「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
【急募】本家でトッズ祭開催中【超強力カビキラー】
2011年10月27日 (木) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! トッズ愛情verB前提 !!

レハト:王×
架空の貴族発生
架空の使用人大量発生
うちにしては珍しい愛情ED派生


カビヒゲが帰ってくれませんorz

というわけで、駆け落ち途中のグレオニーを差し置いて、不法侵入した挙句テントまで張って帰る気の微塵も感じられないトッズさんの出番ですよ。よよよ。
飯盒で飯炊いてんじゃねーぞ!!
おい、衛士ども!
叩き出しちまいな!!
おまえらの本気、見せてみろや!!

と思ってたら、今度は見下した目付き(偏見)でこちらを見てくる王子が。
とりあえず王子が手放した(もしくは投げ付けられて受け止め損ねた、あるいは顔面を強打した)本、拾っておきますね。
きっといやらしい本に違いないから。
俺、これで王子を恐喝するんだ……げへへ……。





 愛 さ 余 っ て 愛 し さ 百 倍

 成人後、儀式やら何やらが一段楽した頃、レハトは片田舎のそう広くはない領地へと住まいを移した。
 と同時にじじいが引退。
 つまり俺の天下。
 いやあ、気長に待ってみるもんだね。やっぱり日頃の行いが良いと良いことがあるもんだ。うんうん。
 ただ一口に俺の天下と言っても、レハトとただイチャイチャしてるだけにはいかない。それも十分俺の仕事なんだけどさ、一応寵愛者様専属侍従な上に、侍従の中で一番偉い侍従頭ですから。屋敷のことやら使用人たちへの指示やら仕事は引っ切り無しに降ってくる。これ全部じじい一人でこなしてたのかと思うと、ホント、末恐ろしいじじいだよ。
 それでも色々遣り繰りして、何とかレハトと二人の時間は作ってる。俺が楽しいのは勿論だけど、レハトが喜ぶし。
 今日も今日とて、可愛いレハトと庭を散歩。
 なんかね、レハトが丹精込めて世話をしてきた庭の花が綺麗に咲いたから俺に見て欲しいんだって。可愛いよね、ホント。最初は本気で家庭菜園する気だったのを、全力で説得して大正解。
 レハトが、この白い花は繊細で育てるのに苦労した、と苦労なんて微塵も感じさせない笑顔で説明するのに相槌を打ちつつ、屋敷の影からこちらを窺う視線に嫌でも気付いてしまう。
 と言っても、不審者とかじゃなくて、使用人の一人。
 あんまり邪魔されたくないんだけどなあ。でも無視も出来ない。何と言っても侍従頭だから、不測の事態にはどうしたって出番になる。影武者でも立てればいいのかね、いっそ。
「トッズさん」
 控えめに声を掛けてきた使用人のコに目を向けると、おろおろした様子で頻りに手を揉んでいる。
 あーあ、やっぱりなんかあったね、ありゃ。
「ごめんなー、レハト。トッズさん、ちょっとお仕事してくるから」
 いい子で待ってなね、と頭を撫でると、レハトは素直に頷いた上に、早く戻って来てね、なんて可愛いことを言ってくれる。
 ホント可愛い。可愛いって百回言っても足りないくらい可愛い。
 つくづく良い子に育ったなあ。
 それと言うのも、俺という素敵な男が傍にいたからだ。そうに違いない。そうに決まってる。間違ってもじじいの教育の賜物じゃない。俺の直向な愛の成せる技。それ以外に何がある?
「何かあった?」
「あの、すみません。レハト様にお客様がいらっしゃったんですが」
「またどこぞのお貴族様? 適当なこと言って追い返しちゃっていいから、別に。問題になったら俺が責任取るし」
「そうしようと思ったんですが、その」
「あー……押し切られた?」
 先を察して問うと彼は、すみませんすみません、と繰り返した。
 やれやれ。
 中にはいるんだよ、こういう強引なのが。お会いしません、お帰り下さい、って言ってるのに、使用人風情に言われる筋合いはないとか言って上がり込んじゃう輩が。上がり込んだところで、レハトは会わないし、会わせないのに。
 仮にも寵愛者だ。もっと便利な領地なんていくらでもある。
 それでもここを選んだのは、偏に貴族たちが、やあ元気?、なんて気軽にやって来れないだろうと踏んでのこと。
 移り住んだ当初は目論見通り、手紙は届けど貴族たちの姿は見えず、と言った具合に悠々自適にレハトとの楽しい毎日を謳歌してたんだけど、それが一転したのは一月あまりがたった頃だった。
 なんとまあ、遥々ここまでやって来た貴族がいたわけよ。それが他の貴族たちにも伝わったのか、我も我もと入れ替わり立ち代わり色んな顔がレハトのご機嫌伺いとゴマをすりにやって来るようになった。
 レハトは優しいから、逐一それに応対してたんだけど、それが気付かない間に負担になっていたのかある日高熱を出して昏倒。さすがにあの時は焦ったね、俺も。ここ、田舎よ? ヤブ医者しかいないとはまで言わないまでも、とびきり腕の良い医者がそこら辺に転がってるわけもない。慌てて近くの大きな街まで腕利きの医者を呼びに行かせたり、高価な薬を取り寄せたり、大騒ぎ。レハトの熱はなかなか下がらないし、苦しそうにうんうん唸ってるし。
 もうここは一つ、俺が折れてじじいに助けを求めようかとまで思いつめた時、漸くレハトに復調の兆しが見え始めた。
 早まらなくて良かったね。じじいを呼んだら最後、おまえには安心して任せられん、とか何とか言っちゃって俺の地位を乗っ取った挙句、しゃあしゃあとここに住みそうだもん。危ないところだった。
 で、それ以来、訪ねて来る貴族の皆様には門前払いを食らわせて差し上げることにしている。
「いくらお帰り下さいと申し上げても聞いて下さらなくて」
「うーん、そっか。大丈夫、俺が出るから。少しの間、俺の代わりに寵愛者様のことよろしくね」
 レハトを守るためなら、本気出しますよ、トッズさんは。
 実力行使上等ですよ。俺には貴族なんて地位は怖くも何ともないもんね。
 笑顔で手を振るレハトにひらひらと手を振り替えし、応接間に向かう。近付くにつれ、やたらデカい声が聞こえてきた。どうやら使用人相手に腹を立てているらしい。腹が立つなら帰ればいいのに。
 扉を開けると、今にも泣き出しそうな顔で応対していた使用人のコが俺を見てホッとした顔をした。目顔で頷くと、一礼してそそくさといなくなる。
 さて、じゃあ仕事しますか。これが終わらないとレハトのところに戻れないし。
「お帰り下さい」
 挨拶もそこそこ、顔もほとんど確認せずにそう言うと、相手は一瞬鼻白んだ。
 口を挟む間を与えず、心底申し訳ないという表情だけはしっかり作って言葉を続ける。
「レハト様は些か体調を崩しておりまして、いくらお待ち頂いてもお会いすることは出来ません」
「……先月も同じことを言われたが?」
「そうでしたか?」
「どうせ嘘なんだろう。侍従頭と言えど、無礼ではないか。そんな態度でよくもまあ寵愛者様の侍従頭が務まるものだ。貴様なんぞ、私から陛下に申し上げて、首に」
「どうぞ、お好きなように。話は分かりましたのでお帰り下さい」
 ああもう面倒だなあ。
 レハトってば、こんなのにばっかり好かれるんだよね。可哀想に。
 それに、知らないから仕方ないとは言え、別に侍従頭を解任されたところで俺は痛くも痒くもないんだよ。いや、むしろ解任されたいくらいよ。だってそしたらさ、面倒な屋敷の細々としたこととか、全部新しい侍従頭に押し付けて、俺は悠々自適にただひたすら毎日をレハトと楽しく過ごせるじゃない。偶には外に連れ出しちゃったりして。実現したら最高だね。
 なんて現実逃避してる場合じゃなかった。
「全く以って不愉快極まりない。帰るぞ」
 お供の侍従に声を掛け、どこの誰か知らないけど態度のやたら尊大なおっさんは意外と素直に、でも足音も高らかにお帰り遊ばされた。
 またのお越しを、なんて冗談でも言ってあげないよ、俺は。折角のレハトとの時間を邪魔されたんだから、そんな寛大なことは言わない。
 部屋から出ると、使用人たちが余りにもあからさまに緊張感から解き放たれた顔をしていて苦笑してしまう。もう門前払いどころか誰か来ても応対しなくていいから、と言い置いて俺はさっさと庭へ足を向けた。
 顔を見せると、一足先に気付いた使用人のコがぺこりとお辞儀をして俺と擦れ違って屋敷へと戻って行く。
「レーハト。ごめんね、待った?」
 待った、と拗ねた唇がそう嘯く。
 あーも-、可愛い可愛い可愛い可愛い。可愛いの百乗とかってなんて言えばいいの? 俺の辞書に是非とも載せたいんだけど。
「ごめんごめん。お詫びに何でも言うこと聞くから許して。ね?」
 じゃあお茶の時間も一緒に居て、なんて願ってもないレハトの我侭に顔がにやけるのを止められなかった。

[ 完 ]

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