「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
ナ、ナンダッテー!?
2010年03月29日 (月) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! ヴァイル憎悪verC+グレオニー愛情verAED前提 !!
レハト一人称:私
一度前提エンドロールを回収、もしくはどこかで見てからの方が話が分かりやすいと思います。


とりあえずヴァイル憎悪vsグレオニー愛情で、ヘタレが見せてくれた男気に答えて、レハト様とまとめておまえらまるっと幸せにしてやんよ!!、と思ったらこうなった。
てつこ先生が「故郷ED」と名付けてくれました。
で、一緒に故郷に行くとグレオニーの教え子たちが、
「グレオニーがすげえ美人な女の人連れて帰って来た!!」
って騒ぐのさ。
教え子には絶対呼び捨てにされてる予感www
そしてこの後二人はグレオニーの故郷で結婚して末永く幸せに暮らしちゃうんだよ。
そういうことにした。
私が。

それはさておき。
大旋風を巻き起こしているヴァイル憎悪vs他キャラEDですが、友情EDでも変わってくるってマジか。

どうも、そのあたりは人によって違うみたいなんですが(vsトッズ友情EDもカッコイイ。カビエロヒゲのくせに。グレオニーはやったところで変わらない予感)。
もう10KAのHPはぜろよー。
もうセーブデータの空き容量もぜろよー。
(※グレオニーに無駄にセーブデータを多用しているため。でも消さない、消せない)
有志のがんばりに期待とかダメですかね。
正直なところ、セーブデータは無限増殖してくれて構わんばい。
もしくは有料版で各種エンドロールが見られるようになれば、とは思うんだけど、それっていくらなんでも無茶振りですよね。
分かってる、分かってるんだ。
言ってみただけだから!!







 手にした鞄はとても軽かった。
 それもそうだろう。この屋敷と言う名の檻の中に、持って出るべき大事な物など一つとしてない。鞄の中身は生活に必要な物だけだ。
 今日、私はランテの屋敷を去り再び自由を得ることになった。実に五年ぶりの自由だ。
 カラカラと音のなる鞄を片手に与えられていた部屋を出、長い回廊を屋敷の正門に向かって歩く間、私は空しく過ぎ去った五年間に思いを馳せた。
 五年だ。ヴァイルと玉座を巡り、剣を交えてから五年の歳月が流れている。長いようで短いような、掴みどころのない年月だった。
 この五年の間の大きく変化と言えば、ヴァイルが結婚し、国王夫妻の間にとはいかなかったが次代を担う宿命を負った子どもが産まれ、そして前王リリアノが逝去したことか。
 勿論それ以外にも大なり小なり様々な出来事があったのだろうが、残念ながら世間と隔絶された私の耳には届かなかった。
 だから例えばグレオニーが今どこで何をしているのか、その一切を私は知らない。今も衛士として城に留まっているのか、既に職を退き故郷に戻っているのか。それとも他の道を見付けたのか。
 そう、五年と言う神にさえ止められない時間はこうして誰にも等しく降り積もる。
 私が二十歳を迎えたのだからグレオニーは二十五歳になっているはすだ。
 きっと結婚し、子どもに恵まれた幸せな生活を送っているだろう。全く音沙汰のない相手を待ち続ける愚か者などいないし、彼が他の誰かと確かな幸せを築いていたとしても、私にはそれを責めるつもりも権利もない。むしろ幸せであって欲しいと思う。暖かで穏やかな家庭の良く似合う人だから。
 正門の前で足を止めると、無言のまま一度として私を見ることなく、侍従がゆっくりと門扉を開いた。不意に最初で最後、ヴァイルが寄越した手紙の文句が頭を掠める。

 ――好きなところへ行けばいい。

 新たな寵愛者が誕生したとは言え、未だ火種となりかねない私をヴァイルが城に置くはずもない。こちらとしても城に厄介になる気は露ほどもないが。
 当座は城から遠く離れた村で大人しくしているのが良いだろう。落ち着いたら、どこか長閑かで住み良い田舎で何もかも忘れて暮らすつもりだ。
 人には分相当の生活というものがある。私の場合、恐らく村を離れたのがそもそもの間違いだったのだろう。
 扉が開ききるのを待たず、隙間から私は外へと滑り出た。
 屋敷の中庭を吹きぬける風と街を縫う風は同じもののはずなのに、そこに懐かしさにも似た何かを覚え、大きく空気を吸い込む。それをゆっくりと吐き出し、眼前に広がる街並みに目を向けた。
 今日からは独りだ。
 既にたった一人の肉親であった母を亡くしている以上、私に身寄りなどいるはずもない。だから必然的に独りきりになる。
 思い起こせば生まれてこの方、本当の意味で独りになったことはなかった。母亡き後も城でローニカやサニャ、様々な人々に囲まれ、ここでも二人に代わって世話をしてくれる侍従がいた。いつでも気軽に――というと語弊があるが――誰かを頼ることが出来た。
 だが、これからは。
 改めて感じる寂しさには見なかった振りを決め込むことにする。
 さてこれからどこに向かおうか。選択肢はいつになく多い。多過ぎる可能性と言うのも時には困りものだ。
 進むべきを道を選びあぐね、門の前で考え込んでいた私の耳に唐突に飛び込んできたのは自分自身の名前だった。
「レハト様」
 それは聞き馴染んだ懐かしい声。誰よりも愛おしい声。まごうことなく、私の最も大切な人の声だ。
 解らないはずがない。
 気が付けば引き寄せられるように私は声がした方に視線を向けていた。
 物陰から声と共に不意に姿を現した長身の男がそこにいる事実を正確に認識出来ず、私は戸惑いの中、首を傾げた。昼日中から夢でも見ているのだろうか。
 半ば呆然と立ち尽くす私にその男は一直線に、迷いなく近付いてくる。
 一瞬にして跳ね上がった鼓動が騒がしい。これが夢だったらと思うと恐ろしく、息を呑み一挙手一投足を見守ることしかできなかった。もし伸ばした手が触れることが叶わなかったら、きっと立っていられない。
「レハト様」
 再びの呼び掛けに反射的に彼の名を呼ぶ。
 グレオニー。
 彼の名前を口にするのも五年ぶりか。
 目の前に歴然と存在するのは確かにグレオニーだった。衛士の制服に身を包んでこそいないが本物のグレオニーだ。
「待っていました、貴方がここから出てらっしゃるのを。俺、諦めが悪いもので」
 申し訳なさそうに眉を垂れ、僅かに笑みを浮かべたグレオニーに私を首を横に振ることで答えた。
 鼻の奥が痛い。唇が自然と震える。
 本当は心のどこかで願っていた。彼が私を待っていてくれることを。そんな都合の良い願いなど叶うはずがないと諦め、早々に手放したつもりでいた想いが甦る。 
 涙でグレオニーの姿が滲んでしまうのも惜しく、懸命に両目に力を入れて涙を堪えた。漏れそうになる嗚咽を飲み込み飲み込み、ようよう彼の近況を尋ねる。
「衛士は随分前に辞めました。今は故郷に戻って子どもたちに色々教えてます。王城付きになるための塾みたいなものですね」
 彼らしい選択のように思う。大勢の子どもたちに囲まれ、まるで実の兄のように慕われる姿が容易に想像出来る。
 私の願い通り充足した日々を送っているらしい。
 グレオニーの顔に浮かんだ和やかな笑みだけで充分だった。それがこの目で見られただけで、私は今とても幸せだ。それ以上は望まない。彼の隣に私の居場所が望むべくもないことは分かっている。
 私が精一杯の笑みを返すと、グレオニーが一歩間合いを詰めた。
「……だから、前よりもっと身分的に釣り合わないのは解ってます。でも、あの時言えなくて、今すごく後悔してることをどうしても言いたくて」
 グレオニーはそこで一旦言葉を区切ると小さな咳払いをした。その頬は気のせいか赤くなっているように見える。
 けれど、グレオニーを見上げる私の目から彼は視線を外さない。彼の心根のように真っ直ぐで一途な双眸が私を捉える。
 期待していいのだろうか、その言葉の先を。
 胸が締め付けられるように痛い。
 緊張にか、僅かに乾いた声音でグレオニーがしっかりと言葉を紡ぐ。
「御前試合で俺が勝てたのもレハト様の応援があってこそです。俺の人生には貴方が必要なんです。レハト様、俺と同じ道を歩いてもらえませんか?」
 もう涙を堪える必要はなかった。

[ 完 ]

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