「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
なんで毎日こんなに寒いのかしら。
2011年05月03日 (火) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー友情verBED前提 !!
レハト様:女性/一人称[私]
護衛@グレオニー
友情(?)出演:軽薄な衛士・H(仮名)さん


この後の展開の予想

1:嫌い嫌いも好きのうちハイラ愛情ED
2:責任を取るのも護衛の仕事グレオニー愛情ED
3:ハイラ殺害ED

さあ、はったはった!!

いや、選ばれたEDを書くっつー話じゃないですよ?
ないですよ!?
いや、ホントに!!
「3」とか選ばれた日にゃ失踪するしかないし。
でも「1」をぼんやりと思い浮かべたときに、なぜか泣いて抗議するレハト様をちゅーで黙らせるハイラが浮かんで鬱になりました。
ちょっと訓練場の片隅で体育座りして来ます。
グレオニー、雨雲貸してくれ……。

拍手ありがとうございます。
お返事はまた後日~。





 れ も 仕 事 の う ち

 窓の外には見渡す限り青空が広がっている。
(平和だ……)
 麗らかな陽気に恵まれた昼下がり。
 久々の非番に何をしようか。こんな天気なら城外を適当にぶらつくのも良さそうだ。いや、折角だから自然と触れ合い英気を養うのもいいかもしれない。
 グレオニーが外を眺めながらいくつかの案を比較していると、不意に慌ただしく近付いてくる足音が耳に付いた。反射的に嫌な予感が過ぎる。
(まさか、な)
 どうかこのまま通り過ぎてくれという願いも空しく、無情にも足音はグレオニーの部屋の前でぴたりと止まった。
「グレオニー、いるか!?」
「ああ」
「非番のところ悪い。大至急訓練場に来てくれ!」
「すぐ行く」
 短く返し、部屋に掛けてあった制服を取り素早く袖を通す。
 これから起こることがグレオニーの予測通りならば、防御は固めておくに越したことはない。
 ざっと身形を整えると、グレオニーは訓練場を目指し一目散に走り始めた。
 事が大きくなる前になんとかしなければ。
(いや、俺が呼ばれたってことはもう遅いのか)
 訓練場に近付くにつれ、困惑や焦燥、常とは異なる種々雑多な気配が入り混じってそこを包んでいるのが伝わってくる。
「グレオニー、こっちだ!」
「早く何とかしろ!」
 同僚たちの懇願交じりの声の間に、女の声が切れ切れに聞こえ、グレオニーは走りながら溜め息を溢した。
 駆け付けた訓練場では飄々としたハイラに一人の女性が真向かっている。ハイラは丸腰のようだが、こちらに背を向け仁王立ちする女性の小さな手には紛れもなく抜き身の剣が握られており、それが事態の深刻さを嫌でも感じさせる。他の衛士は間に割りかねているのか遠巻きに二人を眺めるばかりだ。
「図星指されたからって怒らなくてもよくないですかね、寵愛者様」
 挑発するように首を竦めて見せたハイラをレハトが、うるさい!、と一喝する。
 顔を見ずとも相当機嫌が悪いのは明白だ。
(やれやれ……)
 周囲が固唾を飲んで状況を見守る中、グレオニーただ一人が二人へとじわりじわりと間合いを詰める。全神経がハイラに向いているのか、背を見せたままのレハトがグレオニーの接近に気付く様子はない。
 後はタイミングを図るだけだ。
 明らかに小馬鹿にしたハイラの笑みにレハトの剣を握る手に微かに血管が浮き、腕に力が伝わるのを知らせる。その手が振り上げられる寸でのところでグレオニーが背後からレハトを羽交い締めにした。
「そこまでにして下さい、レハト様」
「おや、早かったね、グレちゃん」
「フェルツ、悪いけど剣頼む」
 頷いたフェルツがあっさりとレハトの手から剣を取り上げる。グレオニーは動きを押さえられたままで尚も暴れようとするレハトをひきずるようにハイラから遠ざけた。
 二人を至近距離で置いておくのは危険だ。じたばたと手足を動かすレハトに足の甲を踏まれないよう気を付けながら――以前、思いきり踏まれて思わず手を離したことがある――くるりとレハトとの立ち位置を逆転させ、彼女の視界にハイラが入り込まないようにする。
 ハイラが見えている限り落ち着こうにも落ち着けないのは既に経験済みだ。
「今日はどうなさったんですか。ハイラが何か失礼なことを言いましたか?」
 失礼なんてものじゃない!、と声高に主張しつつグレオニーの手から逃れようとレハトが身を捩る。だがグレオニーとてそう簡単に離すつもりはない。
(またハイラが余計なことを言ったのか)
 レハトがこうして激昂するのは十中八九ハイラに責任がある。いい加減、面白がって挑発するのはやめてもらいたいところだ。尤も明らかな挑発と解った上で噛みつくレハトもレハトだが。
 しばらくそうしているとレハトが幾分大人しくなった。別に落ち着いたわけではなく、ただ単に暴れ疲れただけだが、それでもホッとする。
 同時にうっかりと僅かに緩んだ拘束の隙を付いてレハトがグレオニーの手から逃れた。
(まずい)
 一瞬ひやりとしたものの、レハトがハイラに掴みかかっていく素振りはない。ないが、代わりに胸倉を掴みあげられグレオニーの頬が引き攣った。
(これは殴られるかも)
 レハトの瞳に宿る勢いを見、冷汗が額からゆっくりと頬を撫でた。
 所詮女性の力だ。殴られたところで致命傷になることはないが、それでも痛いものは痛い。それを避けようとして誰が責められるだろう。
「あの、レハト様、冷静にですね」
 グレオニーが懸命に宥めるのを強引に遮り、女の価値を胸の大きさで判断するとは何事か、と叫んだレハトに全力でハイラを呪いたくなる。
(あー、やっぱりそのことか)
 これは九割方ハイラが悪い。レハトの気の短さにも若干の問題がある気がするから一割差し引いて九割だ。
 女性になったばかりの女主が自身の体型に些か不満があるらしいことはグレオニーも薄々察していた。そこを思いきり抉った罪はやはり重いだろう。
「まあまあ、落ち着きなって。小さければ小さい程良いって言う奇特な人間もリタント中探せばきっといますからね」
 元気出して、と殊更憐れむ口調で付け足したハイラに、グレオニーの胸倉を締め上げたままのレハトが一気に殺気立つのが解る。
(前言撤回。これは十割ハイラが悪い)
 なぜハイラがこんなにもレハトに――しかも辺境の村出身と言えど立派な寵愛者だ――対して鼻持ちならない態度しか取れないのか理解に苦しむ。
 とりあえず柳眉を吊り上げたレハトが振り捨てるようにグレオニーから手を離し、ハイラに突進しようとするのを慌てて押し留める。
 離せグレオニー!!、と全身で無闇にもがくレハトの腰に腕を回し、そのまままるで荷物のように小脇に抱えた。無礼は百も承知だが致し方あるまい。
「お部屋へ戻りましょう! ね、そうしましょう、レハト様!!」
 彼女の返事を待っている暇も、気もない。第一グレオニーの提案に、そうね、と簡単に応じるようであればこんな事態にはならない。それなら力尽くで部屋に戻すだけだ。
 下ろせ!、と喚くレハトを抱えたままさっさと城を目指し駆け出す。
 こんな時はつくづく主が女性で良かったと思う。男であったら多分容易に抱えられないどころか、取り押さえるだけでも命懸けで、今以上に事態の収拾に手を焼いたに違いない。
 城に近付くにつれ、下ろせ離せと騒いでいたレハトが、さすがに事情を知らぬ他者に見られてはまずいと悟るのか大人しくなるのもいつもの事だ。
 周囲を見回し、人影がないのを確認してから回廊にそっとレハトを下ろす。
 明らかにぶうたれた顔はしているが場所が場所だけに騒ぎ立てるつもりはないらしい。そのあたりの分別があるのは有難い。
「お部屋までお送りします」
 頷いたレハトがくるりと背を向け歩き出したが、その背からは未だに収まりきらぬ怒りが迸っている。
 目を離した隙に訓練場にとんぼ返りされては叶わない。
 ぴったりと背後に張り付いて道を塞ぎながら、グレオニーは無事に主を部屋へと送り届けたのだった。

[ 完 ]

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