸い込みながら、大きく伸びをする。
 大仕事を終えたせいかひどく気持ちが晴れやかだ。
 ふと眼下で仄かに揺れる花に気を留めていると、音もなく隣に気配が増えた。
 誰何はしない。せずとも誰だかすぐに分かるのだから、したところで意味がないではないか。
「あれー、レハト様ってば、いいのかなあ、一人でいても」
 目を眇めて見せたのは案の定トッズだ。
 呼び出そうと思っていたが手が省けて助かる。
 私は微笑みと共にトッズの手を引き、彼を室内へと引き入れた。トッズは抵抗しない。見慣れてしまった妙な笑みを口元に張り付かせたまま、大人しく手を引かれている。
 トッズも色々と考えることがあるのだろう。私とてそうだ。
 向かい合ったトッズの目を見つめ、私を愛しているか、と問うとトッズは咽喉の奥で低く笑った。
「勿論愛してますよ、俺はね。でもレハトが愛してるのは俺じゃないでしょ? あのじじいでしょ?」
 トッズの焼き餅にも呆れたものだ。毎度毎度同じことしか言わないのだから。焼き餅を焼くほど私のことを想ってくれていると思えばそれも愛しいが、そろそろその話は聞き飽きた。
 第一、私がローニカを愛して何が悪いと言うのか。
 彼は云わば私の父親のような存在だ。村から城への道中も、城での生活も、陰日向で支えてくれたのはローニカに他ならない。様々な礼節を根気良く指導してくれたのもローニカだ。
 そのローニカをどうして憎めようか。
 首を傾げる私に、トッズは少しだけ口元を歪めた。
「あーあーあー、なるほどねー。そうやって下らない言い訳を並べて、この俺を騙そうって魂胆ってことね。でも残念でした。踏んだ場数が違いすぎる。俺には通用しないよ」
 トッズが何を言っているのか、何を言わんとしているのかさっぱり分からない。
 まあ、でもいいのだ。今はそんなことを言っている場合ではない。トッズの話に付き合ってあげたいのは山々だが、私はトッズにやってもらいたいことがある。
 不意打ちでトッズの腕を思い切り引き、トッズが体勢を崩したのをこれ幸いと床に押し倒した。
 女とは言え、身長も伸びたし、その分子ども時代より体重もいくらか増えている。それを申し訳ないと思いつつ、私は目を丸くしたまま仰向けに転がるトッズの腹に馬乗りになった。
「……レハトってば大胆だなあ。ま、そういうつもりなら期待に答えなくもないけど」
 言葉と同時にスカートの裾から中へと侵入しようとした手を思い切り引っ叩いて動きを牽制する。若干怯んだところを捕まえて、頭の後ろで手を組ませた。
「一体何をさせようって言うんですかね、愛すべきレハト様は」
 揶揄する口調のトッズの鼻先に私は手にしていた紙を突き付けた。
 眉を潜めるトッズに、いいから何も言わずに読んでみるよう促す。
「えーと、プッシュアップ、クランチ、バック・アーチ、ロールスクワット、ワンレッグ・カーフレイズ……え、なになに、これどういうこと?」
 ローニカが私にとって父親同然であるように、ローニカにとって私は息子も同然だ。ならばトッズがいくら誠心誠意、言葉を尽くしてローニカに頼み込んだところで、そう易々とは私との関係は認めてくれまい。
 だったら認めさせるように努力するしかないのだ。
「……あー、念のため確認するけど、それって力尽くで奪い取れってこと?」
 その通り。
 私が色々な文献を見て練りに練ったトッズ専用スペシャル筋トレメニューだ。
 これならローニカに勝てる力が身に付くと思う。
「え、ちょ、待った! なんでこういう展開になっ……」
 泡を食って起き上がろうとするトッズの腹に、足先を中に浮かすことで全体重を乗せ、私は数字を数え始めた。
 まずは無難に準備運動をするのが良いだろう。
 はい、上半身起こす!! いーち!!
「い、いーち……って、いやいやいや、ちょっと待って待って。えーとね……レハトが大人になる前、俺、最後に何て言った?」
 愛していると言った。
「あー、うんうん、そうねそうね、言ったね」
 私と同じ気持ちで嬉しかった。
 互いに同じ気持ちを分かち合っているのなら、どんな難解な壁でも越えられるはずだ。
 いや、乗り越えられるに決まっている。乗り越えなければならない。
 それが愛と言うものだ。
「……あらー、前向きー」
 それにローニカだって鬼ではない。
 トッズが然るべき力を手に入れ、私を生涯守っていくに足る男になるのを待っているのだ。期待しているからこそ、トッズには厳しく接しているに違いない。
 トッズは男として一日でも早くそれに答えるべきだ。
 だから、はい! にー!!
「にー……って、逆に俺の寿命縮まらない、これ!? というかね、そもそもあの日言ったのは……」
 無駄口は叩かない!!
 集中!!
「は、はい!!」
 さーん!! しー!!
「さーん、しー……あのさ、レハト。これから毎日このメニューを順番にこなすの?」
 まさか。
 私が驚くと、トッズは少しだけ表情を緩めた。
「だよねー。いやあ、このトッズさんともあろう者が、一瞬本気で逃げようかと」
 順番ではなくこれが一日分のメニューだ。
 順番になんてやっていたらローニカの許しが出るまでどれだけかかることか。本来は一日十セットくらいしなければ足りないと思うが、トッズも多忙だからとりあえず五セットを目標にするのが良いだろう。今は辛いと思うが二人の明るい未来のために堪えて欲しい。
 はい、ごー!!
「ご、ごー…………五セットって、レハト、それ本気で言っ……てるよね、その顔は」
 本気も本気、大真面目だ。
 トッズの頑張りに全て掛かっているという自覚を持って、真摯に取り組んで欲しい。
 はい、ろーく!!
「ろーく……どうしよう、ちょっと本気で逃げたいかも」
 何か言っただろうか?
 今は口よりも体を動かして欲しいのだが。
 はい、しーち!! はーち!!
「し……しーち……」
 トッズ、遅い!!
 私の掛け声に合わせてもっと軽快に!!
「そうは言われましても、気分的に全然軽快じゃないと言うか、想定外過ぎて混乱してると言うか」
 きゅー!! じゅー!!
「きゅー……じゅー……レハト、トッズさん、どう考えてもこれはおかしいと思うわけよ。何て言うかね、俺が思い描いてた図とは違うって言うか。俺としては、二人の関係はもっと」
 トッズが違和感を感じているのは分かったから、とりあえず黙って欲しい。話はこれが終わってから聞く。それまで無駄な体力を削るだけのお喋りは禁止だ。
 さあ、続けて!!

 こうして一日が終了した。

[ 完 ]