「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
遅ればせながら、2周年だよ!(・∀・)
2011年06月09日 (木) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! 前提なし(強いて言うなら、グレオニー友情verBED) !!
レハト様:女性/一人称[私]/not王
まさかの軽薄な衛士ことハイラさんがメイン
グレオニーはレハト様の護衛(今回は出番あり)
誠に遺憾ながら「背中合わせで紙一重」の続きです


公開2周年記念だというのに

なにやってるの、この人。

やばい。
このままではグレオニー党ではなく衛士党になってしまうではないか。
フェルツが愛情EDを迎えさせてくれるのならそれもやぶさかじゃないがどう考えても好愛キャップを外す方法がない以上それは無理なわけですなわちここは衛士党ではなくグレオニー党ということを示唆してい

あ、ここ、グレオニー党です(゜-゜)

前回の軽薄な衛士・Hさん(仮名)のSSが「萌えた」とのお話を聞くにつけても、世の中のツンデレの人気に嫉妬せざるを得ない。
くそっ、へたれはダメか、ダメなのか!?
だがしかし王子はへたれのくせに万年主席をキープしてるではないか!!
グレオニーか!?
グレオニーがダメなのか!?
そういうことか!?

拍手ありがとうございます。
お返事はまた次回ということで。





 中 合 わ せ で 紙 一 重 ( 2 )

 衣装部屋を訪れたのは気分転換だった。
 別段沈んでるわけでもないが、どうも同じことが頭をぐるぐると駆け巡り落ち着かない。おまけに、多分そうなのだろうと曖昧な答えには辿り着いたものの、未だ明確な解答を本人に問い質せずにいる。
 一体全体どう聞けと言うのだ。
 人を混乱させるだけさせておいて全く腹立たしい。
「あれ、グレちゃん。珍しいところにいるね」
「ああ、レハト様がドレスを新調なさるから」
「寵愛者様が? へえ、女らしい心が芽生えたってことか。そりゃ珍しい」
 よりによっておまえか。
 聞こえてきた声にげんなりする。アネキウスの恨みを買ったとしか思えない運命の悪戯だ。
 とりあえず無視しよう。気付いていないことにすれば丸く収まる。
「折角なんだし、多少盛ったり詰めたりあげたり寄せたりする方法も教えてもらえばいいのにねえ」
「あ、それは一応もうやっ……」
 また余計なことをぺらぺらと。
 咄嗟に、グレオニー!!、と大声で名を呼ばうと、はい!すみません!!、と威勢だけは良い返事が響いてきた。
 うっかり口を滑らせただけなら許されるとでも思っているのではないか。今少し寵愛者の護衛という立場をしっかり自覚して欲しい。
 だが一番悪いのはそんな繊細な話題を振ったハイラだ。
 私の胸が残念な大きさ――大きさ、と声高に主張出来るほどあるわけではないが、今はそれは置いておく――であろうがなかろうが、ハイラには関係ないはずだ。多分、きっと。恐らくは。
 にも関わらず毎度毎度よくもまあ飽きずにねちねちと。
 そもそもそれが仮にも唇を奪った相手に対する言い草か。
 腹立ち紛れに叫んだ次の瞬間、水を打ったように静まりかえった空間と、衣装係たちの驚愕に見開かれた目に己の失態を悟る。
 いくら頭に来たからといえど、これは不味い。グレオニーとハイラも揃ってうんともすんとも言わない。
 と思いきや、弾けたように轟いた衣装係たちの悲鳴の嵐に死にたくなった。
「レハト様に浮いたお噂がないと思ったら、ちゃっかり衛士の方と出来ていましたのね!」
「秘密の恋よ、秘密の!」
「ああ、素敵!」
「きっとそれでドレスを新調なさるのね!!」
 違う、それは違う、それはない。
 だが今は何を言ったところで彼らの耳には届きそうもない。既に仮縫い中の私を放って置いてハイラの方に興味津々といった態だ。
 衣装部屋はどうしていつもこうなのだろう。
「寵愛者様と衛士の身分差恋愛だなんて本当に素敵だわ」
「お二人の馴れ初めを是非お聞かせ下さいな」
 盛り上がる衣装係たちに、馴れ初めねえ、などとハイラがさも意味ありげに応じている。
 だが岩だ。私は岩になろう。たった今そう決めた。沈黙は金と言うではないか。それが一番得策だ。
 きゃあきゃあと騒がしい衣装係たちの声を間を縫って、グレオニーが上擦り引っ繰り返った情けない声をあげる。
「ハ、ハイ、ハハハハハハイ、ハイ」
「なに、ハイハイハイハイうるさいね。少し落ち着きなよ、グレちゃん」
「ハ、ハイラ。レハト様にく、く」
「したよ。悪い?」
「わ、悪いって……いや悪くはないが、いつの間に」
「あー、いつだったかね。グレちゃんが非番の日だったのは間違いないけど。泣き顔が可愛かったから、つい」
 つい!? つい、なんて軽い出来心で私はキスされたのか。どこまで軽薄な男だ。
 わなわなと握りしめた拳が自然と震え出す。私にも我慢の限界というものがある。というより、私がいくら口を閉ざそうとハイラがああもぺらぺらとしゃべったのでは全く意味をなさない。
 私は仕切りの布を押し退け、ハイラを黙らせるべく試着室を飛び出した。人目など知るか。殴ってでも黙らせる。グレオニーにハイラの身柄を拘束させた上で全力で鳩尾を殴れば、女の私でも何とかなるだろう。本当は両頬を張り飛ばしてやりたいところだが。
 ずるずると長い裾に躓きそうになりながら、脇目も振らずハイラに突進する。迫りつつある不穏な気配に気付いたのか、ハイラがふとこちらに目を向けた。
「ああ、似合うね、その色」
 私を一目見るなり、ハイラが未だかつてお目に掛かったことのない笑みでそんな台詞を吐いたせいで、再び衣装部屋に奇声が響く。
 穴、穴はどこだ、どこにある。ないなら掘るまでだ。とにもかくにも埋まりたい。
 ああ、何だか頭痛がする。心臓も痛い。変に暑い気もするし、もしかしてそろそろ寿命だろうか。
 それにしても出鼻を挫かれたというか、毒気が抜かれたと言うか。あの笑顔は絶対にわざとだ。燃料を与えてどうする、この愚か者。
「そちらの衛士の方」
「私?」
「ええ、あなた。どんなドレスがお好みかしら」
「どんなと聞かれてもねえ」
 私は断固としてハイラの好みのドレスは着ない。着ないったら着ない。衣装係たちが何と言おうとだ。なぜ私がハイラの好みに添う必要がある。絶対ない、あるわけがない。
 考え込んだハイラを睨んでやると、不意に私を見てにやりと笑った。
 なんだ、今のは。
 私の至極真っ当な疑問の答えは残念ながらすぐに与えられた。
「ま、強いて言うなら脱がせやすいドレスかね」
 たちまち衣装係たちの歓声なんだか悲鳴なんだか区別のつかない叫び声が部屋に反響する。その間に諸悪の根源は巡回の途中だからとか何とか言って姿を消した。
 言い逃げとは良い度胸だ。
 ああそれにしても、嘘でも冗談でもなく目眩がする。
「……え、あ、ちょ、レハト様!? しっかりして下さい、レハト様!! レハト様!!」
 焦りに満ちたグレオニーの声を最後に私は意識を手放したのだった。

[ 完? ]

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