「冠を持つ神の手」の感想やら妄想やら色々ごった煮です。
雨男ならどっちも美味しく頂ける派
2010年03月13日 (土) | 編集 |
↓畳んでるSSもどきの説明

!! グレオニー愛情verAED前提 !!
多分結婚済。
レハト一人称:私
グラドネーラのお菓子事情は見なかったことにしています。


※誤字・脱字チェックの途中で恥ずかしさに居た堪れなくなったので、魚の被り物を作って被ってきますなう。

グレオニーに何か詰めるつもりが詰められたのはレハト様でした。
おかしいな。
どうしてこうなった。
何か、グレオニー久々ですねー。
グレオニー党とか名乗ってるくせに、やけに自由に他の方々の往来があるもので。
主にトッズとかトッズとかトッズとかタナッセとかトッズとか。
でも、決して忘れていたわけじゃないですよ。
かもかてにおける私の心の主役は常に素人童貞雨男です(キリッ

記事のタイトルは、雨男は通常口調と友情口調があるので、どっちがより好みか分かれると思うのですが、私は雨男ならどっちもいい派ですというどうでもいい主張です。
グレオニーならなんでもいいのさ、要するに。
そう、それが愛と言うものなのだよ。

何を血迷ったか、ヴァイルが憎悪verBを落として行かれました。
え、ちょ待っ……このままだと、本当にネガティブED派生SS塗れになるんだけど!!

余談:
前回「ツイッターなるものに手を染めた……やっちまった、やっちまったよ、俺……」的なことを書いたら、即効捕獲されました。
これはあれだな、商人が情報を売ったに違いない。





 糖 菓 子 の く ち び る


 昔から甘い物には目がなかった。城へ来て何が一番感動したかと言えば、手軽にこんな美味しいものが手に入ることだ。お菓子と言うのはどうしてこんなにも幸せで満ち足りた気持ちにしてくれるのか。勿論、隣に座るグレオニーも私の幸せの一部分ではあるのだけれど。 
 でも二つの幸せの意義は決して同一のものではない。
 私が手にしている焼き菓子の上には、果肉感が程良く残る橙色のジャムがたっぷりと乗せられ、きらきら輝いている。食べて食べて、と囁くような輝きにうっとりしつつ、その端に私は噛み付いた。
 サクッとした生地と、優しい甘さを湛えたジャムが私の口内を満たす。
 幸せだ。
 村で極稀に口に出来た甘味も素朴な甘みが美味しかったが、やはり焼き菓子の美味しさは別格だと思う。素材そのものが違うのだから、当然と言えば当然だが。
 特別空腹だったわけではないが、それでもすんなりと一個が胃の中に納まる。まだまだ余裕で食べられそうだ。次はどれにしようかと皿に並べられた焼き菓子をじっくりと吟味し、今度は赤い色をしたジャムに目を付けた。そのジャムも食べられるのを今か今かと待つように陽の光に煌いている。
 迷うことなく手にしたそれに齧り付いた。
 そうして次々に焼き菓子を頬張る私を何をするでもなくじっと見つめていたグレオニーが、不意に、ぷっ、と吹き出す。大きな口を開けたのがいけなかったせいだろうか。確かに女性らしくなかったかもしれない。でも、焼き菓子に限っては少しずつ上品に口に運んで食べるのは性に合わないのだから仕方ないではないか。
 グレオニーだってそれは承知してるはずなのに。
 ちらりと隣を視線で窺うと、にっこりと微笑まれた。
「いつも思うけど、レハト、本当に食べるの下手だなあ」
 一体全体唐突に何の話か。
 さすがにむっと唇を尖らせると、グレオニーが一層目を細めた。
 自分の顎を指で指し示し、
「ジャム付いてる」
 そう言ってグレオニーはまた笑った。
 笑ってないで拭いてくれればいいのに。
 笑われたことを根に持ちながら、指先で教えられたあたりを拭ってみるがなかなか取れない。鏡石でもあればいいのだが、生憎と手に届く範囲にも、目に見える範囲にもなかった。
 そうこうしている間に、余所見をしていたせいで手の方にジャムが滴ってくる。これはまずい。何より折角のジャムが勿体無いではないか。どうせ汚してしまうのだったら、さっさと全部食べてからにすれば良かったと今更悔やむが後の祭りだ。
 指に付いたジャムが名残惜しく、どうしようかと悩んだのはほんの僅かな時間だった。残念だが拭いてしまうより他にない。私は焼き菓子を汚れていない手に持ち替え、諦めて手拭に手を伸ばした。
 けれど、私の手が手拭に届く前に別の手に手首を捕まれる。当たり前だが、この場に私とグレオニーしかいない以上、私の行動を阻んだのはグレオニーだ。
「拭いたら勿体無い」
 低く呟かれた声に疑問を投げかける前に、極自然な動作でジャムで色付いた指を食まれる。あまりの驚きに手を引っ込める事も出来ない。
 甘いものは得意じゃない、と言っていたのに。
 普段、私がいくら勧めても気が向いた時しか口にしないくせに。
 驚くやら呆れるやら恥ずかしいやらで、只管目を白黒させている間にも丹念に指先を綺麗にされ、私は消え入りたい気持ちで俯いた。
 とてもじゃないがその様を直視することなど出来るはずもなく、ただただグレオニーが手を離してくれるまでじっと耐え忍ぶ。
 どのくらい経ったのか全くわからないが、やがて何事もなかったように指が解放される。そのことに知らず安堵の息を漏らしていると、今度は唐突に片腕を捕まれた。グレオニーの右手が私の背中に回り、あっという間に引き寄せられる。
 全く先の読めない行動に成す術なくされるがままになっていると、顎をぺろりと舐められた。
「……甘いな」
 グレオニーがぼそりと独りごちる。
 何を当たり前なことを言っているのか。ジャムなのだから甘いに決まっている。その前にそんな暴挙に出るなんて私は聞いていないし予測もしていない。不意打ちは卑怯だ。そんなのはズルだ。そもそも拭くのであれば、目の前に手拭があるのだからそれを使えば良いではないか。
 言いたい事は山ほどあれど、肝心の私の口と言えば無駄に開閉を繰り返すばかりで埒が明かない。持ち主の言うことを聞かないとは不便極まりない口だ。言う事を聞かない己の体が歯痒くてならない。
 何か一言言ってやらねば、と懸命に思考を巡らせていると、至近距離からちらりとグレオニーの視線が私の顔に走った。それを不審に思う隙も与えられず、それこそ息もつかせぬ勢いで唇が塞がれる。
 今日のグレオニーはなんなのだ。いつもの弱気で甘いグレオニーはどこにいったのか。こんな強気な一面があるなんて聞いていない。
 ずるい、絶対ずるい。
 おまけにどうしてか抵抗できない自分がいる。その事実にうろたえている間に口付ける角度を変えられた。グレオニーが何を狙っているのか何となく読めてきたが、それなら尚更唇だけは開くまい。グレオニーの横暴に対する最後の意地だ。
 きゅっと唇を引き結んできつく目を閉じた。与えられる口付けを意識したらきっとグレオニーに負けてしまう。そんな予感が頭を掠め、私は思い付くままにどうでもいいことを考える。取るに足りないつまらないことでいいのだ。明日のおやつは何を食べようだとか、明日の天気はどうだろうだとか。
 けれど、それさえも見透かしているのか、まるでこちらに集中しろとでも言うように背中を撫でられ私は口付けられたまま小さく呻いた。
 グレオニーの卑怯者。
 息苦しくなるほど長い口付けでも頑として口を開かずにいると、呆れたように浅く下唇を噛まれた。離れる間際に噛んだところを舌先でちろりと舐められる。
 軽い酸欠状態で大分思考が回っていないが、それでも思いがけない事態に激しく動揺し身を竦ませると、いつの間にか力の抜けていた手から焼き菓子が落ちた。
「あ」
 グレオニーが小さくそう漏らし、私が同様にそう思った次の瞬間には焼き菓子は赤いジャムを辺りに飛び散らせ、天地が逆になった状態で転がっていた。
 半ば呆然とその哀れ極まりない様を眺める。
 これは本気で勿体無い。
 まだ一口しか食べてなかったのに。
 暫しの沈黙を経て私が眉を吊り上げると、グレオニーが引き攣った笑みと共に視線を反らした。

[ 完 ]

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