「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
今は反省してるので帰って来てください。
2010年05月21日 (金) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! ヴァイル憎悪verB+グレオニー愛情verAED前提 !!
ヴァイルvsグレオニー。
城監禁verにしたらこうなっちゃいました。
またしてもヴァイルのキャラ崩壊が酷すぎるorz
一度前提エンドロールを回収、もしくはどこかで見てからの方が話が分かりやすいと思います。
今回も完全に鬱EDです本当にありがとうございます。
血とかダメな方は先に進まないでくださいね。



グレオニー、マジごめん。

反省した。ホントに、今度こそ反省した。
これでもう3回目ですかね、印愛最大の人殺すのは。
殺害ED派生はそもそもグレオニーの身から出た錆とは言え、ヴァイル憎悪EDでグレオニーが残念な結果になるのは偏に私が悪い。
そしてこの後、憎悪ヴァイル陛下vsユリリエネタがあるとかなんなの。
なんでそんなの置いていくの、教えてユリリエ。
グレオニー辺境支部改め離島支部は、憎悪ヴァイル陛下の統治下にあるようですorz<独立したい


そんでもって気付いたんですが、以前、ヴァイル憎悪vsグレオニーのエンドロールを見たと言うことは、玉座を賭けた決闘でヴァイルに勝てばレハト様は王様になれるんですよねー。
ねー。




って、
グレオニーを4回殺すとか、ダメ、絶対。
(※グレオニー王配=グレオニー死亡フラグ@本家質問コーナー)

拍手ありがとうございます。
6連打下さった方はグレオニー党員でしょうか。








 ヴァイルが呼んでいると彼付きの衛士に外出を促されたのは、雲一つなく晴れ上がった午後のことだった。
 私に国王の命を退ける権限など元よりない。
 尤も塔の一角に押し込められている私にすれば、理由はどうあれ室外の空気を誰に気兼ねすることなく存分に吸えるのは願ったり叶ったりだ。そこに秘密裏に存在を消されても構わないと言う、半ば投げやりとも言える感情があったことも否定出来ないが。
 しかしヴァイルが私を呼び出すなど、珍しいこともあるものだ。自ら訪ねることはあっても、私を決してここからは出さなかったというのに一体どんな魂胆なのか。
 無言で先を急ぐ衛士の後ろを、付かず離れず一定の距離を保ったままこちらもまた無言で追う。
 回廊を過ぎ、四方を囲むのが余り見慣れぬ景色だと気付くのにそう時間は掛からなかった。どこへ向かっているのか問い質してみたところで彼らは答えないだろう。彼らの任務は私を王の元へ案内することで、私と無駄口を利くことは含まれていまい。
 一体いくつ角を曲がったのか数えるのも阿呆らしくなった頃、先導の衛士が足を止めた。周囲を満たすのは濃い緑色の葉を繁らせた木々ばかりだ。そこで沈黙を結んでいたのは、ヴァイルと彼の護衛に、彼らに取り押さえられ地面に膝を付いた一人の男。増えた気配に気付いたのか、こちらに首を巡らせた男の顔を認めて私は小さく息を呑んだ。
 なぜここにグレオニーがいるのか。
 今から一体何が始まろうとしているのか。
 ヴァイルの真意は計り知れない。その手に当然のように握られている剥き身の刀剣が鈍色に光る様が、微かな身震いを呼び起こす。
「遅かったね。早速だけどこの男に見覚えは?」
 ヴァイルの不意に問い掛けに戸惑う。
 状況が読めず怪訝な表情を返すと、ヴァイルが口の端を僅かに歪めた。
「レハトを解放しろってさ。俺にはレハトを拘束する権利なんてないって。笑っちゃうよね」
 そう言ってヴァイルは僅かに肩を揺らし目を細めたが、その目が言葉程に笑っていないのは一目瞭然だ。辺りを支配する重みを増した沈黙に私も倣う。今は迂濶なことを言ってヴァイルを刺激するのは賢明とは言い難い。
 全てはヴァイルの出方次第。
 僅かな沈黙を挟み、ヴァイルは再び同じ言葉で私とグレオニーの関係を問うた。
 ここで知らないと言い張っても無駄なようだ。ヴァイルは多分気付いている。否、元々知っているのだろう。私と彼が将来を約束した仲であることまでは知らないにしても、親しく言葉を交わす仲だったことくらいは調べがついているはずだ。
 ならば嘘を押し通しても無駄。
 軽く息を吐き出してから私はゆっくりを頭を縦に振った。
「やっぱりね。知り合いだって言うなら納得出来る。つまり彼は第二の寵愛者を担ぎ、正当なる王権を根底から揺るがそうする一派の一人だってことだ。それは……許されることじゃない」
 落ちた声が静寂に染みる。
 ヴァイルの視線が私に向かい、一度グレオニーに移ったかと思うとすぐさま私に戻った。それを真正面から受け止める。何を考えているのか読めない瞳で一頻り私を眺めた後、まるで私の視線から逃れるようにヴァイルは顔を背けた。
 ヴァイルの足元から湯気のようにゆらりと殺気が立ち上る。
「あんたさえ現れなければ、前のままでいられたのに」
 否定はしない。第二の寵愛者が現れる可能性など誰が予見出来ただろう。
 だが現実にこうなってしまった以上、どんなにそれを嘆いたところで時間は巻き戻らない。
 受け入れるか、拒むか。選択は二つに一つ。
 そしてヴァイルがどちらを選ぶかは彼の自由だ。
「……いなくなったら元通りになるのかな」
 ヴァイルの手に握られた刀剣が極僅かだが不愉快な音を立てた。その切っ先がゆるゆると持ち上がる。
 斬ると言うのなら斬れば良い。
 睨め付けた私を嘲笑うように、腕を振り上げたヴァイルの口元が次第に歪む。たったそれだけのことが一瞬にして彼の真の狙いを悟らせ、背筋が凍り付いた。
 違う。その剣は私の上には振り下ろされない。磨き抜かれた刀身が狙っているのは。
 目指す先を知り、剣を振るうヴァイルの腕に飛び付いた。何かが耳障りな音を立てて頬に触れる。
「……あーあ。レハトが邪魔するから外した」
 抑揚なく呟かれた声に己の咄嗟の判断の結果を知り、安堵の息と共に振り返った私は、眼前に広がる現実に言葉を失った。辺りに飛び散ったひどく鮮やかな赤の源は疑いようもない。
 護衛に体を封じられたまま顔を俯けたグレオニーの口から低く唸りが漏れた。巡らない思考のまま頬に触れた何かを拭えば手が赤く染まる。気が付けばヴァイルの服にも私の服にも酷く不気味で不均等な模様が描かれていた。
 ヴァイルが何か合図を送ったのか、グレオニーを押さえていた護衛たちがその手を離すと、支えを失った体が傾ぎ、ゆっくりと弧を描くようにして仰向けに地に倒れる。
 私の口からは悲鳴も出なかった。
 喚きたてるように早鐘を打つ心臓が痛い。
 向き直ったヴァイルの胸倉を反射的に掴み上げた。
 これが王のすることか。己と意見を異にする者を力尽くで捻じ伏せるのが王たるに相応しい所業か。
「王に仇なすは国に仇なすも同じこと。民のためにそれを退けるのは王の務めだ」
 しゃあしゃあと言ってのけたかと思うと、ヴァイルが私の顎をついと持ち上げ顔を近付けた。目の前で深く刻まれた笑みに、寒気がする。
「国は王のものだ。そしてレハト……あんたもね」
 反射的に手が動いていた。
 甲高い音が静寂を破り、私が容赦なく国王の手を叩き落としたことを伝える。間近に迫っていた顔が不愉快げに眉根を寄せたが、ただそれだけだった。ヴァイルの背後に控えていた金髪の男が素早く体勢を整えるのを、ヴァイルが小さな手の動きだけで制す。
 手にしていた血の伝う剣を金髪の男に預け、ヴァイルは泰然と肩から流れる羽織を翻した。
「別れを惜しみたければご自由にどうぞ。どうせまたあそこに戻る羽目になるんだから、今だけ好きにしていいよ」
 最後に顎を上げて笑い、ヴァイルは護衛と金髪の男を伴って密生する木々の向こうへ悠々と姿を消す。
 その背を見送り、耳に残った不愉快極まりない笑声に唇を噛んだのは瞬きをする僅かな間だけで、私はすぐに力なく横たわる体に駆け寄り、傍らに膝を付いた。
 眉間に皺を寄せたグレオニーの顔を覗き込み、色を失った頬を撫でる。繰り返しその名を呼ぶと、グレオニーが眉間の皺を解き目を細めた。
「お綺麗に、なられましたね……」
 継承の儀にグレオニーは参列出来なかった。一介の衛士の身では無理もない。だから成人後の私と直接顔を合わせるのは今日が初めてだ。とんだ再会になってしまったけれど。
 グレオニーも少し見ぬ間に随分と逞しくなった。顔付きも変わったように思う。これならいつ結婚しても誰も文句は言うまい。
 咽喉につかえる言葉を少しずつ吐き出す。他人が見たら場違いな会話に思えるだろうが、私たちは至って真剣だった。募った想いを交わせるのは今しかないのだ。僅かな沈黙すら惜しむように他愛のない思い出を語り合う。
「……雨が……降ってきましたね」
 ぽつりと頬に落ちた雫にグレオニーが申し訳なさそうに眉尻を下げる。言われて空を仰ぐと、小さな雫が額に触れた。
 雨。
 今日まで何度雨に助けられただろう。救われただろう。
 けれどきっと、この雨は奇跡は起こさない。
 空を仰ぎ、痛んだ鼻腔に己が泣いているのだと漸く知る。グレオニーが雨だと思ったのは私の涙だったのか、雨だったのか。
 次第に強さを増す雨は私の涙も、彼の体から抜け落ちる血液も、同じ慈愛と温情で溶かしまるで一つにするように降り注ぐ。
 絶え間なく涙を零す空からグレオニーへと視線を戻した。心なしか瞬きの感覚が長くなってきている気がする。
 最期の時がすぐ側まで迫っているのだ。
 まだ話したいことがあるのに。
 そう思えど、震える唇からは自分の息を啜る音以外に何一つ音は転がり出ない。だが言葉ではなくても想いを伝える術はある。
 細い呼吸を繰り返す唇に口付けようと顔を近付けると、思いがけず強い力で服を引かれた。
「駄目です。それは、今度は……俺から……」
 子供時分に頬とは言え、私が先に口付けたのを気にしていたらしい。
 ここに来てまで気にするグレオニーに思わず笑ってしまいながら引き下がると、グレオニーは妙に満足げな笑みを口元に刻んだ。
 が、その笑みもすぐに崩れ去り、グレオニーの目が何かを探すように辺りを彷徨う。
「……あれ、変だな……レハト様、顔が良く、見えな……」
 言葉尻が空気に溶ける。
 それは束の間の逢瀬の終わりを告げる合図。
 苦痛にか顔を歪めるグレオニーの腰元から短剣を探り当てて手早く鞘を抜いた。手入れが施され良く研がれた刃はグレオニーの濁った目の中にあっても動じることなく、雲間から覗く一瞬のアネキウスの光を受けて煌めく。
 私が何を探し当てたのか、何を為そうとしているのか気付いたのか、グレオニーが少しだけ口角を持ち上げ、頷いた気がした。
 短剣をグレオニーの体の真上に留めたが、まだ微かに上下動を繰り返す体に迷いが生じる。助からないことなど分かっている。とうの昔に覚悟した。躊躇いは許されない。女の身での浅はかな躊躇いは事態の悪化を招くだけなのだから。
 汗ばんだ手で短剣を握り直し、吸い込んだ息を止め渾身の力で振り下ろした。肉を絶つ嫌な感触に目を瞑り、体重をかけて剣の根元までをその体に埋める。
 せめて最期は――。
 これ以上剣が動かないことが分かっても、柄に額を押し当てた姿勢のまま私は動けずにいた。手が震える。激しく胸を打つ鼓動が痛い。
 恐る恐るグレオニーの口に手を翳すと仄かに空気が手の平を掠める。
 失敗だったか。そう思い蒼褪めたのは一瞬のことで、細る息はやがて完全に絶えた。
 これで終わりだ。
 静かにグレオニーの顔に指を這わせる。彼はもう笑わない。私を見ることもない。
 ぼやけて滲む視界で短剣をグレオニーの体から引き抜いた。手にした短剣には雨粒が無数に伝い、全ての罪を浄化するように蔓延っていた赤を押し流して土へと還って行く。
 私に迷いは微塵も無かった。その切っ先を喉元へ押しあてる。
 神の国がなんだ。
 私が真にアネキウスの愛し子だと言うのなら、神の定めでさえも覆してみせよう。

[ 完 ]

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