「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
完☆結
2011年02月22日 (火) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情ルート前提 !!
レハト様:未分化/一人称[僕]/グレオニーへの印愛35以上
グレオニー好感度:好愛35未満(あとちょっとで35な感じ)
グレオニー告白イベント通過後


※ ☆を挟んだことになんら意味はありません。

謎解けてねえし(゜-゜)

というか、あれですよ。
「あ……そ……は……」が何を意味するかと言うことは私が明言するべきものではなくそれぞれが思い思いの言葉を胸の奥の誰も触れることの出来ない秘密の小箱にそっとしまって鍵を掛けアッーーーー!!!!

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三日でコメントが尽きました。
三日天下ってこういうことだよね!!

拍手ありがとうございます。
お返事についてはまた後日。





 解 き の 旅 (4)

 廊下で洗濯物を抱えたサニャと危うく衝突しかけ、行儀が悪いと窘める声に適当な言葉を返して訓練場までの道をひた走る。息を切らせて駆け込んだ訓練場をざっと見渡してみたが、グレオニーの姿はなかった。まだ戻ってないらしい。
 ほっとしたのも束の間、肝心のフェルツの姿までもがないのは大誤算だ。
 天気が良いからてっきり訓練に勤しんでいるものと思っていたが、どこかの巡回か警備に出ているのだろうか。困った。今日は諦めるべきか。
 出鼻を挫かれ、それでも立ち去りがたくて意味も無く建物の影に身を潜める。
しゃがんで足元に落ちていた小枝を拾い、思い付くまま某衛士の悪口なんかを書き連ねていると、不意に声を掛けられた。文字通り飛び上がって驚いた僕に声の主の謝罪が続く。
「驚かせてすみません。座り込んでらっしゃいましたが、御気分が優れませんか?」
 僕はぽかんと口を半開きにしたままで、怪訝そうに僕を見下ろす顔を見上げた。
 認識すると同時に霧が晴れるように思考が明瞭になる。何という天の配剤。まさかフェルツの方から声を掛けてくるとは思わなかったが、どっちから声を掛けようがなんでもいい。大事なのはフェルツと話す機会を得ることだ。
 僕は慌てて立ち上がり、彼の服を掴んだ。
「あの……もしかして、またグレオニーが何か失礼を?」
 言われて追ったフェルツの視線の先には種々雑多な雑言が地面で渦を巻いている。これは誤解されても仕方ない。
 否定の言葉と共に靴底で証拠隠滅を謀り、その間に逃げられないようフェルツの服を握る手に力を込めた。困惑を深めるフェルツに、聞きたいことがあると持ち掛けて服を引き、更に人気のないところまで移動する。
「あの、レハト様? 聞きたいことというのは?」
 言葉を選んでいる場合ではない。
 単刀直入に、グレオニーがあ……そ……は……と言ったら何のことだと思うか、と問う。
 フェルツで駄目ならもういよいよ諦めるしかない。
「グレオニーが、ですか?」
 フェルツが視線を落とし、思案に暮れる様をじっと見守る。期待を胸に抱きながら落胆する心積もりをしていると、不意に傍らの茂みががさりと音をたてた。
 草木の間をぬって現れたのは最も話を聞かれたくない相手の顔で、頭を抱えて叫びたくなる。
「ハイラ、いつからそこに?」
「あんたたちが来るずっと前から。こっそり昼寝してたのに、煩くて起きちゃったんだよ。まあ、その代わり面白そうな話を小耳に挟めたから水に流してあげてもいいけど」
 相変わらず果てしなく上から目線の男だ。
 心底楽しげにニヤニヤと笑う顔を睨むが、ハイラは小さく肩を竦めただけだった。寵愛者である僕に対して、どこまでも腹立たしい態度を崩さないハイラはある意味万民に平等なのかと思うが、多分辺境生まれ辺境育ちのぽっと出寵愛者の僕にだけだろう。
 つまり平等とは程遠いということだ。
「大体そんなことグレちゃん本人に聞きゃ良い話じゃないの? そう出来ない理由を是非お聞かせ願いたいもんですねえ、寵愛者様」
 大方予想がついているくせに白々しい。
 何だか隠しているのも馬鹿馬鹿しくなってきた。半ば自棄でグレオニーに告白して断られたと言うと、ハイラはしたり顔で頷き、フェルツはやや困ったように笑みを浮かべる。どうやらハイラのみならずフェルツまで察しが付いていたらしい。
「グレちゃんがわかりやすいからねぇ」
「ハイラ、失礼が過ぎる。あの、先程の話に戻りますが」
「『あなたのことは、そうですね、はっきり言って興味がありません』、あたりじゃないの?」
「ハイラ!」
 やはり良い意味ではないか。ある程度勘付いてはいたが、自分で考えるのと人の口から聞くのとでは大違いだ。
 グレオニーだったらまず間違いなくリタント中の雨雲をかき集めかねない程落ち込んだ僕に救いの手をさしのべたのはフェルツだった。
「ハイラの話は忘れて大丈夫だと思いますよ。『あ、そういう話ですか』、程度のことですから、きっと」
 それならどんなにいいだろう。
 いや、待て。それだと今度はグレオニーがどんな話を想定していたかが気になる。
「ところで寵愛者様は男になるの? それとも女? ま、グレちゃんにフラレた以上、女になる意味はないか」
「ハイラ!!」
 反論の余地がない。もう少し寵愛者を敬えと言いたいところだが急に畏まられても気味が悪いだけか。
 半分以上女を選ぶことに決めていたが、ここに来て少なからず揺らいだのも事実だ。確固たる保証はないが、成人後に誰もが足元に平伏すような美女になってグレオニーを見返すのがいいか、それともグレオニーを完全に諦めるためにも潔く男を選ぶべきか。
 悩むとこだ。
 今のまだ自分の気持ちに整理が付かない状態で決断して後で死ぬほど後悔するのだけは避けたい。
「あの、俺がこんなこと言うのはなんなんですが、もう少しだけグレオニーに時間をやって下さいませんか?」
「お節介」
「人のこと言えるのか」
 ため息混じりのフェルツにハイラが小さく口笛を鳴らした。
 全然話が見えない。当事者を蚊帳の外にするのはやめて欲しい。第一、時間が解決する問題なんだろうか。大人になれば自然と理解出来るようになるとかか。
 さっぱり分からない。大人は難しい。
 不意に地面が翳ったことに気付き、空を仰ぐといつの間に忍び寄ったのか一面に灰色の雲が蔓延っていた。降り出すのも時間の問題だろう。
「ええと、この通りあいつも色々考えてるようなので」
 グレオニーじゃなかったら、どの通りだと突っ込むところだ。
 どういう意味かは分からないが、グレオニーはグレオニーなりに色々と考え迷っているということだろうか。
 そこに希望があるかどうか僕には分からない。
 出来れば、あればいいと思う。
 それで結局のところ、あ……そ……は……とはなんだったんだろう。

[ 完 ]

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