「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
失敗EDの屍を俺は越える!!1!!!
2011年04月21日 (木) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! トッズ憎悪verA前提 !!

レハト様は成人の儀で女を選んでます。
※子どもが生まれていますが、それでも良い方だけ先へどうぞ。


ありがとうありがとう。
これにてトッズ憎悪ストック最後なんだぜ!!

さ、トッズ。
これを持って国へお帰り。
みんなが君の帰還を待っているんだから。
そうだ、帰りの旅費も持たせてあげようね。
寄り道せずにまっすぐ間違いなくトッズ党に帰るんだよ?
いやいやお礼なんていらないから。

そう、こうして

ト ッ ズ は 旅 立 っ た の だ 。

と思ったら王息殿下が迷い込んできたので草原に放り込んで来ようと思います。
まったくモルが付いていながら情けない。


レハゲも続けていますが、失敗EDがそろそろ雪崩を起こしそうな気配です。
嘆きの壁を積み上げる毎日(゜-゜)
それでもヒントは攻略後に見るのが俺のジャスティス。
しかしまあ、ヴァイルでやせいレハト愛情EDを迎えられるとは思わなんだ。
素直クールが一番性格が掴み難いです。
そして、タナッセだけレハトの性格が4種類なことにタナッセ党員の本気を見た。





 れ は 、 海 の 色 よ り 深 く

 子どもが生まれたのを機に私は予ねてより拝領していた土地へと居住を移した。理由はただ一つだ。
 王城は人の出入りが多い。
 それは即ち貴族の出入りの多さへと繋がり、必然中には私への無意味な接触を図ろうとする者もいる。しかも揃いも揃って同じ意図の言葉を吐き出すのだから堪らなかった。

 ――やはり御令息には父親が必要なのでは?
 ――我が領地は空気の澄んだ住みよい場所でございます。
 ――どうか御令息とご一緒に遠慮なくお移りください。

 優しい言葉という仮面の裏に潜む醜く鋭い棘に気付かずにいられる程、それが分かっていながら身を任せる程、私は愚かではない。子どもがいるのだから尚更だ。彼らが欲しているのは、私でも、印を有さない私の子でもなく、今も歴然と私の額に存在する選定印だけ。大切な存在を守るためにも甘言に容易くよろめいている暇はなかった。
 第一、我が子は父無し子ではない。それは母たる私が誰よりもよく分かっている。恐らくは父親である彼も。
 朝方、侍従に手渡された書簡をぼんやりと封切る。文面は見飽きた言葉の羅列ばかりで目新しいことは何もない。私はそれを溜息混じりに文机の隅へと押しやり、読みかけの詩集を片手に新鮮な空気を求めて露台の側の椅子へと腰を下ろした。
 こうして領地に引っ込んだ今でも、相変わらず何くれと手紙を寄越す貴族もいたが、さすがに寵愛者の治める土地に呼ばれもしないのに出向くのは気が引けるのか、足を運んでまでは来ない。直接顔を合わせなくて良い分、以前よりずっと気は楽だ。
 私はゆっくりと本の項を繰った。
 室内は静寂そのものだ。私自身の息遣いの他には、時折思い出したように梢が立てる清かな音色以外に音らしき音はない。今のこの状況を侍従たちが知ったらどう思うだろうか。侍従たちは息子は私と一緒に部屋で休んでいると思っているはずだ。なのに部屋にあるべき影が一つ足りないのだから、きっと騒ぎになる。
 そう考えると何だかおかしくて私は肩を震わせた。
 私の掛け替えのない大切な息子は今、トッズと共に街へと遊びに出ている。
 トッズがあの子を連れ出すのは何も今日が初めてではない。こちらに移ってから今日まで、幾度となく連れ出している。
 領地へ来たばかりの頃に無断で連れ出された時はさすがに驚きはしたが、心配は露ほどもしなかった。彼以外ならともかく、トッズがあの子に何か危害を加えるとは思えない。それどころか、もしこのまま彼がどこかへ連れて行ってしまうのならそれでも構わなかった。
 外の世界にあの子が幸せになる道が引かれているのならそれでも良いと。
 近頃の彼の目にはどんな感情も見受けられない。私と目を合わせるのをどこか拒んでいる節があり、はっきりとは断言出来ないが、奥底で鈍色に光っていた憎悪すら成りを潜めた気がする。
 それがどんなものに姿を変えたのかは私の知る由もなかったが。
 澱みの果てに彼は何を見付けたのだろう。
 私とトッズの関係は他言出来るようなものではなく、従って我が子にも実父が誰であるかは告げていない。けれど血の成せるわざか、本能でそうと悟ったのか、子どもはトッズにとてもなついていた。トッズもまた邪険に扱うことはない。
 進歩しているのだろうか。少なくとも子が出来、産まれたことが私たちの間に微細とは言え何らかの変化をもたらしたのは間違いない。
 子どもの玩具の転がる室内から外へと視線を動かした。外界は朱色に美しく染め上げられている。
 ――そろそろ、だろうか。
 本を閉じ木々の奥を見つめていると、不意に露台に人の気配が滑り込む。席を立ち露台へ移動すると、腕の中に子どもを納めたトッズが立っていた。息子は信頼しきった穏やかな寝顔を見せている。
 トッズは起こさないよう注意しながら私の腕に子どもを返した。振動と共に一瞬温もりを失ったせいか、暫時愚図ったが、軽く背を叩くとすぐに大人しくなる。
「レハト、手出して」
 子どもを抱え直し、言われるまま片手の手の平を差し出す。トッズは懐に手をやったかと思うと、私の手の上に小さな髪飾りを乗せた。
 木々の葉を縫って届く夕暮れの陽光が髪飾りに散りばめられた小さな宝石を見事に輝かせる。華奢ながらも細かな細工の施された髪飾りは決して安価なものではないだろう。
 けれど私には手の平から染み入る体温の方が価値ある物に思え、私は仄かに笑みを浮かべた。
「……チビから。母様の目の色に似てるって」
 彼の声の底に隠し損ねた嘘が滲んで消える。
 手の中のそれをじっと見つめていると、トッズの指先がそれを摘まんだ。腕が伸ばされ私の髪に触れる。一瞬躊躇うような間が空いたが、やがて私の髪を少しだけ掬い上げた。僅かながら増した重みに、髪に飾られたことを知る。
 穏やかな時間。
 永遠にこの時が続けば良いのに。
 腕の幼子がむずかる様に小さく動く。一瞬そちらに気を取られ、再び目線を上げた時には既にトッズの姿は影も形もなく、ただ静かに夕映えが広がっているだけだった。

[ 完 ]

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