「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
駆け落ちてみようぜ、今夜
2011年10月11日 (火) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー殺害ED前提 !!
レハト様:女性/一人称[私]/not王
殺害ED決定後の捏造駆け落ちです。
その他諸々色々捏造(゜-゜)


ここはひどい捏造のインターネッツですね。
(しかもすげえ無理があるしな)

でも大事なのは無理がないとかそういうことじゃないんだ。
大事なのは、殺害EDから駆け落ちするってことなんだ!!
駆け落ち出来れば全て良し。
後のことは知らぬ。
強いて誰が一番悪いかと言えば、グレオニーだよ、グレオニー。
あいつが殺害ED(女性選択ver)であんなこと言うのが悪い。
そしてあそこで反転ボタンが出ないのが悪いと思うの(。・ω・。)
妄想の反転ボタンを連打したグレオニー党員は多いはず。

まあ、そんな話しはさておき。
とりあえず、

>すねてみせる

選んで来る(キリッ
ヒャッハー!!!1!!!





 の 架 か る 日 (1)

 ヴァイルの手から匙が転がり落ちる。余りにも唖然としたその表情に居た堪れなさを覚え、私は手元のスープへと視線を下げた。玉座の間の横の小部屋にヴァイルの呆れ交じりの溜息が落ちる。
「レハトって偶に良く分かんなくなる。自分で告発しておいて今になって助けたいとか」
 私は少し首を傾げることでそれに応えた。
 私には私の感情の起伏があり、今の状況は至極当然な流れなのだが、誰も私にはなれないのだから正確に理解は出来ないだろう。だがそれでもいいのだ。大事なのはこの先の動きでありこれまでの動きではない。
 私は今現在、グレオニー・サリダ=ルクエスという元衛士を愛している。自分が巻いた種とは言え、彼を何とかして救い出したいと思っている。そのために動き出すことを止める権利など、誰も有していないはずだ。
 それが例え王たるヴァイルであっても。
 それにあの告発にはきちんと意味があった。彼がそう望んでいることに気付いてしまったせいだ。彼は紛れもなく極刑を、衛士辞任という中途半端な形ではなく全てを棄てることを願っていることに。
 だからむしろ今彼を助けようという方が身勝手なのだ。そうと分かっていても彼を救いたい気持ちに変わりはなかった。彼の想いに呼応するように花開いてしまった己の感情に私は逆らえない。ただそれだけのことだ。
 そして彼を救出は現国王であるヴァイルの庇護なくしては成功し得ない。
「まあ何でも良いけどね、俺は。でも一つだけ条件がある。脱獄だけはやめてよ? 俺の管理能力まで疑われるし、あっちの親類縁者も巻き添え喰らう羽目になるのは避けられないし」
 言わずもがな。心配せずとも元より可能な限り穏便な方法にするつもりだ。私の我が儘で彼以外に迷惑はかけたくない。
 そう思った時、ちくりと胸が痛んだ。
 グレオニーには迷惑を掛けることになる。彼の願いを根底から覆すことをしようとしているのだから。彼は私の提案に乗ってくれるだろうか。さすがに予測の範囲外だ。
 ヴァイルが自分の皿から私の皿へと移した豆を、倍にして彼の皿へ返すと、子どものように唇を尖らせた。
「で、具体的に案はあるの?」
 すぐに気を取り直したヴァイルの、隠し切れていない妙に弾んだ声音に苦笑を禁じ得ない。
 王となっても、何だかんだ言いつつこういったことに興味を抱くのは良いのか悪いのか。少なくとも今の私には彼の好奇心は非常に有り難いのは間違いない。
 城へと招き入れられて僅か一年余り。お世辞にも全てに明るいとは言い難く、特に城外の情勢には疎い。これが田舎になると話はまた別なのだが。
 一応自分なりに考えてみた逃走手段はある。それがどこまで実現可能なものか分からない。だからこそヴァイルに相談を持ちかけたのだ。彼に見極めてもらい、可能性があるならそれに賭ける。ないと言うのなら別案を捻り出すまでだ。
 前段階として、牢中で病気を発症した場合はどうなるのか問うと、ヴァイルがにやりと笑った。
「なるほどね。発症した場合は当然だけど城外に追い出されるよ。城内に蔓延しちゃうと不味いから。もし病死したとしても、罪人だからそんなに詳細に病因までは調べない。それと、病死って線を使いたいんだったら、ここの地下牢でってことにした方がいいよ。俺がすぐに動けるから」
 ではヴァイルの提案に従い、有り難く王城の地下牢を使わせてもらうことにしよう。
 死因を検証しないのなら、特段何かの症状を装わなくても問題ない。血を吐かせるのが早いか。勿論、実際に吐けとは言わない。グレオニーの健康状態からして無理がある。要は一瞬でも牢番に、吐血した、と思わせればいいのだからそれらしいものを適当に撒けば良いだろう。
 ヴァイルから見た最終的な成功率はどのくらいか。
「断言は出来ないけど、レハトが望んで極刑にしたから、俺がさっさと色んな指示出しちゃっても違和感はないと思う。遅かれ早かれそういう運命だったわけだし。だから、確実とまでは言えないけどそこそこ良い線は行ってるんじゃないかな。で、えーとなんだっけ、その衛士……まあなんでもいいや。そいつを逃がす算段はそれでいいかもしれないけど、レハトはどうするの? レハトも死んだことにする?」
 それは考えていなかった。何しろ、寵愛者であるがゆえに大抵の事は許されてしまう私に比べ、既に死を待つ身のグレオニーを逃がす方が大事だ。そちらが何とかなれば何とかなる気がしていたが、それはあまりにも無策だったか。
「さすがにレハトは遺体があがるまで探すことになると思うけど。寵愛者だし、葬儀も出さないといけないからさ」
 ヴァイルの予想を念頭に置きながら、再び彼が私の皿に除けた豆を頬張りながら暫し思案に暮れる。
 よしんば身代わりの遺体を用意出来たとしても、それが私であると証明されなければ意味が無い。かと言って外出中に侍従の目を盗んでいなくなれば、侍従が糾弾されるのは明白だ。となると私に考え付く手段は一つだ。
 なら、私は出奔することにする。
 そう言うとヴァイルは目を剥いた。
「し、出奔って、レハト意味分かって言ってる?」
 意味を知らない言葉を知ったかぶりで使ったりはしない。
 玉座にはヴァイルが就き、私は王位継承権を手放すことが既に決まっている。それは継承の儀において何れ誰もが知るところになるのだ。王城において、私が携わらなければ立ち行かない仕事も無いだろう。私がいなくても滞りなく全て流れるはずだ。
 それなら私が外の世界に飛び出しても何の問題も無い。それとも誰かに不当な迷惑が掛かってしまうだろうか。
「別に誰かが迷惑するってことはないと思うし、理屈としてはそうなんだけどさー。多分、貴族連中は血眼になって探すよ、レハトのこと。それがある限り」
 ヴァイルの指差した先――私の額には王位継承を放棄することになった今も変わらず選定印がある。
 恐らくはヴァイルの言う通りだろう。今の私の手中に王位がなくとも、将来生まれるかもしれない子どもに選定印が現れれば、次代の王の親族の座は揺ぎ無いものになるのだ。そして、一番最初に私を見付け出した者が最もその権利を得る位置に近い。
 だが私の答えはひどく単純明快だった。
 捕まらなければ良いのだ。成人した私の姿を眼にした貴族はまだ少なく、継承の儀においても貴族の全てが同席出来るわけでもない。私が望んで彼らと交わらなければ、私の顔を知る者を極力抑えられる。
 垣間見ただけの記憶と名前だけで確実に追えるはずが無いだろう。
「……レハトが男選ばなかったのが、今でもすっごく不思議」
 私も不思議だ。
 しかし選んでしまった以上――しかも分化は既に終えている――、今更変更は効かないし、仮に男になる道があったとしてもその道は選ばない。グレオニーと逃げようという人間が男を選んでどうする。
「でもその作戦面白そうだし、俺は乗ってもいいよ。欲を言えば、逃亡中のレハトと連絡手段があるともっといいんだけどなあ」
 他人事だと思って。
 腹癒せにヴァイルの皿に豆を戻してやると、うげえっ、とヴァイルが心底嫌そうに呻いた。
 
[ たぶん(2)に続く ]

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