「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
タイトルなし(゜-゜)
2011年05月27日 (金) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! 前提なし(強いて言うなら、グレオニー友情verBED) !!
レハト様:女性/一人称[私]/not王
まさかの軽薄な衛士ことハイラさんがメイン
グレオニーはレハト様の護衛だけど出番なし


タイトルが全く決まらず二転三転どころか、四転五転六転したのは何の呪いでせうか_ノ乙(、ン、)_<自動生成機が欲しい

そしてハイラの暴走が止まらない。
誰か止めてorz

ハイラ愛情EDを目指すつもりが、あれよあれよという間にハイラ→レハト様片思いルートに入ってしまいました。
あるぇ~?(・∀・)
なんかどう考えてもこの二人はすぐに丸く収まる気がしない。
所謂ケンカップルというやつですかね。
対等と言えば対等なのか。
グレオニーは尻に敷かれる展開しか予知出来んとです。

拍手有難うございます。





 中 合 わ せ で 紙 一 重

 成人するというのはなかなか厄介なものだ。
 と、今更ながら気付かされる。近頃は普通に城内をふらついているだけで貴族とやらに捕まるようになった。正直なところ、彼らの話は私にとって毒にも薬にもならず、億劫以外の何物でもないが、適当にあしらって根も葉もない悪意に満ちた噂話を流されるのも癪だ。
 しかし、それならいっそ、と貴族の埒もないお世辞の波から逃れるために中庭に潜伏したのは間違いだったかもしれない。
 いや、かもしれない、ではなく完全に完璧に完膚なきまでに間違いだ。
 折角読みかけの本を読み終えてしまおうと思っていたのに本当についてない。
 ふらりと現れた男に、私は唇を引き結ぶ。あの男に限って、私を労ることも、気付かぬ振りで進路を変更することも絶対ない。
 確信を裏付けるように、私を見付けて楽しげに片眉をあげた男は一歩二歩と迷いなくこちらに近付いてくる。
 私が一体何をした。
 多分成人前に何か気に障ることをしたか言ったかしたのだろうが、心当たりがない。大体において私が用があったのはグレオニーで他の衛士とはろくに言葉を交わした覚えもなかった。
 だがそっちがその気なら、私は受けて立つだけだ。逃げるのはらしくない。
 わざと視線を外し素知らぬ振りで足音が近くで止まるのを待ちながら、今やほとんど中身が頭に入って来ていない本の頁を繰る。不意に視界が陰ったかと思うと、案の定普段通りの軽口が頭上から降って来た。
 ある意味予想を裏切らない男だ。
「おや、寵愛者様、お一人ですか? グレちゃんたちは?」
 今日はグレオニーは非番だし、一口に護衛と言ってもリリアノやヴァイルのそれとは些か性質を異にする。それくらい知っているはずだ。
 そう答えるとハイラが尚可笑しそうに口角を持ち上げた。
「ま、その通りだね。で、寵愛者様は一人で何を?」
 見ての通り本を読んでいただけだ。ハイラこそ何の用か。
 わざと本から視線を上げずに問う。
「御覧の通り巡回中に無防備にお一人でいらっしゃる寵愛者様を見付けましたので」
 だったら私に構わず仕事に専念すればいいのに。
 成人前から顔を合わせる度に多かれ少なかれ嫌味を言われていたが、成人してからこっち、余りにも頻度が多い。わざわざそのために探しているのかと疑いたくなるほどだ。
 いや、もしかしたら本当に探しているのだろうか。
 ふと思い付いたついでに、嫌味代わりに口にするとハイラが呆れたように息を溢した。
「だとしたらどうするわけ?」
 そう返してくるとは思わなかった。
 わざわざ探してまで嫌味を言いたくなるほど不快な思いをさせたのなら謝らないでも――いや、多少こちらに非があったとしてもハイラに頭を下げるのは癪だ。
 返事に窮し、眉間に皺を寄せていると、ひょいっと手元から本が消えた。慌ててももう遅い。表紙を見、ぺらぺらと頁を捲ったハイラが器用に片眉をあげて見せる。
 ……嫌な予感しかしない。
「熱心に何読んでるのかと思えば恋愛小説? こんなの所詮架空の話でしょ。読んだところが得られるものがあるとは思えないけどねえ。そんな暇があるなら自分を磨きなよ」
 笑った口元に腹を立てつつ素早く立ち上がり、本を取り返すべく手を伸ばしたが、残念ながら宙をかいて終わった。
「ふーん……あんた、こういうこと言われたいの?」
 ハイラが私に向けて見せた頁は主人公が愛を告白する、所謂見せ場的な場面で、知らず耳が熱くなる。
 ハイラには関係ないと突っぱねても怪しいし、違うと主張したところで耳を貸すまい。その通りだと認めても結局はからかわれるだけだ。
 まさに八方塞がり。
「ま、もっと大人の女になったらだね」
 差し出された本を引ったくるように奪って胸に抱いた。
 くどくどと馬鹿の一つ覚えのように同じことばかり。身に覚えのないことならまだしも、誰より私自身が気にしていることを揶揄されて傷付かないわけがない。皮肉めいた笑みを浮かべるハイラを睨む。
 私の胸が小さかろうが子どもっぽかろうが、そんなことハイラには微塵も関係ないじゃないか。ハイラに迷惑をかけてるわけでもない。
 怒鳴り終えて肩で息を継ぐ。酸素不足でこめかみが痛んだ。
「泣くか怒るかどっちかにしたら?」
 ハイラの手が伸びてきたかと思うと親指が撫でるように目元を掠めた。
 言われるまで自分が泣いていることに気付かなかった。腹立たしいのか悔しいのか悲しいのか分からない。ただ一つ分かることは、自然に溢れた上に私自身にも涙を止める術を見い出せないことか。拭っても拭っても、涸れることなく涙が湧き出す。
 私の袖は涙でぐっしょりと湿り、肌にぴたりと貼り付いている。
 私が気に入らないのなら構わなければ良い。
 呼吸が整わないまま切れ切れに主張する。
「あんたって子は、本当に……」
 くしゃ、とハイラが自分の髪をかきあげる。
 またどうせ子ども扱いされるのだ。
 どんな言葉が飛び出すのか身構えた私にハイラが無言で一歩近付く。さっき私の涙に触れ一度引っ込んだ腕が、今度は後頭部を鷲掴む。
 これは不味い、逃げられない。
 急速に逃げ道を模索し始めた時にはすでにぼやける程近くにハイラの顔があった。瞬きをする間に口を塞がれる。
 い、意味が分からない意味が分からない意味が分からない。
 混乱の局地で目を白黒させているうちに、ハイラが一歩身を引く。
「ご存じないようなので教えて差し上げますが、男ってのは至極単純な生き物でね。気になった子しか構わないもんなんですよ」
 受けた衝撃が大きすぎて声が出ない。何がどうしてこうなった。
 ハイラの言葉が単語に分離し意味をなさないまま脳内をふわふわと行き交う。
「どういう意味かは自分で考えなね」
 ひらりと手を振るとハイラは背を向け、そのまま姿を消した。
 話をまとめたくてもまとまらない。つまるところなんだ。
 ハイラは私を。私を――。
 まとまりかけた話を頭を振って遠くへ飛ばしその場にしゃがみ込み、焼け付くように熱い顔を腕で隠した。

[ 完? ]

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