「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
「は」ってなによ(゜-゜)
2011年02月11日 (金) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情ルート前提 !!
レハト様:未分化/一人称[僕]/グレオニーへの印愛35以上
グレオニー好感度:好愛35未満(あとちょっとで35な感じ)
グレオニー告白イベント通過後


少しだけ 分けてください その才能

「あ……そ……は……」
このたった三文字と変な間からあんなに文章が湧き出てくるなんて素晴らしい!!
私の脳味噌と交換しませんか!!
お礼にグレオニーの使用済み手袋をあ(以下略)

teracotta様のそんな素敵なSSはこちら

ちなみに私の脳味噌は、逆さに振ろうが煮出そうが焼こうが何かの宗教的な儀式を行おうが、「は」に当てはまる単語が一切出てこなくなるという残念な病気にかかっています。
素直に辞書に頼るんだぜ……。

拍手ありがとうございます。
お返事はまた今度にさせてください~。





 解 き の 旅 (3)

 人選を誤ると大変なことになる。いや、ユリリエに訪ねてみたのは強ち誤りとは言えない部分もあるが、兎にも角にも慎重に選ばなければ。余り踏み込まれて、先程のようにうっかり妙なことを口走っては大変だ。
 僕は取り立てて行く場所も無く、ただうろうろと城内を歩き回りながら知り合いの顔を順に思い浮かべてみた。
 例えばタナッセはどうだろう。
 考えかけてすぐに止めた。タナッセほど恋愛から縁遠そうな人間はいない。聞くだけ時間の無駄だ。その上、その後顔を合わせるたびに何か言われるのは目に見えている。
 じゃあローニカはどうか。
 僕を迎えに来たのもローニカなら、日々世話を焼いてくれているのもローニカだ。彼なら親身になって話を聞いてくれるに違いない。同時にとてつもなく困った顔をされそうな気もするが。
 ヴァイルは同じ年なだけに却って恋愛の話を話題にするのは気恥ずかしい。
 結婚経験のあるリリアノは頼りになりそうだが、さすがに現王に相談するのは憚られる。忙しそうな彼女に、そんなことのために割ける時間もないだろう。
 人気があると言えばティントアだが、彼の興味はかなり偏っているし、いつの間にか論点がずれそうだ。
 ルージョンに至っては鼻で笑って終わりだ、多分。
 モゼーラはあまり恋愛事は得手ではなさそうだし、と唸ったところで不意にある顔が脳裏に浮かんだ。
 トッズだ、トッズがいた。彼なら深入りせず、それでいて何かしら助けになることを教えてくれるはずだ。
 だが自分の名案に浮かれたのは一瞬のことだった。今日は市の日ではない。トッズのことだから何だかんだと理由を付けて今日も王城に出入りしているかもしれないが、探し出すのは困難だ。
 結局ふりだしに戻ってしまった。
 これ以上考え続けたら成人を待たずに禿げそうで怖い。
 不意に足を止め辺りを見回すと、周囲は木々に覆われていた。どうやら僕は知らぬ間に外に出ていたらしい。考え事に集中し過ぎて周囲に全く目がいっていなかったが、足を踏み外すことも怪我をすることも無かったのは運が良かった。
 なんとなく足元の小石を爪先でぐりぐりと土に埋めてみる。他に誰かいただろうか。グレオニーのことを知っていて、僕と腹を割ってとまではいかなくても然程畏まらずに話をしてくれて、それなりに恋愛経験のありそうな。
 ――いる、いるじゃないか、最高の適任者が。
 降って沸いた一筋の光明に思わず叫びそうになって慌てて両手で口を塞いだ。
 そうだそうだ、グレオニーの無二の親友であるフェルツを差し置いて誰が僕に的確な助言を出来ると言うのか。
 思い立つや否や、僕は訓練場までの道を辿るのももどかしく、最短距離を行くため近場の繁みに頭から突っ込んだ。枝葉がちくちくと皮膚を刺すが気にしない。方角にだけ注意しながら木の葉を掻き分け掻き分け進むうち、ふと木々の合間から見覚えのある背中が見えた気がして足を止めた。息を殺して外の様子を窺う。
 僕の行動は決して誉められたものじゃない。理解を示してくれるとしたら、同じ子どもであるヴァイルくらいだろう。そのヴァイルにしたって王城育ち故に眉を潜めるかもしれない。
「……はぁ」
 座り込んだ大きな背中が溜め息を落とす。
 その聞き馴染み過ぎた声音に歯噛みしたい思いに駆られる。もしやとは思ったが、まさか本当にグレオニーだとは。
 つまり僕はこのまま中庭を目指して前進出来ないということだ。
 だが、逆にこれは好機だとも言えるのではないか。グレオニーがここにいる以上、訓練場でグレオニーの目を盗む必要も、見付かって何だかんだ言い訳を並べる必要もない。ただフェルツを探してどこか人気のないところに連れ出せばいいのだ。
「でもなあ、今更……だったらあの時……いや、でもあの時はまだ」
 何かぶつぶつ呟いている。多分に憂いを含んだ言葉に、こそこそと退却しようとしていた僕は思わず動きを止めた。
 立ち聞きは良くない。良くないのは分かっている。だからと言って今ここで座ってしまっては次の動作に移り難い。座りたくても座れない。要するに僕は止むに止まれぬ事情で仕方なく立っているのであって望んで立っているわけではない。だからこれは立ち聞きではないのだ。
 己を妙な論理で正当化し、耳をそばだてる。
「最後の御前試合に賭けるしかないか……」
 衛士の間で賭け事でもしてるのだろうか。よく分からない。
 これ以上聞いていても無意味に訓練場でグレオニーと遭遇する可能性を高めるだけで良いことなどなさそうだ。
 僕は不自然な物音を立てぬよう、全神経を集中させじりじりと繁みを後退した。
 あとはグレオニーが戻る前にフェルツを捕まえるだけだ。


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する