「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
生きてます
2010年12月04日 (土) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! トッズ愛情verA前提 !!
レハト様一人称:僕
レハト様分化なう!(・∀・)
逃避行の途中でのお話
※ うっすらオリジナルのキャラクターが登場するのでご注意ください ※


最近なにを書いていたかと言えば、携帯でぽちぽちSS打ってたんですが、なぜトッズ愛情ED前提なのか

そうか、今気付いた。
ここってトッズ党だったん

……なわけあるか(゜-゜)

何度でも言うぜ。
ここはグレオニー党離島支部だ。
だがしかし、出来上がったのはトッズSSだった。それは否定しない。
私、悪い魔術師に魔法に掛けられたんだわ!!
ドゥ納豆の仕業に違いないわ!!
きっとそうよ!!

捜索届:グレオニーを探しています(・ω・)<あいつ、どこ行った

※ツイッターで「SSのタイトル決まらん」とぼやいていたら、某未定さんから「カビ記でいいじゃない(古事記と同じ発音で)」(要約)と言われました。
一瞬、ソレダ!、と思いました。
今は反省していますん。





 寄 せ あ っ て

 目が覚めたら見知らぬ部屋の中だった。
 焦りと共に起き上がろうとするが体が言うことを聞かない。頭がひどく重く、全身が軋むように痛い。
 自分の呼吸の熱さに自分で驚きながら懸命に鈍った思考を巡らせる。
 ここはどこだろう。トッズはどこにいるのだろう。
 根付いた不安に、転がるようにして強引に身を起こしたところで、不意に眠りに付く前の記憶が蘇った。

『――いやあ、弟の分化が始まっちゃいましてね。暫く軒先でも貸して頂けないものかと。え? 本当に弟か怪しい? やだなあ、正真正銘弟ですって。雰囲気とか似てるでしょ? 目元とか。ね? ね? まあ、確かに年はちょっと離れてますけどね。母親はこいつを産んですぐに死んで、父親もまだちっちゃい頃に事故で山に登っちゃって。兄弟二人、肩を寄せあって倹しく生活してるんですよ。今回は行商の途中でして。分化が近いんだから家で大人しくしてろって散々言い聞かせたんですけど、ついてくるって言って全然聞かなくて。両親がいないからって甘やかしたのがいけなかったんでしょうねー。あんまり不安そうな顔するもんで連れて出た結果がこの様で。え、分化が落ち着くまでお世話になっていいんですか? いやあ有り難いなあ、助かりますよ。美人な上に心の広い人に出会えるなんて、世の中捨てたもんじゃないですね』

 トッズの隣に何とか立ち、朦朧としながらも、よくもまあペラペラと嘘が吐けるものだ、と聞いていられたのはここまでだ。その後の記憶は恐らく逆さにしようが搾ろうが見付からないだろう。格別困りはしないから構わないが。
 それにしても弟とは。
 その場凌ぎの嘘に過ぎないと分かってはいても腹立たしい。正直に打ち明ければ良いのだ。妻になる人だと。
 考えるほどにふつふつと怒りが湧いてくる。
 一人、悶々と怒りを降り積もらせていると、不意に錆びた蝶番の音を響かせて扉が開いた。
「あれ、起きてたんだ。調子はどう? って良いわけないよね」
 どこにそんな体力が残っていたのか自分でも驚くほど敏捷な身のこなしで、手近にあった布の塊をトッズに向かって投げ付け、勢いそのままに浮かんだ言葉を叫んだ。
 トッズの嘘吐き。僕は一体いつからトッズの弟になったのか。
 僕が投げた布を顔面で受け止めたトッズが僅かに目を見開く。
「え、え、ちょっと待った。なに、それってもしかしてヤキモチ? いやあ、レハトにヤキモチ妬いてもらえるなんてトッズさん大歓喜!」
 茶化しても無駄だ。もう簡単に騙される程子どもではない。
 怒っている僕とは対照的にトッズがやけににこにこしているのが癪に障る。
 僕は足元に丸まっていた、暖を取るには些か頼りない薄手の上掛けを引き寄せ、頭からすっぽり被った。
 もうトッズのことなんて知らない。どうせ僕は分化が始まったばかりでトッズの好みに添うような容姿になれるかなんて不確定だ。だったらトッズはトッズが称賛したあの美しい人と結婚でもなんでもすればいい。
 酷い言葉をぶつけている自覚はあるが、止まらなかった。トッズの怒った声を聞きたくなくて耳を塞ぎたい気持ちが半分、トッズが何と言うか確かめたい気持ちが半分で、どうしたらいいのか分からないまま布に包まり息を潜める。
 間を置いてトッズの口から漏れたのは、小さな溜息だった。呆れているのか、怒っているのか、表情が見えない以上判断が付かない。
「どうしてそういう発想になっちゃうのかな。まあね、レハトの言い分も解るよ。でも現実問題、妻が分化の途中で体調不良なんですー、なんて果てしなく胡散臭いでしょ。分化間近の人間をつれ歩くのがそもそも有り得ないってのに。その上、レハトは美人さんだし、俺はこの通りいかにも怪しげだし?」
 それは一理あるかもしれない。
 僕自身の容姿はさておき――簡単には鏡石など手に入るわけもなく、自分で自分が一体どんな風に変わりつつあるのかさっぱり分からないのだ――、トッズが怪しげであると言う点は少なからず頷ける。
 トッズの話を鵜呑みにしたわけではなかったが、僕は被っていた布から少し顔を出した。トッズが分化のために伸ばし放しの僕の髪をそっと撫でてくれる。目と目が合うと苦笑気味に笑った。
「レハトってば俺が怪しげってとこに納得したでしょ」
 トッズが、ひどいなあひどいなあ、と嘆く。
 だがそれは誤解だ。
 慌てて、それでも僕にとってはトッズが誰より一番だからと早口に捲し立てると、知ってるよ、と優しく微笑まれた。
 トッズはいつだって優しい。
 分化の痛みや気だるさ、いつ追捕の手に掛かるか分からない不安のせいで苛立ち、つい当たち散らしてしまっても、腹も立てず気長に宥めて安心させてくれる。
 そんなトッズに僕が返せることはなんだろう。
 いくら考えてみても、僕には何もない。ただの村人だった時にも、城へと連れられ寵愛者となった時にも、そして逃亡者である今も、僕はこの身以外に何一つ持っていないのだ。
 つまり、あげられるものは自ずと一つになる。
 絶対綺麗になるから待ってて。
 トッズの手を強く握りしめてそう言うと、トッズにしては珍しく虚を突かれた顔で何度か目を瞬かせた。
 何か変なことでも言っただろうか。それとも既に綺麗になるなど夢のまた夢、無謀以外の何物でもないと思わせるような状態なのだろうか。
 不安に駆られ、トッズの表情を上目遣いで窺うと、不意に頭を引き寄せられる。
「レハトしか待たないから、早く追い付いておいで」
 トッズの体に触れた耳に、でもそれ以上綺麗になられても俺困っちゃうんだけどねー、という軽口といつもより少しだけ足の早い心臓の音が静かに流れ込んできた。

[ 完 ]

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