「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
あ、れ……?
2012年02月03日 (金) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー憎悪ED前提 !!
レハト様のスペック→性別:女、一人称:私、職業:王
「重なる剣」で負傷済
※注意※ 一部、ゲームに登場する台詞を使用しております。未プレイの方はご注意下さい。


これが世に言う、

逆支援か。

トッズ、ヴァイルに加え、とうとうグレオニーでやっちまったらもう、憎悪党と言われても反論できないよね。
うん、出来ない。
もう反論しないよ……_ノ乙(、ン、)_

いやそれはまあ今はさておき。
トッズ戦って今日からだったのね。
明日からだと思ってたorz
って、何大事な一線の時に平気な顔で逆支援とかしちゃってるの、私!?
そして、いつの間にやらカビヒゲ商人が1位の座でカビカビしている。


というわけで、拍手のお返事は更に次回にさせて下さいorz
拍手ありがとうございます。
前回のアレは何となく受け入れられたようで安心しました。





 克

 ――ひどい噂になると、今のあいつの居場所は湖の底だなんてものもあるんです。

 偶さかの余暇に、気まぐれに足を向けた訓練場で彼の友人の衛士が私に告げた言葉だ。
 本当にひどい噂だと思う。
 グレオニーの居場所が湖の底?
 馬鹿馬鹿しい。
 手の中の鍵が小さな音を立てる。
 本当に何も分かってない。端から分からせる気もなかったからどうでもいいが。
 私の部屋に隣接する部屋の扉に鍵を差し込む。リリアノの時代にはなかったものだ。王位に就くと同時に急ぎ作らせたこの部屋の扉は、私の寝室にしか繋がっていない。そして鍵を持つのは私一人。
 つまり、出入り出来るのは私だけだ。
 部屋の存在自体は改築に携わった職人たちが知っているだろうが、使用用途までは知るまい。
 扉を開けると、窓辺に佇み、格子の向こうの空を眺めていた人影がゆっくりとこちらを向いた。
「レハト様」
 後ろ手に扉を閉め、私より頭一つ分程背の高い男に近付くと、そっとその体に腕を回した。
 グレオニー・サリダ=ルクエス。元衛士。彼は湖の底になどいない。こうして誰よりも私の傍にいる。湖になど勿体無くてくれてやれない。
 確かな鼓動を感じながら耳にしたばかりの噂を囁いてやると、グレオニーが溜息を漏らした。
「まあ、最悪はそう考えるのが普通でしょうね。俺だってそうです。まさかこういう展開になるとは思ってもみなかった。せめてこれは外してもらえませんか?」
 彼が足を動かすと、じゃらりと重い鉄の鎖が音を響かせる。彼をこの部屋に繋ぎ止めるとても大事なものだ。
 グレオニーに身を寄せたまま、緩く頭を振って彼の願いを拒むと、彼の零した息が私の髪を少しだけ揺らした。
 外せば逃げる。それが分かっていて、それでも自由を与えるほど愚かにはなれない。だってグレオニーにはここにいてもらわなければ困る。
「逃げませんよ、俺は」
 それを何が、誰が証明出来る?
 目に見えないものを私は信じない。
「……どうして俺なんですか。俺はあなたを殺そうとした男です」
 だからだ。己が手が汚れることも厭わず私を亡き者にしようとしたのはグレオニーただ一人だけだ。だからこそこうして秘密裏に囲った。
 私は愛なんて流動的で不確かなものは信じない。
 故郷の村の村長だって母がいた頃は可愛がってくれていたが、母が亡くなり、私の額の選定印を確認するなり、いとも簡単に私を城へ追い遣った。顔も知らぬ父も同じだ。私たち母子を探そうとはしなかった。母へかけられた愛など所詮その程度だったということだ。
 だから私は愛なんて必要としないし、信じない。
 けれど憎しみは違う。拭っても拭ってもそれからは逃げられない。
 グレオニー、今のあなたのように。
「偶に、死んだ方がマシなんじゃないかと思いますよ。あなたに飼われ続けるくらいなら」
 こちらを見るグレオニーの目は暗いが、まだ輝きは失っていない。
 私は小さく肩を竦めて見せた。
 どうしてもと言うなら私は止めない。グレオニーの心まで支配出来ないことくらい理解している。
 ただ、とそこで言葉を区切ると訝しげにグレオニーが眉根を寄せた。
「ただ?」
 先を促す声に悠然と微笑み返し、私はグレオニーの手を取った。彼の目の中の私を見上げる。それからゆっくりと言い聞かせるように言葉を紡ぐ。
 ただ、故郷の家族がどうなるか覚悟を決めてからにすると良い。
 思いがけない解答だったのか、グレオニーが大きく目を見張った。
「あなたは何を……ご自分が何を仰ってるのか解っているんですか!?」
 勿論だ。私にはそうするだけの力がある。名もない田舎の衛士一族に汚名を着せて消すなど容易い。糾弾する者もまずいないだろう。否、糾弾を許すようなへまはしない。
 むしろ感謝して欲しいくらいだ。私に手を掛けた時点で連座としなかったことを。
「……なるほど、俺はあなたのものでいるしかないみたいですね」
 最初からそう言っているのに。
 不自由以外の不自由はさせないと。衣食住、私が全て請け負うと。
 不意にグレオニーの手が私の頬に触れた。
「俺は男です。今ここでこのままあなたを犯すことも出来る。そうされてもあなたは文句は言えないし、俺が本気を出したら決して逃げられない。そうですよね」
 半ば脅すような口調と共にグレオニーの手が私の胸元に触れ、私は弾かれたように笑い声を漏らした。
 そうしたければそうすればいい。私は逃げも隠れもしないし、誰に助けも求めない。後日問責することもない。でもこれだけは言っておく。どれだけ憎しみに溺れようと、あなたには出来ない。賭けても良い。
 あなたがグレオニー・サリダ=ルクエスであり続けようとする限り、絶対に。
「……っ」
 突き付けた言葉にグレオニーは息を呑み、それから悔しげに小さく低く呻いた。
 彼が彼らしくあろうとするのは恐らく最後の矜持。
 それを失うほどに追い詰めてやる気はない。それでは困るのだ。
 私は回していた腕を解き、爪先立つとほんの一瞬だけグレオニーの唇に唇を重ねた。そして、グレオニーが私に向ける刃にも似た視線に心地良さを感じながら、一度も振り返ることなく部屋を後にする。
 真綿でくるむように大切にしてあげる。
 だから最期まで私を憎んでみせて。
 最期まで私を楽しませて。
 そうして私を愛して。

[ 完 ]

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